和のテイストを取り入れた上質な室内
21万1738人と2023年を上まわる来場者数を記録し閉幕した「第27回大阪オートメッセ2024」。出展車両も過去最大となる660台で、じっくり眺めるには3日間では時間が足りなかったのは事実。そこで、気になるカスタマイズ&チューニングカー、ブースなどをあらためて紹介していきます。今回はトムスのレクサス「LM」です。
レクサス「LM」の顔がLEDで7変化! ブリッツが開発中のエアリフト可能な車高調も市販化への期待大です
ブレーキ強化など運動性能も抜かりなし
大阪オートメッセの6A&6B号館は、王道のチューニングカーとアフターパーツが軒を並べるのが毎年恒例である。アフターパーツの振興を目的とした企業団体「NAPAC」の合同ブースには、トヨタの新しいショーファードリブンカーとして日本のみならず、世界で人気が高い「レクサスLM」が3台集結した。
LMは2023年12月から順次オーナーの手元に届き始めているが、納期は4カ月~ということもあり、実車を見る機会はまだまだ少ない。今回は間近で見られる貴重な機会であること、さらにHKS/ブリッツ/トムスの業界大手のメーカー&ブランドがそれぞれコンセプトを掲げ、独自のカスタムが施された車両であることから、多くの来場者が常にクルマを囲み、なめ回すように眺めていた。では、気になる各社のレクサスLMカスタムを順に紹介していくことにしよう。まずは2024年に創立50周年を迎えた「トムス」からだ。
トムスが考えるLMカスタムはオリジナルが持つショーファー性をさらにワンランク引き上げ、日本のおもてなしの心や和のテイストを存分に盛り込み、世界に誇れるニューエグゼクティブな世界観を演出している。新しいものを受け入れつつ、昔から不変なもの、大切なところを残しながら発展していくという「不易流行」がカスタマイズコンセプトだ。
やや赤みと光沢感が強いマルーン(ソニックアゲート)カラーをベースに、ボンネット/ウエストラインより上をゴールド(ラッピング)としたツートーンカラーは輸入車ラグジュアリーブランドの最上級モデルを彷彿とさせる。ただ真似をするしないではなく、佇まいにも特別な装いを与えたいという思いを突き詰めた結果、このカラーにたどり着いたそうだ。
VIPを招くリア空間は、春夏秋冬をイメージした文様があしらわれた組子細工のオーバーヘッドコンソールと、天井のデザインと統一感を持たせた柄がプリントされた純正シートなど、古くから受け継がれている工芸、伝統を随所にあしらい、日本らしさと落ち着きある空間を表現している。グラデーションの床はカーペットではなく、より厚みのある絨毯(オリエンタルカーペット製)。シート下に装着した調光可能なライトが照らす足元は、まるで行灯のように柔らかく温かい。
さらにサイドステップにはイルミネーションバーを追加し、乗降時の安心安全も担保。その他、純正の木目パネルの一部をホワイトとすることで室内全体の色味を揃えるなど、細部までトータルコーディネート。おもてなしの心が行き届いている。
また、足元には外周部リムに厚みを持たせてカタマリ感を表現し、これに細身のスポークを組み合わせることでエレガントさと軽快感を両立させた新作の20インチ鍛造ホイール「TWF05」を装着。加えて重量級のLMを確実かつ安全に止めるため、ブレンボ社と共同開発したブレーキキットで強化。フットワーク性の向上と制動力を高めており、走行性能の引き上げにも成功している。
すでに販売に向けて動き出しており、現在の仕様で800~1000万円のパッケージを予定。納期が非常に長くなることが予想されるので、ユーザーのクルマを預かり、オーダーメイドに近い作り込みで提供することも検討しているそうだ。
「クルマを愛する方は数多くいらっしゃるので、トムスとして情熱をもって応えていこうと考えています」
とは担当者の弁。いったいいくらになるのか検討もつかないが、世界に1台のLMを所有できるパッケージはエグゼクティブ層には非常に魅力的に映るはず。続報を待ちたい。
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