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トヨタ完勝、サファリで2年連続1-2-3-4達成。オジエが僚友の追撃振り切り今季3勝目/WRCケニア

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トヨタ完勝、サファリで2年連続1-2-3-4達成。オジエが僚友の追撃振り切り今季3勝目/WRCケニア

 6月25日、アフリカ大陸のケニアで開催されてきたWRC世界ラリー選手権第7戦『サファリ・ラリー・ケニア』の競技最終日、日曜のデイ4はSS14~19が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が優勝。2023年シーズン折返しの一戦で今季3勝目をマークした。

 総合2位はオジエと優勝を争ったチームメイトのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)。同じくTGR-WRTのエルフィン・エバンスと勝田貴元が3位、4位に入ったため、トヨタ勢が昨年のサファリ・ラリーに続き1-2-3-4フィニッシュを達成している。

【順位結果】2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア SS19後

■脅威の走り。リヤハッチとウイングがなくても速かった8冠王者

 今年で70周年を迎えた伝統のサファリ・ラリーは、通算8度のドライバーズチャンピオン獲得経験を持つオジエの強さを再確認する一戦となった。競技初日、22日(木)のデイ1を首位と0.5秒差の2番手で終えたオジエは、デイ2最初のステージとなったSS2でベストタイムを記録してトップに立つと、その日の午後に3連続ステージウインを飾る速さをみせ、総合2番手につける“現王者”ロバンペラに22.8秒のリードを築いてみせた。

 24日(土)のデイ3では史上最年少チャンピオンが反撃に出るも、その差は一時32秒にまで拡大する。しかし一日の最後に設定されたSS13でロバンペラがトップタイムを記録した一方、オジエは終盤にスローパンクチャーに見舞われタイムロス。これにより両者のギャップは最終日を前に16.7秒となった。

 迎えたデイ4、今朝のオープニングもロバンペラが制し、ステージ2番手となったオジエとの差を8.1秒縮める。8.6秒差で迎えたSS15ではオジエがドライビングミスを犯した。彼は森の中のややタイトな右コーナーでワイドに膨らみ、車両後部を立ち木にヒットさせてしまう。これによってテールゲートごとリヤウイングを失った17号車トヨタGRヤリス・ラリー1だったが、タイムはまさかの全体最速。2番手タイムを記録したロバンペラを8.6秒引き離してみせた。

 午前中最後のSS16はロバンペラが3番手、オジエは5番手タイムでクリア。残り3ステージを残した段階でのトップ2台のタイム差は13.6秒だ。ミッドデイサービスを挟んで行われた午後の戦いではロバンペラがじわりじわりとその差を詰め、最終ステージを前についに10秒を切り9.2秒となっている。

 運命の最終パワーステージ。ここでは先んじて出走した現王者が5分35秒8の暫定3番手タイムを記録した。これに対して8冠王者はフロントガラスに飛び石を受けながら5分38秒3をマーク。この結果オジエが逃げ切りに成功し、第3戦メキシコ以来となるシーズン3勝目を飾った。サファリ・ラリー・ケニアでの勝利は2021年以来、2度目だ。

 最後は6.7秒差で大会連覇を逃すも、総合2位でフィニッシュしたロバンペラはドライバー選手権のリードを拡げ、ランキング2位につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)との差を32ポイントとしている。

■勝田貴元は今季最高リザルトの4位でフィニッシュ

 前日のデイ3で勃発したTGR-WRT内での表彰台争い、エバンスと勝田のバトルは前者に軍配が上がった。ケニアで3年連続の表彰台獲得を目指す勝田に対し16.7秒のリードも持って最終日に入ったエバンスは、オープニングのSS14でトヨタGRヤリス・ラリー1のリヤウイングにダメージを負ってしまう。

 一方の勝田はこのステージでロバンペラ、オジエに続く3番手タイムを記録し、チームメイトとのギャップを11.4秒に縮めた。しかし続くSS15とSS16ではエバンスの後塵を拝するかたちとなり35.7秒のビハインドに。午後のSS17は3番手タイム、SS18で今大会2度目のステージウインを飾り22秒差に迫ったが、最終ステージでの逆転は叶わず。最終的には3位エバンス、25.3秒遅れて4位勝田というリザルトになっている。

 前日と同様に、トヨタ勢の4台の後に続いたのはダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)で、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのチームメイトたちが連日のメカニカルトラブルによってデイリタイアを喫するなか、陣営最上位の総合5位でフィニッシュした。

 Mスポーツ・フォードWRTの最上位は、総合6位でラリーを終えたオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)。7位に僚友ピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)が続き、デイ2でのデイリタイア後「8位フィニッシュを狙う」と話していたヒョンデのヌービルが“有言実行”の8位完走を果たしている。パワーステージを制したベルギー人の後方、総合9位はWRC2クラスウイナーとなったカエタン・カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)、10位にはアニマルバーとシュノーケルを備えたシュコダ・ファビア・ラリー2エボをドライブしたオリバー・ソルベルグが入った。

 WRCの次戦第8戦はタナクの母国ラウンドとなる『ラリー・エストニア』だ。“グラベルラリー7連戦”の4ラウンド目となる同イベントは、7月20日(木)から23日(日)にかけて開催される。

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