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「最新モデル試乗」よりハンサムに、力強く変身。欧州ベストセラーSUV、ルノー・キャプチャーが愛される理由

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「最新モデル試乗」よりハンサムに、力強く変身。欧州ベストセラーSUV、ルノー・キャプチャーが愛される理由

日本仕様は2グレード構成。パワーユニットは1.3リッターターボ(154ps)

 SUVが人気を集めているのは、ヨーロッパも同様だ。2020年、欧州で最も売れたSUVが新型ルノー・キャプチャー(2ndモデル)だった。乗用車車名別ランキングでも堂々の6位にランクイン。幅広いユーザーに支持されている。日本でもこの2月に新型キャプチャーが上陸した。

オレンジのアクセントが際立つルノー・トゥインゴの特別仕様車が日本上陸

 新型はプラットフォームとパワートレーンの双方を刷新。それが好調な販売結果につながった。
 プラットフォームは、ルノー/日産/三菱アライアンスが開発し、ルーテシアや日産ノートも用いるCFM-Bを使う。パワートレーンはダイムラーと共同開発した1.3リッター直列 4気筒ターボエンジンに、 7速DCTを組み合わせる。
 先進運転支援システム(ADAS)の充実も著しい。アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシスト、衝突被害軽減ブレーキは標準装備だ。

 日本仕様のラインアップは、インテンスとインテンス・テックパックの2グレード構成。基本メカニズムと装備は両車共通。テックパックは本革シート、レーンセンタリングアシストを専用装備する。試乗車は上級版のテックパックだ。

伸びやかなスタイリング。ルーミーな室内は好印象

 ボディサイズは従来比でひと回り拡大。全長×全幅×全高は4230×1795×1590mm。ルーテシアがモデルチェンジでダウンサイズしたのに対し、全長で95mm、全幅は15mm、全高は5mmサイズアップした。インポーターの説明によれば、ハッチバックでは狭いと感じるユーザーの要望に応えるためだという。ルノーはカングーなど、空間効率に優れた車種をいち早く送り出してきた。その経験をSUVに投入したのだ。

 スタイリングは、ひとクラス上かと思うほどの存在感がある。全体的に丸みが抑えられてシャープになった。サイドウィンドウ下端から2トーンカラーの境目に達するクロームラインが印象的だ。Cシェイプのデイタイムランプを配した顔は最新ルノー共通イメージ。キャプチャーはリアコンビランプも同じイメージでまとめた。

 インテリアは落ち着いた雰囲気が漂う。インパネやドアトリムにソフトパッドやシルバーアクセントを採用したことが効いている。センターコンソールはフライングスタイル。7速DCTのセレクターレバーは電気式で、モダンなテイストだ。
 シートはフランス車ならではの快適設計。前席はそれほどソフトではないものの、サイズは大きめで、ゆったり体を包み込む感触が心地いい。後席は160mmの前後スライドを標準装備。ロングホイールベースに加え、高めの着座位置のメリットで、身長170cmのパッセンジャーがゆったり座れる。後席使用時に最大で536リッターの容量を確保したラゲッジスペースを含め、ハッチバック車とは別次元の広さという説明に納得した。

パワフルな走り。フットワークは懐の深さが魅力

 エンジンは基本的にはルーテシアと共通。ただし最高出力は154ps、最大トルクは270Nmで、23psと30Nmアップしている。対する車両重量は1310kg。100kgほどの増加に留まっているので、加速は余裕があり、静粛性も高い。4気筒にこだわった成果で、高回転域まで回すような場面でも音質は気にならない。

 ADASは同様の技術を採用したルーテシアと比べ、作動感がリニアになっており、改良が確認できた。ルーテシアに続いて導入したBOSEの新サウンドシステムは、ライバル各車の標準オーディオを超えた高音質である。
 乗り心地はしっかりとした印象。低速での乗り心地は硬めだ。重心が高いボディ、215/55R18という太く大径のタイヤに合わせてチューニングしたためだろう。粗い印象はなく、重厚なイメージを受けた。速度を上げていくと、ルノーらしく揺れを抑えて姿勢をフラットに保つフィーリングになる。

 ステアリングは低速では軽いが、50km/h程度からしっとりした重みに変化していく。ドライブモードをスポーツに切り替えれば、エンジンの回転を高めに保ち、スロットルレスポンスが鋭くなる。
 フットワークは懐が深い。ペースを上げるにつれサスペンションがストロークし、タイヤがしっとり接地して、安定したグリップでコーナーを抜けていく。
 新型キャプチャーが支持されているのは、デザインやクオリティに加えて、この走りも評価されているからだろう。日本でも総合力を重視するユーザーにとって、理想に近い1台になりそうだ。

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