F1のCEOチェイス・キャリーは、1シーズン最大25戦を開催するというプランを推し進めている。そのなかでグランプリの2デー開催という選択肢も浮上しているようだ。
多くのチームは、スタッフへの負担を考えれば現在の21戦が限界だと主張している。レース数が増えれば、スタッフの交代制を敷く必要が出てくるものの、ビッグチームとは異なり、小規模チームには追加のスタッフを雇う予算を捻出することは容易ではない。また、上級スタッフ等、毎グランプリ出席しなければならない者もいる。
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しかしF1の所有権を保有するリバティ・メディアは、レース数をさらに増やすという構想を持っている。開催数が増えれば、リバティ・メディアが得る収益が増えるからだ。
「2020年に向けてベトナムおよびザントフォールトとは合意に至っており、数週間のうちに契約が正式にまとまるだろう」とキャリーCEOはオーストリアのテレビ局に対してコメントした。
代わって現在開催されているグランプリのうちふたつがカレンダーから脱落する見込みで、候補はドイツ、メキシコ、スペインであると考えられている。しかしいずれは数戦が新たに加わり、開催数が増えることになるかもしれない。
「もちろん、量より質が重要だ」とキャリーは言う。
「しかし、アメリカでのもうひとつのグランプリに関する交渉を行っているし、アフリカでのグランプリも復活させたい。今は21戦だが、適切な場所が見つかれば、あと数戦増やすことが理にかなっている」
リバティ・メディアは、車検やメディアインタビューを金曜に移し、将来は1グランプリを2日開催にすることも検討しているようだ。
2デー開催になると、関係者にとっては1レースウイークエンドあたり1日、25戦の場合、年間で25日の余裕ができる計算だ。しかし、ヨーロッパ以外のグランプリや連戦もあるため、単純にそれだけの日数をスタッフが家庭で過ごすために充てられるとは考えられない。
観客数が少ないグランプリでは、2日間への縮小が可能かもしれないが、オーストラリアなどの人気イベントでは、レースウイークエンドを長く取る方がファンにとっても主催者にとってもプラスになる。
また、金曜のチケットで得られる収入を手放したくないグランプリは多いだろう。モントリオール、ハンガロリンク、スパといったサーキットでは、木曜にはマシンの走行が行われないにもかかわらず、多数の観客がピットウォークのために訪れ、グッズを購入する。
つまり、レースウイークエンドの短縮は、プロモーターにとって収益の減収につながり、チームスタッフへの負担の面でも大きなメリットは見込めないといえるだろう。
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