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クルマ好きに応えるマニュアル トヨタ・スープラ 3.0 6速MTへ英国試乗 相性は◎

掲載 26
クルマ好きに応えるマニュアル トヨタ・スープラ 3.0 6速MTへ英国試乗 相性は◎

クルマ好きの最大の理解者かもしれない

2022年のニューモデルで、最高のスポーツカーに位置づけられるであろう、トヨタGR86。だが同社はもう1台、3ペダル+マニュアル・トランスミッションの貴重なモデルをラインナップした。スープラだ。

【画像】6速MTを獲得 トヨタ・スープラ 欧州の競合スポーツモデルと写真で比較 GR86も 全117枚

トヨタといえばプリウスやミニバンなど、われわれに身近なモデルを大量に販売する、世界最大手の自動車メーカー。それだけではなく、近年はクルマ好きの気持ちに応えてくれる、最大の理解者といえるのかもしれない。

このモデル展開を推進する張本人こそ、トヨタを率いるCEO、豊田章男氏。根っからのクルマ好で、自らモータースポーツを楽しむ彼がいなければ、ガズーレーシング(GR)というイメージを牽引するサブブランドも存在しなかっただろう。

結果としてトヨタGRヤリスと、GR86という見事な傑作が誕生した。そして、この6速MTを搭載したスープラも。先の2台と比べると、パワフルでグランドツアラー寄りではある。だがしっかり、カー・エンスージァストに寄り添っている。

英国導入も決まったMTのスープラだが、同時に新しい3色のボディーカラーも選べる様になっている。さらに、ZF社製8速ATを搭載する既存のスープラへ施されたものと同等の、ステアリングとサスペンションへのアップデートも受けている。

変化は限定的ながらシャシーもアップデート

シャシーのチューニングは細部にまで及んでおり、アンチロールバーやダンパーのラバーブッシュにも改良が施された。高剛性のものを装着することで、姿勢制御の精度を高めている。

電動パワーステアリングも、より自然な重み付けが早い段階で得られるよう、手が加えられた。若干クイック過ぎるように感じられたレシオ自体に、変更はないそうだ。

いずれも歓迎できる内容といえる。スープラは登場時から不足ないスピードで長距離をこなせる、素晴らしいグランドツアラーだった。反面、ポルシェ718ケイマンのような、ダイナミックさは若干欠けていた。それが改められたのだから。

といっても、変化は小さい。今回の試乗はスペイン南部、モンテブランコ・サーキットが舞台となったのだが、用意された3周という時間では明確な違いを感取できなかった。

サーキットでのスープラは適度にタイトで、一体感があり、間違いなく速い。だが以前と同様に、速度域の低いコーナーで若干鼻先が重く感じられたことも事実だ。

フロントタイヤがどんな状態にあるのか、直感的なフィーリングも薄い。ひと回り小さいGR86なら、濃密な感触が伝わってくるのだけれど。718ケイマンでも。

表現が難しいのだが、フロントアクスルがドライバーから遠く、トレッドも狭く感じられる。最高のスポーツカー、と表現できるまでには少し届いていない。

とはいえ、50.9kg-mという潤沢な最大トルクを活用し、リアタイヤをゆっくり外へスライドさせることは容易。自在にラインを調整できる楽しさはある。

スープラと非常に相性が良い6速MT

新しく獲得した6速MTは、構成自体はスープラのオリジナルだが、既存のBMWも採用するZF社製ユニットがベース。新しいギアとファイナル比が与えられている。新開発とまではいえないにしろ、トヨタのクーペに最適化されている。

正確で滑らかに変速でき、過去10年間に及ぶBMWとZFとの取り組みが反映されている。シフトレバーの重み付けも適正で、素晴らしいトランスミッションだ。素早く次のゲートを選べ、するりと吸い込まれる仕草が気持ち良い。

クラッチペダルの重み付けや感触も、しっかり調整されている。スポーツカーのそれ、というよりグランドツアラー的ではあるが。

さらにこのトランスミッションは、8速オートマティックより22kgも軽量。MTの車重は、1457kgに抑えられるという。

全体の印象として、新しい6速MTはトヨタ・スープラと非常に相性が良いといえる。比較的大排気量で、フロントノーズの長いFRクーペが絶滅の危機にある状況にあって、この追加を素直に喜びたいと思える仕上りだ。

気になる点といえば、高速道路のクルージング時はエンジンの回転数が高めになること。8速ATでは約110km/hを約1800rpmで流せるものの、6速MTの場合は約2600rpmまで回す必要がある。

3.0Lの約40%が6速MTになる予想

ぜひとも社会的に許される内に1台を、とお考えの読者もいらっしゃると思う。ただし英国市場の場合、MTを選べるスープラは3.0Lのベース・グレードのみとなる。プロ・グレードで選択できるのは、ATだけだという。

英国価格は5万3495ポンド(約872万円)からで、ATのスープラ・プロより約4000ポンド(約65万円)安い。同じくMTを選べない2.0Lのスープラと比べても価格差は小さく、かなり魅力的な設定といえる。

トヨタは今後売れるであろう3.0Lのスープラで、約40%が6速MTになるだろうと予想する。確かに、この内容なら充分にありえる。今回のトヨタの努力が結果として報われることを、筆者も陰ながら期待したいところだ。

トヨタ・スープラ 3.0 MT(欧州仕様)のスペック

英国価格:5万3495ポンド(約872万円)
全長:4379mm
全幅:1854mm
全高:1292mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1457kg
パワートレイン:直列6気筒2998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:340ps/5000-6000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1600-4500rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

26件
  • じゃ、なんで現行スープラ発売時にトヨタの開発エンジニアはMTなんか要らないって言い張ったんだ?
  • 大ウソつきのゴミクソ政治家高市早苗のせいで
    スープラが大嫌いになった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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