メルセデス・ベンツ日本は2023年8月25日、ミドルサイズSUV のEQモデルとなる「EQE SUV」を発表した。まずはEQE 350 4MATIC SUVとメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVのローンチエディション(Launch Edition)の予約受注を同日より開始。ユーザーへの納車はEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションが同日より順次、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションが本年10月下旬以降を予定している。
車両価格は以下の通り。
4リットルV8ツインターボエンジンを搭載した改良型の「メルセデスAMG GT 63S 4MATIC+」が日本上陸
EQE 350 4MATIC SUVローンチエディション:1369万7000円
メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディション:1707万円
EQシリーズのミドルサイズクラスとしてはセダンのEQEに続く電動モデルとなるEQS SUVは、新世代の電気自動車専用プラットフォームを基調に、日本の道路事情に合ったボディサイズと優れた取り回し性、広い室内空間とラゲッジスペース、そしてSUVの使い勝手の良さを高度に融合させた電動SUVに仕立てたことが特徴である。
まずエクステリアは、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を反映したSUVデザインを採用。機能性やエアロダイナミクスに対する厳しい要求を満たす“目的に沿ったデザイン”を導入し、ゆったりとした面の構成、継ぎ目の少なさ、そしてシームレスデザインをSUVスタイルに昇華させる。エアロダイナミクス性能も優秀で、空気抵抗係数(Cd値)は0.25を実現した。
各部のデザインにもこだわり、フロントフェイスには立体的なスリーポインテッドスターをあしらうとともに、裏側に備わる超音波センサーやカメラ、レーダーなど運転支援システムの様々なセンサーをカバーする役割を担う“ブラックパネル”を配備。シャープな造形のLEDヘッドライトやディープブラックのフロントグリル、パネルの継ぎ目が少ないオーバーラップ型のボンネットおよびパワードームと組み合わせて、精悍かつダイナミックなフェイスを創出する。また、AMGラインエクステリアを採用するメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションでは上部にライトバンドを配したAMGバッジ付専用縦型ブラックパネルや、ハイグロスブラックのAウイングとフロントスプリッターを配したバンパーなどを組み込んで、スポーティなフェイスを演出した。
一方でサイドビューは、丸みを帯びたフロントエンドから立ち上がり、緩やかな傾斜を持つAピラーとルーフの輪郭を躍動的に流れ、リアスポイラーへ至る流麗なフォルムを構築。また、サイドウインドウのまわりには立体的なクロームストリップをあしらい、さらにエアロダイナミクスとエアロアコースティスク(空気音響学特性)を高める観点からベルトラインに配置したドアミラーや、車体のボリューム感を軽減させるブラック仕上げのホイールアーチライナーおよびランニングボード上部、格納式のシームレスドアハンドルなどを装備して、ダイナミックかつ空力特性に優れるアピアランスを実現する。足もとにはEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションが20インチAMG5スポークアルミホイール(オプションで21インチAMGマルチスポークアルミホイールを設定)を、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションがマットブラックペイント21インチAMG Yスポークアルミホイールを装着。いずれのホイールもエアロダイナミクスの面で高度に最適化し、空力特性の効率向上に寄与している。
リアセクションについては、安定感のある台形フォルムを基調に、曲線的な螺旋構造で仕立てたLEDコンビネーションランプや、ホイールアーチライナーからブラックの色が下側部分へと連続して流れ込むバンパー形状、ディフューザールックの上質なクロームをあしらうとともにスポイラーリップを設けたアンダーボディなどを採用して、上質かつ空力特性に優れる後ろ姿を具現化。バンパー部に滑らかに収まるテールゲートのアレンジも印象的だ。また、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションには従来のエグゾーストエンドに代わるアイコンとして左右に2本のフィンを配するトリムストリップやダーククローム仕上げのアクセントを装備して、スポーティさと力強さを強調する。ボディカラーはEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションがオプシディアンブラックメタリック/ハイテックシルバーメタリック/ソーダライトブルーメタリック/エメラルドグリーンメタリック/セレナイトグレーメタリック/アルペングレー/ダイヤモンドホワイトメタリックを、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションがオプシディアンブラックメタリック/ソーダライトブルーメタリック/アルペングレー/ダイヤモンドホワイトメタリックをラインアップ。ボディサイズは全長4880×全幅2030×全高1670mm/ホイールベース3030mm、車重は2630kg(EQE 350 4MATIC SUVローンチエディションの数値。メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションは自動車型式認証申請中)に設定している。
内包するインテリアは、ゆったりとしたキャビンスペースを実現したキャブフォワードデザインを基調に、大面積のディスプレイによってデジタル化を図りながら、ジェットエンジンのタービンを模したエアアウトレットやフローティングパターンのセンターコンソール、同じくフローティングパターンで構成したうえでアームレスト、ドアグリップ、ドアポケット等を機能的に組み込んだドアトリム、周囲が暗くなると自動的に点灯するアクティブアンビエントライトなどによって上質かつ先進的なコクピットを創出。また、EQE 350 4MATIC SUVローンチエディションには12.3インチLCDドライバーディスプレイ+12.8インチOLEDセントラルディスプレイを、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションにはドライバーディスプレイ、センターディスプレイ、助手席用ディスプレイを一枚のディスプレイに見えるように配置したAMG専用デザインのMBUXハイパースクリーンを装備する。ディスプレイの表示は複数のスタイルからカスタマイズすることが可能で、EQE 350 4MATIC SUVローンチエディションはスポーティ、クラシック、ジェントル、ナビゲーション、アシスト、サービス、Offroadの7スタイル、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションはTRACK PACE、Supersport、クラシック、ジェントル、ナビゲーション、アシスト、サービス、Offroadの8スタイルを設定した。また、快適装備として臨場感あふれるサウンドを奏でるBurmester 3Dサラウンドサウンドシステムや、浮遊汚染物質を効果的に除去する大型HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air)なども組み込む。
内装色はEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションがブラック/スペースグレーとネバグレー/ビスケーブルーを、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションがブラック/スペースグレー、ブラック/パラオブラウン、ネバグレー/ビスケーブルーを用意。インテリアトリムはEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションがレーザーカットバックリット(メルセデス・ベンツパターン)ハイグロスブラックセンタートリム、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションがアンスラサイトライムウッドセンタートリムで仕立てる。シートはEQE 350 4MATIC SUVローンチエディションが本革シート、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションがナッパレザーシートを装備した。一方、ラゲッジスペースは後席使用時で520リットル、40:20:40分割可倒機構付きの後席シートバック格納時で最大1675リットルの容量を確保している。
パワートレインに関しては、EQE 350 4MATIC SUVローンチエディションがフロントアクスルに最高出力71kW/2682~1万6031rpm、最大トルク251Nm/0~2682rpmを発生する六相式の電気モーター、リアアクスルに最高出力144kW/2662~1万5913rpm、最大トルク514Nm/0~2662rpmを発生する六相式の電気モーターを配して総出力215kW(292ps)/765Nmを絞り出すユニットと、総電力量89kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電動パワートレインのeATSを搭載。一充電航続距離はWLTCモードで528kmを実現する。充電については、6.0kW(200V・30A)までの交流普通充電と、50/90/150kWタイプの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応。充電に要する時間は、6.0kWの交流普通充電で0→100%が約17時間、CHAdeMO規格による50/90/150kWの充電で0→80%までが102/54/49分でこなす。また、航続距離を延ばす目的で効率的な回生制御を導入。回生ブレーキの強度は、コースティングのD+、軽度の回生ブレーキのD、中程度の回生ブレーキのD-、前走車との車間距離や登坂・降坂などの道路状況などを加味して最適な強度の回生ブレーキを発生するD Autoの選択が可能で、ステアリングホイールに配したシフトパドルで切り替える。さらに、ECOアシストでは状況に応じて回生ブレーキの最適化を実行し、最も効率的な運転スタイルとなるように減速の強弱を自動調整する仕組みとした。加えて、フロントのeATSにアクチュエーターを用いたクラッチを設け、走行状況に応じてクラッチを切ることで前輪をフリーにしモーターによる抵抗を極力低減させるディスコネクトユニット(DCU)も組み込む。日本仕様の特別な機能として車両から車外へ電力を供給できる双方向充電、いわゆるV2H/V2Lを採用したことも訴求点だ。
なお、メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションのパワートレインについては現在、自動車型式認証申請中のため諸元が未公表。ちなみに、本国仕様のメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVはシステム総出力505kW/1000Nmを発生する電気モーターと、総電力量90.6kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電動パワートレインのeATSを搭載。現地のWLTPモードにおける一充電航続距離は、最大で455kmを成し遂げている。
基本骨格に関しては、新世代の電気自動車専用プラットフォームのEVA2を採用する。また、バッテリー周囲を強固なフレームで囲み、フレームとバッテリーの間には側面衝突時の衝撃を効果的に吸収する衝撃吸収素材を配置。さらに、バッテリー前部のプロテクションシールドによって衝突時の他の車両や部品などの侵入による損傷を防止し、高電圧システムの損傷によるショート等の二次災害を防止した。
懸架機構は前4リンク式/後マルチリンク式で構成。ここにアダプティブダンピングシステムとエアサスペンションを組み合わせたAIRMATICサスペンションを標準で装備する。また、操舵機構にはリアアクスルステアリングを導入し、安定性の高い高速コーナリングやレーンチェンジを実現した。さらに、パワートレインやESP、サスペンション、ステアリングの特性をドライバーが好みに合わせて変更できるダイナミックセレクトを採用。モードの切り替えはメディアディスプレイの下端にあるスイッチで行い、EQE 350 4MATIC SUVローンチエディションは標準設定のComfortのほか、Sports、Eco、Individual、Offroadをの選択を、一方でメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションはComfort、Slippery、Sports、Sports+、Individualの選択を可能とする。メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+ SUVローンチエディションには、48Vテクノロジーによる電動機械式の連続可変電子制御スタビライザーを前後アクスルに配するAMG ACTIVE RIDE CONTROLも組み込んだ。
先進安全運転支援システムの充実ぶりもEQE SUVのアピールポイントだ。高度化されたステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーの働きにより周囲の交通状況をより的確に把握することができる最新のインテリジェントドライブを標準装備。機能としては、再発進機能付きのアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックや、車間を維持しながらステアリング操作をアシストするアクティブステアリングアシスト、ふいに現れた渋滞最後尾への衝突回避を図る渋滞時緊急ブレーキ、後方からの衝突被害を軽減するPRE-SAFEプラス(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)、ウインカーを点滅させるだけで車線変更できるアクティブレーンチェンジングアシスト、歩行者や自転車に自車の接近を知らせる車両接近通報装置、もしもの場合にクルマを安全に停止させるアクティブエマージェンシーストップアシスト、自宅の車庫などへの駐車ルートを記憶させると以後は登録した駐車開始ポイントにクルマを止めるだけで車両が駐車できるメモリーパーキングアシストなどを組み込む。また、テレマティクスやMercedes me connectにはMercedes-EQ専用のプログラムを用意。勾配情報や充電ステーションの位置情報、車両の充電状況および気温情報などを総合的に判断し、走行中にどこで充電すべきかを含めた適切なルートをオンラインで探索できるElectric Intelligence ナビゲーションも設定している。
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みんなのコメント
AMGはハイスペックすぎて距離が短い。
デザインは普通車。
サイズ的にパフォーマンス重視するのは向かないね。
メルセデスも初のシリーズだから迷いがある中で
取り急ぎ出してアピールしときたいのだろう。