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スズキ新型「ハヤブサ」開発時には過給器付きも存在!? ボルト一本の締め方にもこだわった新エンジンは「50万キロ」走ってもらいたい耐久性

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スズキ新型「ハヤブサ」開発時には過給器付きも存在!? ボルト一本の締め方にもこだわった新エンジンは「50万キロ」走ってもらいたい耐久性

■他社製品と比べてどうこうではなくて“ハヤブサ”としてどうかを考える

 スズキは2021年2月5日に全面改良したアルティメットスポーツ「Hayabusa(ハヤブサ)」の新型モデルを公開しました。

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 フルモデルチェンジされ、ハヤブサらしい外観を残しながらもすべての面でアップデートが図られた三代目モデルは、内部パーツを徹底的に見直した排気量1340ccの水冷4サイクル・直列4気筒エンジンを搭載した最新の大型スポーツモデルです。

 3代目では、2代目に搭載されていたエンジンよりも約5kWほど最高出力を抑え140kW/9700rpm(約190PS)に留められた新エンジンを搭載していますが、そこにはどのような意図が込められているのでしょうか。

 アシスタントチーフエンジニア 粕谷 賢一さん、エンジン設計 溝口 直輝さん、エンジン実験 東郷 隼也さんは、3代目ハヤブサについてそれぞれ次のようにコメントしています。

■アシスタントチーフエンジニア Kenichi kasuya

「実はこの10年間、様々な形の新型“隼”の検討を行っており、試作車まで作って白紙に戻したこともありました。中にはフレームが今のものと変わっていたりとか、エンジンの排気量が変わっていたりとか、エンジンの気筒数まで変わっていた時もありました。

 そういった数え切れないトライ&エラーを繰り返しながら完成度を高めていき、ついに新型ハヤブサを発表する時が来ました。

 低中速出力は誰もが感じられる常用域での改善ですので出力が下がったことを感じることなく良いところだけを伝えることが出来るかなと思っています。

 エンジン排気量とエンジンのポテンシャルからすると300km/hに到達するのは当然で、今回のハヤブサについては余力を低回転出力の改善に使ってもらいました。それによって電子制御と相まって非常に乗りやすいバイクに仕上がっています。  企画内容を考える時も他社製品と比べてどうこうではなくて“ハヤブサ”としてどうかを考えながら作り込んで行きました」。

■「私も乗りましたけど、まぁ凄いです」

■エンジンデザイナー Naoki Mizoguchi

「性能もそうですけど、品質、耐久性、そういうところも含めて本当に作り上げました。

 今回このエンジンに辿り着くまで何仕様もエンジンを考えて。排気量の大きいものや過給器の回るものだとかを実際に作ったりもしましたし。

 最終的になんだかんだ言って、元のパッケージが一番バランスが取れていて良いと僕らは判断しました。“基本レイアウトを変えない”っていうことが一つのアイデンティティなんじゃないかなというふうに思ったんです。

 ハヤブサの素性の良さを活かして20年後に最新の設計をする。このエンジン(従来モデル)に勝てるエンジンをこのエンジンで作るんだ。今回それが設計の狙いであり、ポイントです。

 新型のエンジンではすべての部品を見直しました。ピストンもそうですし、コンロッドも見直しました。クランクシャフトはそのままなんですけど加工を変えました。

 何回テストするんだ? っていうぐらいテストをやりましたね。壊れたところを強化して強い車を作っていくっていうのが設計の仕事だと思っているので、それが性能の向上、また、耐久性の向上に繋がっているんです。

 また、実験のエンジニアやテストライダーなど色々な人と議論しました。“馬力を狙うべきなんじゃないか”とか“低中速のトルク”を狙ったりとか。

 新型のハヤブサではやっぱり最新の電子制御技術を一杯入れているところがポイントだと思いますね。エンジンをより緻密な動きにするにはモーターを内蔵した電子制御スロットルが不可欠で、1/1000秒単位でバルブを開けたり閉めたりというのを行っています。

 私も乗りましたけど、まぁ凄いです。シリンダーヘッドなんかも素材は一緒だけど燃焼室を変えたり、ミッションもギアとかは同じなんだけどじつは違ったりと、レベルアップしたなと感じます。

 性能もそうですけど、品質、耐久性も含めて本当に作り上げましたんで、長いこと乗ってください。10万キロ、20万キロ、なんなら50万キロ。僕も買おうと思ってます。

■新型“ハヤブサ”はとにかく楽しい!

■エンジンテストエンジニア Shuya Togo

「ハヤブサのエンジンはもともとすごく耐久性に定評がありますが、今回は改めて耐久性にも力を入れて開発していまして、徹底的に2代目“ハヤブサ”のエンジンを研究しました。

 ボルト一本、Oリング一個まですべて見直しをして、設計とも色々と意見を擦り合わせました。

 クランクジャーナルのボルトの締め方ひとつとっても変えてまして、その結果エンジンの基本的な部分、お客様の触らないところからエンジンの強度を上げております。

 新型モデルでは実際にお客様が使う実用領域、1000rpmから6000rpmくらいの出力を向上させています。どのような走り方にも右手に忠実にトルクが出るように作っております。

 また、電子制御の機能が付いていればOKかというとそうではなくて、人間に違和感なくどれだけ機能するかっていうところがメーカーの腕の見せ所だと思っております。新型“ハヤブサ”は“とにかく楽しい!”」。

※ ※ ※

 空力に優れたフェアリングが装着されれば隠れて見えなくなってしまう新型ハヤブサのエンジン。そこにはまさにエンジニアたちの「隠れた」努力とプライドが込められています。

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