2列目中央席は外板から遠いという意味で理論的には安全だが……
一台のクルマ、たとえば3列シート8人乗りのミニバンにおいて、もっとも安全な座席とはどこだろうか? まず言えるのは、公式に表に出てくる衝突実験だけでは結論が出ないということだ。たとえばJNCAPの試験映像は公開されているが、フルラップ衝突においてダミー人形がシートに座っているのは前席だけで、後席にもダミー人形が乗っているのはオフセット衝突実験だけだったりする。そして、3列目の試験というのは、メーカーはやっているだろうが、JNCAPでは確認できない。
【注意】後席のシートベルト非着用は前席の乗員にも危険が及ぶ!
そしてオフセット衝突の結果からすると、小さめのクルマや設計の古いモデルでは前席が有利で、最近のそこそこ大きなクルマになると後席の安全性が上がる傾向にある。たとえばホンダN-BOXのオフセット衝突の結果を見ると、運転席がレベル5なのに対して後席はレベル4にとどまっている。一方、スバル・インプレッサの結果を見ると運転席、後席ともレベル5で、細かく見ていくと後席のポイントが高かったりする。一方でマツダCX-5の結果を見ると、前後ともレベル5だが、ポイントでいえば運転席が有利だったりするから興 味深い。
とはいえ、こうした実験はフロントの左右もしくは前後での数値を見ているものであり、フル乗車でもっとも安全面で有利なポジションがわかるわけではない。
仮にJNCAPのオフセット衝突で、前後席ともに同じレベルの安全性があったとしよう。しかし、リアルワールドでの交通事故は、さまざまな方向から衝撃が入ってくる可能性がある。そう考えると、衝撃をダイレクトに受けずに済む可能性が高いのは、ボディ外板からもっとも距離の確保できる後席中央ということになる。もちろんシートベルトを装着していることは大前提だ。シートベルト未装着では前席がベンチシートでない限り、衝撃でインパネまで飛ばされて二次衝突の被害を受けかねないし、車外放出だって考えられる。
逆に、ミニバンなどの3列シート車でいえばボディ外板にかなり近い位置に座っている3列目は、物理的に衝突時に不利なのは容易に想像がつく。同じことは軽自動車で後席をテールゲートのぎりぎりまで下げ、足もとを広くしたパッケージングのクルマにも言える。もっとも衝撃から守る必要にある頭部がリヤウインドウの近くにあるというのは、いかにも危険な感じを受けるだろう。
最近では、マツダCX-8のように後ろからの衝突時にも3列目の空間が減少しないよう、ボディ構造を工夫しているクルマも出てきたが、まだまだ少数派だ。車種ごとの性能差や事故のシチュエーションなどケース・バイ・ケースになってしまうので、ここでキマリ! と結論付けることができないが、およそ最近のCセグメント以上のモデルあれば後席中央が安全と考えていいだろう。ただし、後席中央というのは足もとの狭さ やシートの出来具合(背もたれ部分がアームレストを兼ねている)などから快適とはいえないクルマも少なくのも、また事実。
そして、JNCAPの実験結果を見ていると、運転席がレベル5、後席がレベル3と、あからさまに安全性が異なるクルマもある。オフセット衝突実験の結果だけで批判してしまうのもミスリードになるが、自分のクルマがどのような傾向にあるのかは調べておいて損はなさそうだ。
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