機能性重視のタフなEV 企業・団体向けに提案
スコットランドの新興EVメーカーであるマンローは、従来の内燃エンジン搭載の小型トラックに代わるゼロ・エミッションの選択肢として、商用車「Mk1」のピックアップトラック仕様を発表した。
【画像】約40年ぶりのスコットランドの自動車メーカー【マンローMK1を写真で見る】 全12枚
Mk1はオフロード向けの電動SUVで、これをベースに荷台スペースを確保したのが今回のモデル。基本性能はほぼ同じで、上位モデルの「パフォーマンス」ではユーロパレットを収納でき、最大積載量1050kg、最大牽引3500kgとされる。
最上位モデルでは、1基の電気モーターと2速トランスファーケース・トランスミッション(ローレンジギアとセントラル・ロックディファレンシャル付き)を搭載し、最高出力380ps、最大トルク71.3kg-mを発生。これにより、0-100km/h加速は4.9秒となり、内燃エンジンのフォード・レンジャー・ラプター(同7.9秒)を大きく上回る。
また、低出力のモデルとして、最高出力300psと最大トルク61.2kg-mを発生する「ユーティリティ」および「レンジ」モデルも用意される。こちらは0-100km/h加速7.6秒を達成する。
レンジモデルとパフォーマンスモデルに搭載される75.2kWh(実質容量)のバッテリーは、最大90kWの充電に対応し、36分で15~80%の充電が可能だ。航続距離は、走行条件に応じて245~306kmになるという。
ユーティリティモデルには56.3kWhのバッテリーが搭載される予定で、航続距離は181~227kmとなる。バッテリーが小さくなった分、充電速度は最大70kWに制限されるが、それでも36分で15~80%の充電が可能だという。
マンローは、重工業(鉱業・建設業など)、農業、防衛といった業界で脱炭素化を目指す企業・団体に向け、商用EVの開発を進めている。機能性や耐久性などを重視した設計で、主にオフロードでの荷物運搬、牽引、人の移動を目的としている。
Mk1ピックアップトラックの価格は4万9995ポンド(約860万円)からで、すでに200台以上の注文(2年間分のオーダー)を集めている。そのうち3件はFTSE100(ロンドン証券取引所の時価総額上位100銘柄)の企業から、10件はFTSE250(同250銘柄)からの受注だという。
マンロー共同創業者兼CEOのラッセル・ピーターソン氏は、「世界的に重要な市場機会であり、金融パートナーとともに次の戦略的ステップを踏み出し、量産前プロトタイプの試作段階へと進むことで、これを十分に活用する態勢が整いました」と述べている。
マンローは今年、初期ロットのMk1(ピックアップトラック型と従来のSUV型の両方)を50台生産する予定だ。同社のロードマップでは、2027年までに年間2500台の生産を目標としており、これが実現されれば、1981年にプジョー・タルボの撤退以来、スコットランドで初めて自動車を大規模に量産するメーカーとなる。
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