自動車の電動化が進む今、かつてあった内燃機関を搭載した旧車に注目が集まっている。なぜなら最新モデルでは得難いエンジンサウンドやエンジンフィール、ハンドリングなどを有するからだ。そこで『GQ JAPAN』ではちょっと懐かしいクルマを振り返り、旧車ならではの魅力を深めていく。第5回目は、1990年代のRVブームを牽引した三菱自動車(以下、三菱)の2代目「パジェロ」に注目!
伝説のエボリューション
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2代目パジェロ(1991年~)といえば、三菱の“ドル箱”モデルだった。今でこそオフローダーは快適性も重視されているが、当時は少数派。現代のトヨタ「ランドクルーザー」やランドローバー「レンジローバー」などと較べれば、かなり硬派だった。
そうしたなかあって2代目パジェロは高い快適性を併せ持ったオフローダーとして大ヒットしたのだ。
とくに、「今も乗ってみたい!」と、思わせられるのが、1997年登場の「エボリューション」。昨今の高性能SUVの先駆け的なモデルだった。
大型オーバーフェンダーとやはり大型リヤスポイラー、それに補助灯を埋め込んだ深いエアダムつきフロントバンパーなど、迫力ある外観。
ハンドリング向上のために、前後トラック(トレッド)を拡大したワイドボディに専用の足まわり、と、スタイリングだけでない機能的な裏付けもあった。
駆動系統は、リヤディファレンシャルが電子制御となった「スーパーセレクト4WD」とともに、トルセンLSDとビスカスカプリングを組み合わせた「ハイブリッドLSD」を採用。
エンジンは当時、日本車の上限である280psを発揮する3.5リッターV型6気筒ガソリン(自然吸気)。パリダカールラリーに熱心に取り組んでいた当時の三菱が送り出した限定生産のホモロゲーションモデルである。
決してスポーティなフィーリングではなかったものの、ほかのオフローダーと較べればかなりパワフルだった。ポルシェのティプトロニックに近しい、マニュアルモード付きAT「INVECS-IIスポーツモードA/T」も当時としては目新しい機構だった。
パジェロ・エボリューションは、現在の中古車市場において、800万円超で取り引きされている個体もあるからすごい。そのベースになったショートボディモデルをはじめ、2代目パジェロはおもしろかった。
ラリーで大活躍
2代目パジェロの販売期間は、1991年から1999年。バブル経済の後期から崩壊後まで比較的長いあいだ販売された。1990年代は日本車にとって車型のバリエーションが増えた時期だが、競合は少なかった。
なにより、当時の三菱といえば、「パリ・ダカール・ラリー」は外せない。1983年に初参戦して市販車無改造クラスで優勝していらい、2009年までに26回参戦。とくに1990年代は強かった。
日本でもモータースポーツが販売に影響を与える時代であり、ラリーでの活躍がパジェロ人気を後押ししていた。
パジェロのよさをひとことで表現するなら、出し惜しみがないこと。豊富な車体とエンジンのバリエーション、それに駆動系におけるさまざまな技術。ラインナップの豊富さは特筆ものだ。
車体は、ショート(ホイールベース2420mm)とロング(同2725mm)があり、前者にはメタルトップと「Jトップ」と名づけられたキャンバストップ仕様も設定されていた。
ロングは長いホイールベースとともに、ミッドルーフと、「キックアップルーフ」なる2列目から後ろのルーフがすこし厚く(高く)なる仕様もあった。
さらに、いわゆる“3ナンバー”のワイドボディも、ショートとロングに設定されていた。トラックは標準仕様と同一で、フレアの大きなフェンダーで迫力を出したモデルである。
エンジンは、3.0リッターV型6気筒ガソリンと、2.5リッター4気筒ディーゼルターボと、同じディーゼルのターボにインタークーラーをつけてパワーアップしたものの2本立てでスタート。
途中から、3.5リッターV6ガソリンエンジンと、2.8リッター4気筒インタークーラー付ターボに変更された。前者は245psの最高出力で、2t前後のパジェロをパワフルに走らせた。その分、燃費は褒められなかったように記憶する。当時、三菱が盛んに宣伝していたGDIエンジン(ガソリン直噴エンジン)は、低燃費を謳っていたものの、都市部では6~8km/L程度だった。それでも多くの人がこぞってパジェロのV6モデルに乗っていたのだからスゴい時代である。
パジェロが、ラリーマシンのベースとしての説得力を持っていたのは、フレームシャシー、副変速機のパートタイム4WD、さらに固定式リヤサスペンションと本格的な成り立ちゆえ。
2代目では、ただし、乗用車的な進化も特徴だ。パワーアップとともに、パートタイム4WDとフルタイム4WDの長所を併せ持つという「スーパーセレクト4WD」を搭載した。
2代目パジェロは、スタイリングもてらいのない、シンプルだが力強さを感じさせるもので、キャビンとボディのバランスもよく、いま見ても年代を意識させない。エバーグリーンの魅力がある。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
登り坂になると黒煙を後方に撒き散らし、後続車はさぞ迷惑だっただろうなぁ。