日本が世界に誇る「陸の王者」ことトヨタ「ランドクルーザー(以下ランクル)」が、このほど14年ぶりのフルモデルチェンジを果たした。日本国内では現在、ライバル不在のランクル。新型ランクルは正式発売直後から受注が殺到し、納車は2年待ちといわれている。
ランクルには以前、日産「サファリ」というライバルが存在した。ランクルがこれだけ人気があるのであれば、日産もサファリを復活させれば売れまくるのでは…? とも思えるが、サファリはいま、海外でランクルとしのぎを削っており、日本再導入のウワサは聞こえてこない。
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ほかにも日産は、海外で本格クロカンSUVをいくつかラインアップしており、オフロード性能が求められる地域を中心に販売を展開している。日本でもランクルが人気であることを踏まえると、日産のクロカンSUVだってもっと注目されてもいいのではないだろうか。そんな日産のクロカンSUVをご紹介しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:NISSAN
【画像ギャラリー】デザインもメカニズムも最高!! 日産の海外専売の最新クロカンSUVたち
堂々とした存在感と迫力!! 中東向け「パトロール」
日本では2007年、Y61型サファリを最後に、販売を終了している「サファリ」。しかし海外では「パトロール」という名前で、いまも販売が続けられている。
現行モデルは、2010年に登場したY62型。中東の富裕層向けに開発されたモデルで、V6およびV8ガソリンエンジンを搭載した高級クロカンSUVとなった。5mを超す全長と2mに迫る全幅のこのクルマからは、堂々とした存在感と迫力が感じられる。
2020年6月には新しいエクステリアデザインが与えられた新型パトロールが登場。マイナーチェンジという位置づけながら、前期型とはまるで違うフロントフェイスと最新の運転支援機能が搭載されるなど、大幅に刷新された。ブーメラン型のLEDシグネチャーランプとヘッドライト、存在感バツグンのVモーショングリル、フロントセクションとの統一感が図られたリアコンビネーションランプなど、改良モデルとは思えないほど洗練された。
迫力と存在感、洗練されたデザインを兼ね備えたこの本格クロカンは、ランドクルーザーのライバルとして何の不足もないだろう。こんな魅力的なモデルがなぜ日本で買えないんだろうと嘆くしかない。しかもパトロールは日本で生産し、海外へ輸出されているのだ。ちなみにアラブ首長国連邦でのパトロールの価格はAED199,900~329,000(日本円で約598~984万円/ニスモ除く)だ。
現行型パトロール。このラグジュアリーな雰囲気と存在感はランドクルーザーにも負けていない
中東パトロールと姉妹車、北米「アルマーダ」
アルマーダは北米市場専用のフルサイズSUVだ。2016年、2代目アルマーダとなった際に、Y62型パトロールと同じプラットフォーム、メカニズムを導入した。ちなみに、インフィニティのQX80もこの2台と姉妹車だ。
エクステリアは、パトロールよりもオフロード感が増しているが、全車4WDではなくFRモデルも選択できる。ほぼオンロードでしか使用しない環境にもマッチする選択肢を与えられているところがアメリカらしい。
エンジンは5.6L V8直噴ガソリンNAが搭載され、最高出力400ps/5,800rpm、最大トルクは413lb-ft(約57.1kgm)/4,000rpm、7速ATとの組み合わせだ。アルマーダの価格はUS$48,900~68,300(日本円で約537~750万円) 、300系ランドクルーザーとほぼ同価格帯となっている。
北米専売のアルマーダ。アメリカンなラグジュアリーセンスが散りばめられている
群雄割拠なカテゴリーで存在感を示す「ナバラ」
ミドルサイズピックアップトラックである「ナバラ」。このミドルサイズのピックアップトラックは、東南アジア、南米、アフリカなど新興国を中心に人気があるカテゴリーで、あらゆる自動車メーカーが参入している。日産は、初代ダットサントラックから数えるとピックアップを80年以上も造り続けている、このジャンルの老舗メーカーであり、人気も高い。
現行型ナバラは2014年にタイで発表された4代目。スポーティでタフなイメージと、Vモーショングリルで日産の個性を出したエクステリアに質感の高いインテリア、ディーゼルとガソリンエンジンのラインアップ、7速ATもしくは6速MTトランスミッションという特徴を持ち、過酷な条件下での快適な使用を目指したモデルである。
2020年11月にマイナーチェンジをうけ、「頑丈」をデザインテーマに、さらにタフでスタイリッシュに進化。新しいスタイルパッケージ「PRO-4X」が設定され、黒く塗装したエンブレム、オレンジをアクセントとしたフロントバンパー、ブラックのグリル、ブラックのホイールなど、アクティブでギア感の強い外観となった。アウトドア好きの方にとってはたまらないデザインであろう。
そんなナバラの価格は、タイで、THB849,000~1,149,000(日本円で約287~388万円/ダブルキャブ)となる。この価格で手に入る現地の方が羨ましい。
東南アジアや南米、アフリカで人気のナバラ。タフで遊び心のあるデザインが魅力だ
北米ユーザーの声を隅々まで反映した「フロンティア」
フロンティアは北米市場で販売されている、ミドルサイズピックアップトラックだ。2021年2月に新型モデルが発表され、インターロッキングデザインの新型ヘッドライトや堅牢さを象徴したグリル、立体的な形状のリアテールランプなど、タフなイメージがさらに強くなった。
3.8L V6直噴ガソリンエンジンは最大出力310psを発生し、9速ATと組み合わせられる。電子制御パートタイム4WDシステムの他にFRバージョンというパワートレインを選択でき、全車ヒルスタートアシストを標準装備としている。日産の最新鋭の安全運転支援技術はもちろんのこと、オフロードモードを備えた日産インテリジェントアラウンドビューモニターも搭載された。価格はUS$27,840~37,240(日本円で約306~409万円)だ。
ちなみにメキシコや南米でもフロンティアという名称のピックアップトラックが販売されているが、こちらは前述のナバラと同じモデルであり、北米のフロンティアとは異なるモデルとなる。
デビューしたばかりの北米版フロンティア。タフなディテールやくっきりとしたフェンダーアーチが、ピックアップスタイルの王道を貫いている
◆ ◆ ◆
本格クロカンSUVの持つオフロード性能は日本の整備された道路環境だとオーバースペックではあるが、その機能美やタフなエクステリアが一つの魅力であると言えるし、高級モデルであれば贅沢なメカニズムやラグジュアリーな内外装がステータスとなる。
日産のクロカンSUVは本格的で信頼性の高いメカニズムが世界的に高く評価されてきた。残念ながら、「サファリ」は日本では受け入れられなかったが、最新の日産クロカンSUVラインアップは本当に魅力的なモデルばかりで、全方位にわたってライバルに負けない力を感じさせる。その魅力が国内に向けてもっと発信され、要望が高まれば、日本でも日産のクロカンSUVが復活する日が来るかもしれない。
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みんなのコメント
最初から売る気がないんだろ日産は
知ってるけど、ハッキリ言ってその頃から
ズレたこと言ってるよね。
トヨタが出したから日産も出してという話から
もう間違っている。というのも昔、初代プリウスが
出たあとにティーノでハイブリッドを出したが
一時的で終わった。
本来そこで日産のスタンスに気が付かなくては
いけないところをベストカーが何も理解せずに
記事にしてるのも悪いよ。