FFベースなのにクラウンはFR感覚!? 同じエンジンのレクサスRXと比べてみた

　同じパワーユニットどころか同じGA-Kプラットフォームを使うクラウンクロスオーバーとレクサスRX。背の低いクラウンの方がやはりスポーティだが、RXの実用性と高級感も捨てがたい!!

※本稿は2023年2月のものです
文／片岡英明、写真／TOYOTA、LEXUS、ベストカー編集部
初出：『ベストカー』2023年3月26日号

■RX500h VS クラウンクロスオーバーRS

2.4L、直4ターボ。クラウン：272ps/46.9kgm＋モーター（F：82.9ps/29.8kgm R：80.2ps/17.2kgm）。RX：275ps/46.9kgm＋モーター（F：87ps/29.8kgm R：103ps/17.2kgm）

●RX500h主要諸元
・全長：4890mm
・全幅：1920mm
・全高：1700mm
・ホイールベース：2850mm
・車重：2100kg
・WLTCモード燃費：14.4km/L
・価格：900万円

●クラウンクロスオーバーRS主要諸元
・全長：4930mm
・全幅：1840mm
・全高：1540mm
・ホイールベース：2850mm
・車重：1920kg
・WLTCモード燃費：15.7km/L
・価格：605万～640万円

●同じ点
・改良型GA-Kプラットフォームを採用
・進化型電動4WDのE-Four

●違う点
・ハンドリング特性
・モーター出力
・トランクとラゲッジルーム
・最低地上高

■パワーユニットもプラットフォームも共通なのにスタイルはずいぶん違う!?

レクサス RX500h

　クラウンクロスオーバーRSとレクサスRXの500hは、どちらも改良型のGA-Kプラットフォームを採用。パワーユニットも同じで、両車とも1モーター2クラッチ式のパラレル式ハイブリッドだ。クラウンは、これをデュアルブーストハイブリッドと名づけている。

　2.4Lの4気筒ターボとフロントに配したモーターは、2つの多板クラッチを介して6速ATとつながっている。メカニズムは同じだが、出力は微妙に違い、エンジン出力、モーター出力ともにRXが一歩上をいく。システム出力はクラウンが349psであるのに対し、RXは371psを実現している。

　が、車両重量はクラウンのほうが180kg軽いし、アイポイントも低い。アクセルを強めに踏み込むと、パワフルなモーターが後輪を押し出し、ターボ装着のエンジンも目覚める。加速する時のパンチ力は強烈で、レクサスRXよりも俊足と感じられる。

■セダンのテイストが強いクラウンクロスオーバー

トヨタ クラウンクロスオーバー

　ハンドリングは、背が低く、最低地上高も50mm低い145mmのクラウンクロスオーバーのほうがスポーティな味わいとなっている。AVSダンパーの効果も強く感じられ、路面を舐めるように駆け抜けていく。

　どちらも後輪操舵を行うDRSを搭載するが、後輪駆動に近い運転感覚を身につけているのはクラウン、優雅な身のこなしを見せるのはレクサスRXだ。RXはクラウンより上屋の動きは大きく感じられるが、思いのほか軽やかで、狙いどおりに走ってくれる。

　ジャンルは同じクロスオーバーだが、クラウンはセダン的な香り、レクサスRXはよりSUVテイストが強い。

　価格差を反映してか、インテリアの上質感もRXはクラウンの上をいく。見栄えがよく、高級感を前面に押し出した。また、意外にもクラウンはこれまでと同様にトランクを踏襲し、レクサスRXはハッチゲート付きだ。RXの積載能力は高く、荷物も積みやすいなど、実用性能はかなり高い。

■判定

・後輪駆動に近い走りを味わうのならクラウンクロスオーバーRS
・高出力の走り、より高い実用性能ならRX500h

Comments

クラウンの15.7kg っていう 燃費はどうやったら出るんだ

錯覚とは恐ろしいw
いや、区別が付かないなんて大丈夫か？