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新型スズキ・ハスラーは内装が魅力? クロスビーやダイハツ・タフトと比較

掲載 更新 9
新型スズキ・ハスラーは内装が魅力? クロスビーやダイハツ・タフトと比較

 見た目の変化が少ない新型! 進化したのか、していないのか?

 2013年に登場するやいなや、軽自動車界に新風を巻き起こしたハスラー。軽クロスオーバーというジャンルで不動の地位を確立したハスラーは2019年12月24日に初めてのフルモデルチェンジにより新型モデルに一新された。

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 ぱっと見、新型は「先代となにが違うの?」と感じるほどキープコンセプトなデザインを採用し登場したが、先代モデルからどのように進化したのだろうか。

 充実の安全装備と使い勝手が向上した新型ハスラー

 一見、先代と大きく変わらなく見えるエクステリア。ヘッドランプやフロントグリルの形状を踏襲したことがその理由だが、細部のデザインはかなり違っている。

 見た目の大きな違いは、ルーフを伸ばし垂直レベルにまで立てたテールゲート。テールゲート前にクォーターウインドウを追加し、その部分やルーフをボディや他のピラーと塗り分けるなど個性的な配色を施し、力強さが増した。

 ただエクステリアより、インテリアのほうが先代からの違いがより大きい。

 メーターとモニター、アッパーボックスの3カ所をそれぞれフレームで囲むユニークな造形を採用したことが注目ポイントといえる。

 これはオフロードメインのジムニーとは違い、日常使いとアウトドアを両立するハスラーならではの“タフさ”を表現したものでアウトドア時計を連想させる。内装色はブラックを基調にボディカラーに合わせ3タイプ用意されるが、オレンジやブルーの差し色が用意され、ギアっぽさを強調した。

 エクステリアが先代モデルと比べボクシーになったため一見大きくなったかに見えるボディサイズだが、全高が15mmアップした意外、全長と全幅は軽自動車枠いっぱいのサイズを踏襲。サイズアップしたように感じるのは、6ライトとなったサイドウインドウやリヤピラーの傾斜がたったことで視覚的に大きく見えることがその要因なのだろう。

 ただ、ホイールベースは2460mmと先代比35mm延長した。延長分はフロントのオーバーハングを短くすることで可能としている。

 興味深いのが、全高を高くしたにもかかわらず、着座位置(ヒップポイント)が先代比マイナス7mmとやや低くなっていること。これはフロントシートのハイトアジャスターの可動範囲が広がったことで頭上の余裕を確保することや、乗降性を考慮した変更だと思われる。ただ、着座位置が低くなったとはいえ、フロントガラス上部の設計を工夫したことなどにより視界は広がっていることに注目したい。

 軽自動車サイズの絡みで改善することが難しいパッケージングだが、新型は細かい部分で改善を試みている。

 その一つがフロントシート。従来のベンチ式からセパレート式に変更したことでシート間のスペースを確保。そのスペースにはトレーを配することで、小物類をおくことができるようになった。

 シート自体も骨格が登録車ベースの仕様となり、座面や背もたれ幅が拡大。先に述べたようにハイトアジャスターの可動範囲を先代より約1.5倍拡大するなどゆったり座れるシートとなっている。

 前席のみならず、後席やラゲッジルームの使い勝手も向上した。前後席の座席間距離は先代比35mm拡大。足下の余裕が大きく向上している。また、着座位置は前席とは違い先代比5mm高くとった。これにより、後席パッセンジャーの快適性や見晴らしが大きく向上した。

 また、ラゲッジに20.3Lの床下アンダーボックスが追加された。クルマのキャラクターを考えると、むしろ先代モデルに装備されてなかったことに驚く。

 パワーユニットについては、新開発のNAエンジンを搭載したことが大きなトピックスといえる。新開発657ccR06D直3エンジンは、最高出力49馬力、最大トルク5.9kgm。熱効率の向上を大きなテーマにかかげ開発したこのエンジンは、吸気流域が高まるロングストローク型を採用し実用トルクと燃費が向上。燃費はWLTCモードで22.6km/Lを誇る。

 また、先代同様ターボエンジンも搭載されるが、こちらは従来同様。ただし、NA、ターボ含め全グレードがマイルドハイブリッド仕様となっている。

 先進安全装備についても新型は進化している。運転支援システム、スズキ・セーフティサポートを装備するのは先代同様だが、衝突軽減ブレーキが夜間の歩行者に対応可能となったほか、全車速追従機能付きACCを採用した(ターボ車のみ)。車線逸脱抑制機能も追加されたことで安全面はもちろん、運転中の疲労度が大幅に低下することに期待できそうだ。

 ライバル登場! ダイハツ・タフトとハスラーを比較してみた

 先代モデルから大きく進化した新型ハスラー。だが、強力なライバルが現れた。そのライバルとは、ダイハツ・タフト。ハスラー同様、軽クロスオーバーに位置づけられるタフトは、カクカクしたスクエアなエクステリアが際立った個性を放つ。

 タフトの開発担当者曰く、ハスラーを直接的なライバルとは意識していないとのことだが、同ジャンルに位置する両車の違いは気になるところ。タフトはどういうクルマなのか。

 個性的な外観が目を惹くタフトのデザインコンセプトは「タフさを感じるスクエアなボディ」。水平基調かつ分厚いボディと平べったいキャビン&太いピラーで構成されている。ハスラーとは比較的デザイン構成は似ているのだが、よりオフロード感を重視したことで違いがでた 。

 タストとハスラーのボディサイズを比較すると、全長および全幅、ホイールベースはいずれも同じ。全高がハスラー比でマイナス50mm低い。ただ、地上最低高はハスラーより高い190mmを誇る。このあたりはオフロード性能を重視した差といえる 。

 外観同様、オフローダー的なデザインエッセンスで仕立てられたタフトのインテリア。カクカクとした直線基調で構成したシンプルな造形は、正直目新しさはない。好みはあるだろうが、遊び心はハスラーが一歩上をいく。パッケージングの比較でいうと、室内長はハスラーがうわまわった。室内長のゆとりはとくにリヤシートまわりが顕著で、タフトのリヤシート高が640mmなにに比べ、ハスラーは680mm。しかも足元スペースは200~370mmにわたり調整ができる。

 ラゲッジの広さはリヤシートを倒した荷室の奥行きがタフトは1300mmなのに比べ、ハスラーは1370mm。リヤシートを倒さなくてもハスラーは左右独立シートのスライド機構を使用することで最大440mmまで拡大するなど、ユーティリティで上回る。ただ、タフトのラゲッジは後席収納時のおさまりがよく、完全にフラットな状態になるため使い勝手は良いと思われる。

 タフトが備えて、ハスラーにないものといえば大型ガラスルーフのスカイフィールトップ。

 596mm×891mmと広大な面積を誇るガラスルーフの特徴は運転席からの眺望だ。一般的に、この手のガラスルーフは、意外とドライバーが開放感を得られない。だが、スカイフィールトップは前後見切角が大きいことで、運転姿勢のままでも空を感じることが可能だ。

 タフトは、このスカイフィールトップを全グレードに標準装備。UV(紫外線)はもちろんIR(赤外線)も大幅にカットしているこの装備はタフトの大きな武器となっている。

 タフトのパワーユニットは2種類。直3KF型エンジンのNAとターボが用意されている。

 ハスラーとの大きな違いはマイルドハイブリッドの有無。結果、タフトの燃費はWLTCモードでNAが20.2~20.5km/Lとハスラーに及ばない。

 安全性能については両車ともに高レベル。安全支援システムのスマートアシストを装備したタフトは、ハスラーが新たに装備した全車速追従のACCや夜間の歩行者衝突の回避機能は備えている。

 と、それぞれ違いはあるものの、共に軽クロスオーバーとして良きライバルであることは間違いない。

 ハスラーのカラーバリエーション! 2つの新色に注目

 先代同様、新型のカラーラインアップも充実している。

 新型のボディカラーは2つの新色を含めた11色をラインアップ。先代のオレンジより赤色を強調したバーミリオンオレンジと、ナチュラルテイストをテーマにしたデニムブルーが新たに追加したカラーとなる。

 その他、チアフルピンク、ブルスクブルー、アクティブイエロー、クールカーキー、シフォンアイボリー、フェニックスレッド、ピュアホワイト、ブルーイッシュブラック、オフブルーが用意された。

 新色2色は、ともにハスラーが備える道具感を表すカラーとして追加された。とくにデニムブルーは道具箱からインスパイアされ、作業着としてのデニムに行き着いたという。先代はポップなイメージが強かったが、デニムブルーを身にまとったハスラーは、とくに男性からの支持が高いという。

 また、インテリアカラーは3タイプを用意。バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイトの3色で、いずれもダッシュボードで目を惹く3連フレームを印象づけるアクセントカラーとしての役割を備えている。外装色がバーミリオンオレンジとデニムブルーでは、インテリアカラーもそれに準じるがそれ以外の標準色はグレーイッシュホワイトが標準となる。ただし、オプションでアクティブイエロー、シフォンアイボリー、ピュアホワイトはバーミリオンオレンジが、ブリスクブルー、オフブルー、ブルーイッシュブラックの場合はデニムブルーが選択可能だ。

 ハスラーワイドことクロスビーが備えるハスラーに望めないものとは

 先ほど、新型ハスラーは軽自動車において高いユーティリティを備えていることを述べた。しかし、さらなる快適性や積載性、また居住性を求めるユーザーにとって気になるのはハスラーの兄貴分ともいえるクロスビーではないだろうか。

 ヘッドランプやグリルの意匠がハスラーとの共有性を備えているクロスビーだが、そもそも先代ハスラーのヒットを受け“ハスラーワイド”という仮称(当初はこの車名でいくとも噂された)で開発されたクロスオーバーSUVである。

 2017年の東京モーターショーで初お披露目されたクロスビーは、全長3760mm×全幅1670mm×全高1705mmと軽自動車であるハスラーにくらべ一回り大きい。見た目こそ初代はスラーに似ているが、コンパクトトールワゴン、ソリオの前身モデルとなるワゴンRワイドやワゴンR+(プラス)とは違い、ハスラーをベースに開発されたわけではなく、イグニスなどのAセグメント向けプラットフォームをベースに仕立てられている。

 パワーユニットは最高出力99馬力の1リッター直3直噴ターボを搭載。6速ATとの組み合わせにより、力強くレスポンスが良い走行性能を可能とした。

 クロスビーの大きな利点は、同ジャンルのクルマたちと比べコンパクトなボディを採用したにもかかわらず、高い居住性やユーティリティを誇っていることだ。実際、初めて公開された東京モーターショーで来場者からの反響は「見た目と比べ室内が広い!」ことが一番多かったという。

 実際、クルマに乗り込むと室内は、高めの着座位置により運転しやすいドライバーズシートや、大人が座ってもヘッドルームや足元はコンパクトカーのレベルに収まらないほどの広いリヤシートを備えている。またアンダーボックスを備えたラゲッジルームもゴルフバッグを横向きで積載できるなど容量と使い勝手は抜群だ。

 また、インテリアは2本のパイプフレームで構成したダッシュボード周り、ヘッドランプをモチーフとしたサイドルーバー、ポップなカラーパネルなどを採用するなど遊び心があふれている。デザインこそ似ていないが、遊び心いっぱいなインテリアデザインは現行ハスラーとテーマが共通する。

 デビュー時、ハスラーの兄貴分として高い注目を集めたクロスビーだが、2018年の年間販売台数は3万624台、2019年は2万4108台と安定。しかし、高いポテンシャルを備えているわりには、ハスラーほど爆発的なヒットはしていない。

 ただ、ゆとりある高速性能や実用性はハスラーが備えていないもの。ハスラーが欲しいが、その辺りをもっと重視したいなら迷わず買いだ!

 いまは時期が悪い? ハスラーの中古車相場

 一世を風靡した先代の中古車価格は新型に変わった現在でさえ、ハスラーの中古相場は値崩れしそうな動きがない。

 2018年以降の先代モデルの中古相場は約137~140万円、デビュー当時の2014年生産モデルでさえ約90万円の価格がついている。

 新型コロナの影響により、一時大きく落ち込んだといわれる中古車相場が現在、なぜか高騰。これは10万円の特別定額給付金が影響しているとも言われるが、軽自動車の相場もかなり上がっている。ハスラーの中古相場が下がらない理由も、そのことがその要因かもしれないが、ひとつ言えるのはハスラーの中古車を買うのは時期が悪いということ。

 逆に、デビュー時に納車待ちだった新型ハスラーの納期は順調だという。また、値引き幅もわずかではあるが拡大。オプションを含めると最大で15万程度の値引きが期待できそうだ。そんな現状を考えると、ハスラー、とくに先代の中古車を購入するという選択はオススメできない。

 魅力は受け継ぎつつも機能性が大幅アップ

 新型ハスラーは、先代が築いたハスラーらしさをバージョンアップしただけではなく、細かいところで進化を果たしていた。

 この進化はスズキらしさが溢れており、機能面、安全性、使い勝手などユーザー目線で嬉しい性能向上が計られている。

 軽自動車の枠を超えた大幅進化がなされていた……、とは言えないものの、先代同様、街乗り+アクティブライフを彩る相棒として、多くの人に愛されるに違いない。

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みんなのコメント

9件
  • ハスラーのインテリア、あれでいいのかなー?
  • タフトのステマ記事いい加減にして。

    オフロード性能?後席の使い勝手?
    周回遅れの手抜き箇所を、さも優れているかのように書くことは、詐欺の片棒担いでいるのと同じこと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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