■400万円超えの激レア軽「AZ-1」に反響多数
2023年9月27日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、マツダ「AZ-1(オートザム AZ-1)」が2万7250ドル(当日レートで約407万円)で落札されました。
これについて、SNSなどではさまざまなユーザーからコメントが投稿されています。
【画像】「えっ…」 これが400万円超えの「マツダ軽自動車」です! 画像で見る(57枚)
Bring a Trailerでは、クラシックカーから現行モデルに至るまで、世界中の名車が競売されています。
今回、新車価格以上となったAZ-1は1992年10月に登場した2ドア軽ミッドシップスポーツカーです。
1989年の第28回「東京モーターショー」で公開されたコンセプトカー「AZ550」3タイプのうち、「タイプA」のデザインをベースに開発。
ガルウイングドアを持つスケルトンボディに樹脂製外板を装着する軽量ボディを採用したほか、重量配分を考慮しミッドシップにスズキ製の660cc直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載するなど、走行性能の高さも魅力で、ライバル車のホンダ「ビート」やスズキ「カプチーノ」とともに、根強いファンを持つクルマです。
今回落札された個体は1993年式で走行距離は13万8000キロ。2020年4月に北米に正式に輸入されたといいます。
ボディカラーは純正の「サイベリアブルー」で、専用エアロや足回りなどが装備される「マツダスピード」モデルです。
外装はいくつかの傷はあるものの30年落ちの年式を考えるとキレイな状態を維持されており、ボンネットとフロントバンパーカバー、リアパネルのAZ-1デカール付近に傷が見られるものの、程度はかなり良好です。
インテリアはMOMO製「スパイダー」ステアリングやインパネのアルカンターラ貼り、シフトノブなどが変更されているものの、比較的純正に近い状態で残存。運転席側のクッション(アンコ)にヘタリはあるようですが、目立つスレや汚れなどは少なめです。
エンジンルーム内もプラスチックやゴムパーツ類が黒々としていることから、しっかり手入れがなされた状態で、プラグとイグニッションコイルは交換され、大切に乗られてきたようです。
各種コーションプレートや車検ステッカーなど、日本語の表示類はそのままの状態となっており、現地のマニアにはたまらない逸品ともいえます。
キーは3本あり、そのうちメインキーは日本人オーナーと思わしき名前の入ったキーホルダーに加え、柴又帝釈天(東京都葛飾区)のお守りがついたままになっており、東京の下町周辺の地域で乗られていた可能性もあります。
入札は9月20日に999ドルでスタート後、41件もの激しい入札合戦を繰り広げ、2万7250ドルで落札。貴重なモデルであることや状態などが評価されたのか、新車価格(149万8000円)をはるかに超える価格で取り引きされました。
このAZ-1について、SNSなどでは多くのユーザーが話題にしており、さまざまなコメントが投稿されています。
「マジか!」「すごいなぁ…」「30年落ち、走行13.8万キロの軽自動車を400万円で買うとは」など、新車価格超えに驚く人が多く、さらに「ずいぶんきれいなままアメリカに行ったんだね」「大事にされていたんだろうなあ」と、程度の良さを感じる人も。
また、現在AZ-1を所有するユーザーからは、「これで400ならうちのは600だな」など、自身の個体と比較したり、以前乗っていたという人からは「シートに座ったら、車の横に正座しているのと大して変わらなかった」「免許とって初めて買ったのが、中古のAZ-1だった」などと、乗り味を懐かしんだりする投稿もみられました。
※ ※ ※
映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、そのうち特に人気なのは1980年代から90年代のスポーツカーで、高値で取り引きされています。
特に北米地域では俗に「25年ルール」と呼ばれる、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても、製造から25年が経過すれば走行可能になります。
さらに、車検ステッカーや日本語のブックレット類など、日本で使用されていた状態をそのまま維持・または再現する「JDM(Japanese Domestic Market)スタイル」で乗ることが流行しているようです。
なかにはAZ-1のように日本独自規格の軽自動車が取り引きされることもあり、個体の程度や仕様によっては今回の個体のように新車価格を超える金額で落札されることも少なくはありません。
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