■通年見通しは慎重ながらも楽観視
ベントレーモーターズは、2021年上半期の業績が販売台数、営業利益ともに創業102年の歴史のなかで過去最高を記録した。営業利益は上半期だけで、これまでの通年決算の最高記録を上回る1億7800万ユーロを達成。販売台数は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年上半期が4785台であったのに対し、2021年上半期は7199台となり、50%の増加を達成したという。
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●販売台数の内訳は
販売台数の内訳は、「ベンテイガ」2767台、「コンチネンタルGT」2318台、「フライングスパー」2063台と、3車種がほぼ均等の結果を記録。販売台数トップは依然としてベンテイガであり、発売以来はじめて全市場で受注できるようになったことが寄与した事が予想される。
また、ベンテイガにはハイブリッドモデルとSモデルが加えられることがすでに発表されており、第三世代の登場から3年となるコンチネンタルGTシリーズは、2021年下半期に「コンチネンタルGTスピード」の発売が控えているなど、今後も販売台数の大幅な伸びが期待されている。
さらにフライングスパーは、ベントレーにとって最大の市場となった中国での販売開始とV8モデルの投入効果により、シリーズ全体で世界販売台数の29%を占め、好調を見せた。
※ ※ ※
ベントレーモーターズのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOは、好調な業績について次のようにコメントしている。
「ベントレーは『ビヨンド100』戦略を掲げ、2030年までに持続可能なラグジュアリーモビリティのリーディングカンパニーとなることを目指していますが、上半期の業績はこれを後押しする重要なマイルストーンです。好調な市場に支えられたことはもちろん、ラインナップの見直し、事業の再構築、3つの危機への対応、2030年に向けた戦略の策定など、この3年間の真摯な取り組みが実を結んだと考えています。
弊社は生産性の向上と費用対効果によって徹底的な組織改革を推進してきました。売上高利益率の2桁達成は、持続可能なビジネスモデルの実現に向けた、こうした方針が間違っていなかった証です。
上半期は好調であったものの、今年後半も様々なリスクが懸念されるため、通年見通しを単純に楽観視することはできません。とくに、新型コロナウイルスに感染して自主隔離を求められる従業員が増えていることが問題です。こうした状況ではありますが、弊社の財務体質は健全でありますので、ベントレー史上最大規模の改革と投資を実行する『ビヨンド100』戦略を継続し、10年以内に全ラインナップを電動化するとともに、不況に強く回復力のあるラグジュアリーカーメーカーとして、世界のベンチマークとなることを今後も目指していきます」
●地域ごとの内訳は
2021年上半期の収益は、13億2000万ユーロにのぼる。コロナ禍前の2019年上半期が8億3480万ユーロであったため、大幅な増加となった。営業利益は1億7800万ユーロで、売上高利益率は過去最高の13%を記録。半期の過去最高を更新するのは、2014年以来のことである。
2014年は半期収益が8億8700万ユーロ、営業利益が9520万ユーロとなり、通年の営業利益もそれまでの過去最高となる1億7000万ユーロを記録したが、2021年は上半期だけでそれを上回る結果となっている。
販売台数はすべてのグローバル市場で伸長し、地域差を縮小。中国は約10年ぶりに販売台数トップとなり、2155台を販売した。南北アメリカは中国に僅差の2049台、欧州は1142台と好調を維持。南北アメリカと欧州では、コンチネンタルGTスピードとベンテイガSへの期待が高く、両モデルとも今後数か月以内の発売が予定されている。
アジア太平洋地域では778台、ベントレーが本社を置く英国は554台で、中東・アフリカ・インドの521台をわずかに上回る結果となった。
ベントレーは、ディーラーネットワークを拡大し、現時点で世界67か国に240店舗を展開している。さらに2021年は9つのニューモデルが続々と導入される重要な年となっている。なかでも、ベンテイガハイブリッドとフライングスパーハイブリッドというふたつのハイブリッドモデルは、ベントレーの『ビヨンド100』戦略における電動化の要となる存在となる。
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