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新型メルセデス・ベンツ Cクラス詳報! 渡辺慎太郎が見る最新型の注目ポイント

掲載 更新 23
新型メルセデス・ベンツ Cクラス詳報! 渡辺慎太郎が見る最新型の注目ポイント

Mercedes-Benz C-Class

メルセデス・ベンツ Cクラス

新型コロナウイルスにより休止していたマクラーレンの若手育成プログラム、2021年にリスタート

“イチキューマル”から“ニーマルロク”へ

メルセデス・ベンツの新型Cクラスが登場した。メルセデスファンが好んで使うコードネームは“W206”。ご存知のようにCクラスの起源は190/190E(「イチキューマル」をあえて「190/190E」と表記しているのは190=キャブレター仕様、190E=インジェクション仕様と2タイプあったので。日本仕様は後者のみ)とされていて、これがW201(1982-1993年)。

「Cクラス」と初めて呼ばれたのはW201の後継車という位置付けでデビューしたW202(1993-2000年)で、その後W203(2000-2007年)、W204(2007-2014年)と続き、先代がW205(2014-2021年)という系譜である(それぞれの存在期間はセダン。ワゴンやクーペやカブリオレは若干ずれる)。190/190Eは「ベビーベンツ」などと呼ばれていたけれど、年を追う毎にどんどん成長してしまい、W205の時点で往年の名車であるEクラスのW124よりも大きくなっていた。

セダンとワゴンの同時発表は史上初

そしてW206はさらに大きくなっている。セダン同士でW205と比較すると、全長+65mm、全幅+10mm、全高−9mm、ホイールベース+25mm、フロントトレッド+19mm、リヤトレッド+48mmで、全高以外はすべて拡大された。ワゴンは全長+49mm以外、すべてセダンに準じている。セダンよりもワゴンのほうが全長の伸びが小さいのは、先代はセダンよりワゴンのほうが全長が長かったから。

W206の全長はセダン/ワゴンともに共通だが、トランク容量はセダンで先代と同値(455リットル)、ワゴンは30リットル増量している(リヤに大きなバッテリーを積むプラグインハイブリッドのC 300 eのワゴンは45リットル増えて360リットル)。ちなみに、セダンとワゴンの同時発表はCクラス史上初めてである。

ついに姿を消した伝統の“アレ”

ご時世によりオンライン発表会だったので、もちろんまだ実物にはお目にかかっていない。PCの画面で見るとサイズ感がいまいちよく分からないので、なおさら先だって日本でもデビューしたばかりの新型Sクラスにそっくりなフォルムだという印象が強かった。従来型でもセダンのCとEとSは意図的に同じようなスタイリングを採用しており、フルモデルチェンジしてもその路線が継承されているのだろう。

つまり、これで次期Eクラスのスタイリングはなんとなく想像が付くし、Sの後にお披露目されたCのスタイリングに(実物を見ていない現時点においては)新鮮さや斬新さはあまり感じられない。ただ、新型Sクラスとは異なり、真横から見るとキャビンが中心よりもやや後方に置かれているのが新型Cクラス独自の特徴である。

スタイリングに関して個人的にもっとも食い付いたのは、全車がいわゆる“アヴァンギャルド顔”になり、今までエンジンフード先端に直立していたスリーポインテッドスターのマスコットがついに消えてしまった点である。Cクラスの顧客は比較的年齢層が低いのでスポーティな顔にしたというのが理由のようだけれど、そのクルマのスタイリングがスポーティか否かはフロントフェイスだけで決まるものではないし、そもそも本当に若年層=スポーティ志向なのだろうかと自分なんか思ってしまう。

プラットフォームはSクラスと共通

発表会の直前に行われたオンラインによるラウンドテーブルでは、「プラットフォームは新型Sクラスと共通」との説明だったが、SとCとではボディサイズがあまりにも違い過ぎるので、「同一プラットフォーム」という解釈は概念的なものではないかと推測する。

プラットフォームが共通と言えば、従来ならホイールベースやトレッドが一緒とかAピラーから前方のエンジンコンパートメント周りを共有とかが一般的だったものの、最近は生産技術の向上によりプラットフォーム設計の自由度が増し、必ずしもそうではなくなってきている。参考までに、以下が現行メルセデスが使うプラットフォームと車種である。

MFA II=A/B/CLA/GLA/GLB
MRA=E/CLS/GLC/AMG GT 4ドアクーペ
MRA II=C/S
MHA=GLE/GLS
MSA=SL

この他に、専用のプラットフォームとしてAMG GT(2ドアクーペ/ロードスター)やGクラスが存在する。ざっくりと、MFA系はエンジン横置き、MRA系はエンジン縦置き、MHAはMRAをベースにしたSUV用となる。

“やや”ドライバーオリエンテッドなコクピット

インテリアは見た目も機能も使い勝手も、ほぼ新型Sクラスを踏襲している。唯一と言ってもいい違いは、センターディスプレイをドライバー側へ6度傾けていること。「6度」という微妙な角度は、ドライバーからの視認性や操作性の向上のみならず、助手席からも見えるし使えるというギリギリの角度とのこと。

新型Sクラスでこの新しいMMIを使用してみたが、使い勝手云々よりも機能が多くてそれらを把握するのにひと苦労だった。機械式スイッチがほとんど消滅したコクピットが、以前よりも格段に使いやすくなったという印象はあまりない。おそらく、今後は他のメルセデスも順次この風景に置き換わっていくだろうが、操作性も同時に向上していくことを期待したい。

全車が4気筒+マイルドハイブリッド

エンジンは当面ガソリン/ディーゼル共に直列4気筒ターボのみで、排気量はC 180とC 200が1496cc、C 300が1999cc、ディーゼルはC 200 d/C 220 d/C 300 dともに1992ccとなる。注目すべきは、これらすべてのエンジンがISG仕様のマイルドハイブリッドであるという点。ISGはスターターとジェネレーターをひとつにして、駆動力のサポートや48Vバッテリーへの回生も行う機構である。

停止からの動き出しにはモーターを使うので、アイドリングストップからの発進は極めてスムーズだし、追い越し時などでもモーターがアシストするので瞬発力も期待できる。メルセデスはすでに直列6気筒などでISG仕様を展開しているが、ついに4気筒エンジンにまで降りてきたことになる。なお、トランスミッションは全車で9G-TRONICが標準となった。

そして今回、プラグインハイブリッドのC 300 eも導入されている。25.4kW/hのバッテリーを搭載し、EVモードでの最大航続距離は100km。55kWのDCチャージャーを使えば30分で満充電できるという。システム最高出力は313ps、最大トルクは550Nmで、EVモードでの最高速度は140km/hと公表されている。

「よく切れる」にこだわるエンジニアの執念

サスペンションはフロントが4リンク、リヤがマルチリンクで、従来型ではオプション設定のあったエアサスペンションは消えている。エンジニア曰く「思ったほど需要がなかった」とのこと。ただし、重い駆動用バッテリーをリヤに搭載するプラグインハイブリッドはリヤのみにエアサスが標準装備されている。

さらにCクラスにもついに後輪操舵が導入された。60km/hを境に逆位相/同位相を切り替え、後輪の最大切れ角は2.5度。これにより、最小回転半径は約5.3mとなる。後輪操舵は高速巡航時のレーンチェンジなどでのスタビリティの向上にも大きく貢献するが、メルセデスは昔からことのほか「最小回転半径」にこだわりが強く、ボディが大きくなってしまってもそこだけはなんとかしたいというエンジニアの執念のようなものを個人的には感じる。

年内には日本へ上陸か

新型Cクラスの生産はドイツのブレーメン工場がマザー工場となり、中国の北京、南アフリカのイーストロンドンも担当する。欧州では2021年6月から販売をスタート、日本へは早ければ年内にも導入予定だという。

新型Sクラスから採用された新しいMMIやMBUX、デジタルライトやエナジャイジングコンフォートなど、数多の電子デバイスや機能にどうしても目が行きがちになるけれど、やっぱり気になるのは操縦性や動力性能や乗り心地といったクルマの基本性能と“味付け”である。

コンフォートに振ったのか、あるいはスポーティさを全面に押し出しているのか、従来型と比べて明らかに違うのか、それほどドラスティックな変化はないのか。そして実車との初対面が欧州の国際試乗会なのか、それとも日本上陸時なのかも、個人的には気になるところである。メルセデスはSとCという看板商品の発表がいずれもコロナ禍の真っ只中になってしまい、さぞかし無念に違いない。

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