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復活のカギはNISMOやオーテック? 日産よ もう一度ブルーバード級のスポーツセダンを作ってくれ!

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復活のカギはNISMOやオーテック? 日産よ もう一度ブルーバード級のスポーツセダンを作ってくれ!

 日本ではスカイライン以外にセダンを持たない日産。海外では魅力的なセダンを販売し続けているのにこれは寂しい。日産の技術をもってすれば売れるセダンは作れるはず! セダン愛にあふれる片岡英明氏による復活のシナリオを語る!

文/片岡英明、写真/日産自動車

復活のカギはNISMOやオーテック? 日産よ もう一度ブルーバード級のスポーツセダンを作ってくれ!

■次々と姿を消した日産のセダンたち

1959年7月に誕生し、マイカーブームの火付け役となった日産 ブルーバード。マイカーブームの火付け役となった傑作ファミリーカーだ(写真は初代の310型)

 21世紀を前に日産の経営は行き詰まり、ルノーの軍門に降って援助を受けるようになった。コストカッターの異名を取るカルロス・ゴーン氏が経営の指揮をとるようになり、最初に行ったのがコスト低減と合理化だ。

 そのために大幅な車種整理を断行している。ニッポンの自動車文化が分からないゴーン氏は、販売が低迷している日産のセダンに未練を残さなかった。老舗ブランドのセドリックとグロリアを筆頭に、ブルーバードやサニーなどの主力セダンを相次いで消滅させたのである。

 日産とプリンスのフラッグシップセダンだったセドリックとグロリアは、2004年にフーガと名前を変え、海外市場を視野に入れて再出発を図った。ドライバーズカーの頂点に位置するプレステージ性の高いプレミアムセダンで、海外では「インフィニティM」を名乗った。

 2009年11月に第2世代のフーガにバトンを託し、途中でハイブリッド車も投入する。だが日本より海外を向いて開発されたクルマだったこともあり、日本の道路では扱いにくかった。何とか2代目までは持ちこたえたが、長期にわたって放置したあげく、2022年夏に日産の販売リストから落とされている。

 いっぽう1959年7月に誕生し、マイカーブームの火付け役となったミドルクラスの傑作ファミリーカーがブルーバードだ。日産を代表する老舗ブランドのセダンで、初代の310型と3代目の510型は数多くの伝説を残した。

 また、トヨタのコロナとともに「BC戦争」と呼ばれる熾烈な販売合戦を繰り広げ、話題になっている。いつしかブルーバードはファミリーカーの代名詞となり、海外でも好評を博した。

 が、1996年1月に登場した10代目は、ミニバンやクロスオーバーSUVに押され、販売が伸び悩んだ。そこで2001年夏に生産を打ち切り、シルフィとして新たなクルマ人生を歩むことにした。が、このシルフィも日本での販売を終了した。

 ブルーバードの下のクラスを受け持っていたコンパクト・ファミリーカーのサニーも、1998年10月に登場した9代目で日産のラインアップから消えている。カローラは21世紀になっても存在感を放っているが、サニーは2004年秋にティーダと世代交代し、セダンはティーダ ラティオを名乗った。

 が、それも長くは続かず、使い勝手のいいコンパクトセダンは日産陣営から姿を消している。今はこのクラスをノートとノートオーラが受け持っているが、これは2ボックスの5ドアハッチバックだ。4ドアセダンの兄弟車の設定はない。

■セダンが売れないのは日本だけ?

中国で販売されている現行型日産 シルフィー。ブルーバードの後継であるシルフィは海外では今も堅調に売れ続けている

 この10年ほどの間に、日産の首脳陣は、日本市場で販売が低迷しているセダンに見切りをつけ、シルフィやフーガなどを次々に生産中止に追い込んでいる。

 また、ボトムの登録車だったマーチも姿を消した。今、ノートに乗っている日産ファンが、上のクラスの新車に買い換えようとすると、EVならリーフかアリアになる。SUVならエクストレイルになってしまう。正統派のセダンとなると、基本設計の古いスカイラインしか用意されていないのだ。

 日本だけでなく海外でもクロスオーバーSUVがブームとなっているから正統派の4ドアセダンは減少方向だ。が、ヨーロッパや北米、中国などでは今もセダンの人気が高い。トヨタのカムリとホンダのアコードは、北米市場で引っ張りダコの人気セダンとなっている。月に3万台前後の販売を記録し、利益率も高い。

 日本ではセダン離れが指摘されているが、ドイツ製のセダンは堅調だ。メルセデス・ベンツもBMWも、電動システムを加えて環境に配慮したこともあり、それなりにセダンが売れている。

 日産の4ドアセダンも海外では販売好調だ。ブルーバードの後継となったシルフィは、海外では今も主役として迎えられている。

 2021年にモデルチェンジした最新のB18型シルフィは、スタイリッシュな4ドアセダンだ。

 ボディサイズは、全幅こそ1815mmと広いものの、同クラスのBMWの3シリーズやメルセデス・ベンツのCクラスと大差ない。日本の道路でも持て余すことはないだろう。全高も1450mmだから立体駐車場も使える。北米では「セントラ」を名乗っているが、なかなかの人気だ。

■スポーティセダンを求める人は意外と多い

北米ではエントリーセダンの役割を担っている日産 ヴァーサ

 このシルフィ、中国市場には「e-POWER」を用意している。ご存知のように、これは3気筒エンジンで発電機を回して発電し、その動力を使って高性能モーターを回して走行するシリーズ式ハイブリッドだ。

 「e-POWER」は、モーターならではの鋭い瞬発力を武器に1クラス上の力強い加速を見せ、静粛性などの快適性も高いレベルにある。ゴーストップの多い街中の走りも得意だから実用燃費もいい。また、ワンペダル制御を導入し、アクセルペダルの加減によって速度を自在にコントロールできるのも魅力だろう。

 プラットフォームにも手を入れ、気持ちいいハンドリングも手に入れた。また、自動運転技術のプロパイロットを持っているのも日産の強みだ。「e-POWER」に加え、プロパイロットなどの最新安全装備を搭載すれば、日本のセダンファンは飛びつくはずである。ノートやノートオーラ、ジュークなど、下のクラスからの買い替えだって期待できるはずだ。

 また、スポーティな「NISMO」や上質な「オーテック」も仲間に加えれば、さらに多くのファンを取り込めるはずである。スポーティセダンを欲しがっている人は意外と多いのだ。

 シルフィとセントラでも大きいよ、という人には「ヴァーサ」という選択肢も残されている。これはラティオの後継セダンだ。アメリカではセントラの下、日産のボトムを受け持っているエントリーセダンである。

 2019年に新型になり、外観はセントラと似たスポーティなルックスだ。ボディサイズも全長4495mm、全幅1740mm、全高1455mmと、日本で乗るには最適なサイズである。1.6Lの直列4気筒エンジンを積み、5速MTも設定した。日本では「e-POWER」を搭載し、販売すれば欲しがる人は多いだろう。今、この市場はカローラしかライバルが存在しないから、狙い目だと思う。

 日産が元気を取り戻すためにも、日本人にとって魅力的な4ドアセダン、スポーティセダンの投入と販売を期待したい。

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みんなのコメント

34件
  • 売れないから廃番になった訳。
    筆者は簡単に言うが、買う気あるのだろうか?

    個人的には、ブルバードの車名&SSS復活なら検討したいが…冷静に考えて売れる訳がない
  • そもそも5ナンバーセダンの需要なんてほぼない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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