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元祖「車中泊カー」が今や1000万円以上! 人気の「ワーゲンバス」今買っておくべきモデルはドレ?

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元祖「車中泊カー」が今や1000万円以上! 人気の「ワーゲンバス」今買っておくべきモデルはドレ?

商用車生まれのベストセラー「フォルクスワーゲン・タイプ2」

 フォルクスワーゲン・タイプ2=通称「ワーゲンバス」は、タイプ1=「ビートル」と並ぶ世界的ベストセラー車。いまでも映画やドラマ、CMなどで使われているのをよく見るし、あまりに世界的に愛されているため、VW社は最新EV「ID.BUZZ」としてそのスタイルを現代に復活させようとしているほど。

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 もちろん日本でもワーゲンバスに現役で乗っている人はまだまだ多いし、アウトドアシーンで活用している人も数知れない。

 ここでは11月21日に開催された日本最大級のクラシックVWミーティング「ストリートVWsジャンボリー」に展示されていたクルマをサンプルに、ワーゲンバスの歴史と種類をカンタンにご紹介しよう。

V字顔の「アーリーバス」、最初期モデルだと800万円~

 戦後ドイツの再出発とともに、「国民車」フォルクスワーゲンのタイプ1=「ビートル」が本格的に生産され始めてまもない1950年に登場したタイプ2=「バス」。ざっくり説明すると、リヤエンジン・リヤ駆動(RR)のビートルのシャーシに大きな四角いボディをすっぽり被せた構造のワンボックスカーで、エンジンも同じ空冷水平対向4気筒、通称「フラット4」を搭載していた。

 人も荷物も運べる「コンビ」というグレードや、リヤの荷室に窓がない「デリバリーバン」、リヤを荷台にした「ピックアップ」といった商用車モデルが多数販売された一方で、居住性をアップした乗用車モデル「マイクロバス」もほぼ同時期にリリースされた。

 フロントフェイスがV字型で2トーンカラーの「マイクロバス」仕様が、おそらく一番なじみ深い「ワーゲンバス」のイメージだろう。

 ちなみに1950年~1955年までの最初期のVWタイプ2は世界的にも希少な存在で、フロントウインドウの上に「ひさし」が付いていないのが見分けるポイント。リヤのエンジンリッドが後のモデルより大きいことから「バーンドア(納屋の扉)」と呼ばれている。

 このバーンドア時代のバスは、10年ほど前から世界的にヴィンテージカーとしてプレミアム価格となっていて、キレイな個体だと800万円以上、1000万円以上の値が付くことも珍しくない。

カウンターカルチャーとともに「車中泊」&キャンプのベースとして活躍

 アメリカでは1969年に開催された伝説の野外フェス「ウッドストック・フェスティバル」に象徴される、「カウンターカルチャー」や「ヒッピームーブメント」が、1960年代後半から70年代にかけて若者の間で大流行した。これも伝説的なバンド「グレイトフル・デッド」は全米のツアーに、数えきれないほどのファンたちがクルマで一緒に付いていき、長大なキャラバンとなっていたのも有名なエピソードだ。

 そんな自由に放浪する若者たちの間で、当時は中古で安かったVWバスが愛用されて、放浪の旅のお供となったわけだ。車中泊するにせよ、サイドタープを使ってキャンプをするにせよ、安くて信頼性が高くて収納力の高いワーゲンバスが打ってつけだったのである。

 また、それと並行して1960年代から欧米でキャンピングカーがブームとなる。ワーゲンバスのリヤに折り畳みのベッドを取り付けたり、室内の高さ確保と換気と採光を兼ね備える「ポップアップルーフ」を付けたり、クローゼットなど収納を強化したキャンピングカーも続々と登場している。

 いわゆる「アーリーバス」のなかで「バーンドア」以降の、1956年~1967年にかけてのモデルも、この10年ほどで価格がすっかり上がってしまった。現在日本でそれなりにマトモな状態の個体を買おうとすると、相場は450万円から600万円がボリュームゾーンで、上は1000万円以上になることもある。

 一般に「窓の数が多いほど高い」のがアーリーバスのお約束だ。ルーフ部分の両脇にも小さな窓がつく「マイクロバス・デラックス」は「23ウインドウ」とも呼ばれて、この時代のVWバスの中で一番プレミアムな存在。また、キャンピングカー仕様だと同じ状態の同じ年式より少しプラスになる。

 とはいえ、ワーゲンバス全般がここまで高くなった現在では、そういった要素よりも、個体それ自体のコンディションの良し悪しの方が重要な要素となってきているのが実情だ。

 なお、アーリーバスこの10年ほどで100万~200万円も値上がりしたので、現在乗っているオーナーさんは、別に極端なお金持ちというわけでもないのでご留意を……。

四角いお顔の「レイトバス」ならまだ手が届きやすい

 もうちょっと気楽に楽しめるワーゲンバスとして今おすすめしたいのは、1968年式からモデルチェンジした2代目タイプ2、通称「レイトバス」。こちらは1979年まで生産されていたので、まだ現存している個体の数も多めだ。

 フロントフェイスがV字型から四角くなっても、どことなくトボケた表情で愛嬌があるのはワーゲンバスならでは。こちらもアメリカで今なお多くのユーザーがいて、2009年のロードムービー「リトル・ミス・サンシャイン」では黄色いレイトバスに主人公ファミリーが乗って旅をしていたのをご記憶の方もいるだろう。

 レイトバスの時代にはキャンピングカーもさらに進化を遂げている。ドイツ「ウェストファリア」社製のVWバス・キャンパーではポップアップルーフが大きく上に開いてベッドとなり、後席部分もベッドになるので快適な車中泊ができるとあって、クラシックカーでキャンプをしたい人には鉄板、王道の選択肢となっている。

 レイトバスの相場は300~400万円がボリュームゾーンで、「現状販売」に近い状態なら200万円台前半でもたまに出物がある、といったところだ。

旧車は購入予算のほかに「メンテ予算」を確保しておくと後が安心

 なお、アーリーバスでもレイトバスでも、というより旧車全般にいえることだが、車両の販売価格が極端に安い場合は、購入後まもなく機関に不調が出ることもあるし、ボディのサビや傷みが進行していることもある。

 すでにクラシックカーとしての相場が確立されているワーゲンバスの場合、極端な「格安車」も「ボッタクリ」も無いと思った方がいい。クルマをそれなりにマトモな状態に仕上げて店頭販売に出すと、おおむね上述のような価格帯になるのだ。

 それでも、旧車は旧車、個体によっての当たり外れもあるので、車両を購入した後に思わぬ修理やメンテナンスが必要になる可能性も考慮して、プラス50~100万円程度のメンテ予算を別枠で確保しておくことを推奨したい。

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