現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「半世紀」の歴史が生む熟成 BMW 5シリーズ(6代目/F10) UK中古車ガイド 7シリーズと基礎を共有

ここから本文です

「半世紀」の歴史が生む熟成 BMW 5シリーズ(6代目/F10) UK中古車ガイド 7シリーズと基礎を共有

掲載 5
「半世紀」の歴史が生む熟成 BMW 5シリーズ(6代目/F10) UK中古車ガイド 7シリーズと基礎を共有

半世紀以上の歴史を持つ上級サルーン

BMW 5シリーズの歴史は、1972年に遡る。半世紀以上の歴史を持つ上級サルーンだ。2009年から2017年にかけて提供されていた、6代目のF10型5シリーズが熟成された内容にあったとしても、不思議ではない。

【画像】「半世紀」の熟成 BMW 5シリーズ F11型と現行G60型 最新i5 ツーリングとM5も 全123枚

レシピは既に完成していたといえ、当時のAUTOCARは上質な車内や洗練された操縦性を特に評価している。やや特長が薄いスタイリングや、サスペンションの詰めが甘いことも、指摘しているが。

F10型の5シリーズは好調に売れ、英国の中古車市場を調べてみると、多くの選択肢で悩めることがわかる。燃費自慢の520dなら、走行距離の長い例で約3000ポンド(約61万円)から。好条件の523dは、約1万9000ポンド(約388万円)だ。

もちろん、BMWならガソリンエンジンが良いという人も多いはず。英国ではディーゼルほど売れなかったが、2.0L 4気筒ターボから4.4L V8まで、複数から選べる。別格のM5も存在する。

当時のAUTOCARが高く評価したのは、2.0L 4気筒ガソリンターボの528i。最高出力は245psで、0-100km/h加速を6.2秒でこなした。ディーゼルターボの520dも、燃費が良いだけでなく洗練されている。

530dも優秀で、0-100km/h加速5.8秒と動力性能も充分。535dは更に加速が鋭く、公道でのレスポンスは印象深い。

2013年から、ディーゼルエンジンは環境規制のユーロ6へ対応。同時期にフェイスリフトも受け、スタイリングが更新された。ヘッドライトやアイドリングストップ機能、電子ハンドブレーキ、8速ATなどが改良されている。

7シリーズとプラットフォームを共有

英国仕様のF10型5シリーズは、6速MTが標準設定だった。シフトレバーの動きは軽く引き締まり、扱いやすい。

オプションとしては、アクティブ・ステアリングに後輪操舵システム、アクティブ・アンチロールバーなどが用意されていた。いずれも高価で、装備率は低いようだ。それでも、アダプティブダンパーは探す価値がある。乗り心地や操縦性が、1ランク上になる。

F10型の特徴といえたのが、7シリーズとプラットフォームを共有したこと。ホイールベースは短縮されているものの、広々とした車内を強みとした。特にリアシート側はゆとりがある。

インテリアの仕上げは美しく、装備も充実している。エントリーグレードでも、英国仕様ではデュアルゾーン・エアコンに6.5インチのインフォテインメント用タッチモニター、レザーシート、パーキングセンサーなどが備わった。

その1つ上がラグジュアリー。BMWプロフェッショナル・マルチメディア・システムに、Mスポーツ仕様の内装、パワーシート、Mスポーツ・アルミホイールとスポーツサスペンションが組まれる。

惜しいのが、右へ若干オフセットしたペダルレイアウト。それでも、心地良いシートで快適な姿勢に落ち着ける。お望みのエンジンを選択し、サスペンションとホイール・サイズに注意すれば、望ましいドライバーズサルーンを我が物にできるはず。

新車時代のAUTOCARの評価は

F10型のBMW 5シリーズは、間違いなく完成度が高い。特定の分野で明確な強みがあるというより、能力の幅が平均的に高いといえる。

洗練されていて、車内空間は広く、燃費は良好。乗り心地も基本的には良い。万能のサルーンをお探しなら、積極的に検討してみて欲しい。(2012年2月5日)

オーナーの意見を聞いてみる

アラン・ウェルズ氏

「528iを所有してから、8年が経過します。登録は2013年で、走行距離は17万5000kmを過ぎた辺り。自分が住んでいる地域は余り舗装が良くないのですが、走りはとても安定していますね」

「サスペンションのスプリングは3回交換しています。ひび割れるんですが、この症状は珍しくありません」

「長距離クルーザーとして安楽なだけでなく、乗り心地も快適。高速道路での燃費は、13.1km/Lくらい。前回の点検・整備には300ポンド(約6万円)を支払いましたが、この程度で済んでいるといえます」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ディーゼルエンジンでは、2014年式以前のユニットで、ターボ・ウェイストゲートの固着へ注意したい。この年式ではタイミングチェーン・テンショナーの劣化も早く、カタカタと異音がないか確かめたい。

英国では、2011年に排気再循環 (EGR)クーラーのリコールが出ている。対策済みか確認したい。

ガソリンエンジンでは、可変バルブタイミング・システム(ヴァノス)の不調で、アイドリング時の異音や、パワーの低下を招くことがある。高圧燃料ポンプと直噴モジュールは、故障しやすいようだ。

トランスミッション

AT車の場合は、低速走行時にシャフトから振動が出ないか確かめたい。MT車では、エンジンマウントがヘタると、走行中にギアが抜けてしまうことがある。走行距離が長い例では、クラッチとデュアルマス・フライホイールの交換も検討したい。

ステアリングとサスペンション

アダプティブダンパーが装備されている場合は、モードで減衰力が変わるか確かめる。サスペンションアームや電動パワーステアリングからの異音、コイルスプリングのひび割れなどもチェックポイント。

タイヤとホイール、ブレーキ

タイヤが偏摩耗していないか、ホイールが腐食していないか観察する。ブレーキパッドとディスクの厚み、キャリパーの固着などにも注意したい。

ボディ

ボディの修復歴を観察する。再塗装され、部分的に色が若干違っていることも。

インテリア

エアコン・コンデンサーの故障は珍しくなく、冷風が出るか事前に調べておきたい。ドアのシールが劣化し、車内へ雨水が流れる場合がある。フロアが不自然に湿っていないか確認したい。

知っておくべきこと

F10の世代には、サルーンだけでなくグランツーリスモ(F07型)とステーションワゴンのツーリング(F11型)がある。どちらも実用性ではサルーンに勝る。

グランツーリスモでは、ホイールベースが7シリーズへ準じる。着座位置は高めで、大きなハッチバックが備わり、斜め後ろからの姿はクーペのように見える。リアシートを折りたたむと、荷室は1700Lへ拡大できる。

ツーリングの方が人気は上で、内容も優れる。上級モデルとしての風格と、秀でた実用性をバランス良く両立できている。荷室は、通常では560L、リアシートを折りたためば1670Lに広がる。

当時のAUTOCARは、「5シリーズ・ツーリングは価格競争力が高く、洗練され高効率。サルーンやグランツーリスモより、見た目もいい」とまとめている。

英国ではいくら払うべき?

3000ポンド(約61万円)~5999ポンド(約121万円)

2014年式以前のF10型を英国では狙える価格帯。走行距離が長いディーゼルターボから、比較的短めのガソリンターボまで、数は多い。

6000ポンド(約122万円)~9999ポンド(約203万円)

ガソリンターボが増えるものの、英国ではディーゼルターボが中心。全般的に走行距離は長めだが、2016年式まで混ざり始める。

1万ポンド(約204万円)~1万4999ポンド(約305万円)

フェイスリフト後のF10型は、この価格帯まで奮発が必要になる。

1万5000ポンド(約306万円)以上

後期型で走行距離が短いF10型をお探しなら、英国ではこの価格帯から。ディーゼルターボもガソリンターボも選べる。

英国で掘り出し物を発見

BMW 520d SE 登録:2015年 走行距離:9万5600km 価格:1万1000ポンド(約224万円)

個人売買で出ている520d。BMWディーラーでの整備記録が残り、アルミホイールは小さめの17インチで乗り心地は良いはず。燃費も期待できる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
くるまのニュース
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
VAGUE
7番グリッドスタートも、苦しい苦しいレースを強いられた角田裕毅。しかしペレスを抑え切り9位確保「FP1から良いマシンを手にできれば……」
7番グリッドスタートも、苦しい苦しいレースを強いられた角田裕毅。しかしペレスを抑え切り9位確保「FP1から良いマシンを手にできれば……」
motorsport.com 日本版
ホンダ『CRF1100L  Africa Twin』リコール…加速不良、転倒のおそれ
ホンダ『CRF1100L Africa Twin』リコール…加速不良、転倒のおそれ
レスポンス
SUPER GTの「LM corsa」をサポートする「TWSプリンセス」4人組のスタイルが良すぎ! 爽やかなコスチュームを纏う彼女たちは普段何してる?
SUPER GTの「LM corsa」をサポートする「TWSプリンセス」4人組のスタイルが良すぎ! 爽やかなコスチュームを纏う彼女たちは普段何してる?
Auto Messe Web
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、苦しい1年を戦い抜いた4連覇は”誇り”「ある意味、とても特別で美しいシーズンだ」
フェルスタッペン、苦しい1年を戦い抜いた4連覇は”誇り”「ある意味、とても特別で美しいシーズンだ」
motorsport.com 日本版
MAXWIN、ヘルメット取付タイプのGPS搭載ドラレコ「MF-BDVR001G」発売
MAXWIN、ヘルメット取付タイプのGPS搭載ドラレコ「MF-BDVR001G」発売
レスポンス
空冷6気筒の水平対向! RRレイアウト! ポルシェになれなかったGMの「コルヴェア」とは
空冷6気筒の水平対向! RRレイアウト! ポルシェになれなかったGMの「コルヴェア」とは
WEB CARTOP
「パフォーマンスやスピードは昨年と比べ物にならない」トヨタWRC勝田貴元、2024年は自身の成長を実感した1年に
「パフォーマンスやスピードは昨年と比べ物にならない」トヨタWRC勝田貴元、2024年は自身の成長を実感した1年に
motorsport.com 日本版
水道代がかからないしエコだからって「井戸水」「雨水」洗車はNG! キレイにならないどころか塗装を傷める可能性もあった
水道代がかからないしエコだからって「井戸水」「雨水」洗車はNG! キレイにならないどころか塗装を傷める可能性もあった
WEB CARTOP
スライドドア採用! ホンダの「2ドア“MR”ハッチバック」がスゴイ! まさかのミッドシップでめちゃ楽しそうな「ステップ“バス”」とは
スライドドア採用! ホンダの「2ドア“MR”ハッチバック」がスゴイ! まさかのミッドシップでめちゃ楽しそうな「ステップ“バス”」とは
くるまのニュース
ホンダ『S660』用HKSインタークーラーキットがリニューアル、ブラックメッシュホース使用で軽量化
ホンダ『S660』用HKSインタークーラーキットがリニューアル、ブラックメッシュホース使用で軽量化
レスポンス
NY発ファッションブランドが本気のカスタマイズ!「エメ レオン ドレ」流ポルシェが「鮮烈」デビュー
NY発ファッションブランドが本気のカスタマイズ!「エメ レオン ドレ」流ポルシェが「鮮烈」デビュー
Webモーターマガジン
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
THE EV TIMES
【スクープ】スバル「アウトバック」の次期型はワゴンボディからSUVに激変! 日本再発売もある!?
【スクープ】スバル「アウトバック」の次期型はワゴンボディからSUVに激変! 日本再発売もある!?
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
くるまのニュース
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
レスポンス

みんなのコメント

5件
  • Lore in
    f10の直6NAが最後だったなぁ〜
    この頃は他の車種もデザイン良くて
    NAエンジンも選べてよかった
    今は何これってぐらい魅力皆無の駄作ばかり
  • ********
    5尻いいよねー好きだわー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1998.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

249.51598.0万円

中古車を検索
M5の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1998.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

249.51598.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村