今夏、新しくなるメルセデス・ベンツのミニバン「Vクラス」への期待とは? 現行モデルの特徴を踏まえ、小川フミオが考えた!
メルセデス・ベンツらしさとは
短いからこそ価値がある──ランドローバー ディフェンダー90 75TH リミテッド エディション試乗記
メルセデス・ベンツのミニバン、Vクラスが今夏新しくなる。Vクラスは、余裕あるサイズのピープルムーバー(大型ミニバン)をほしいひとに人気が高い。欧州では、要人の送迎用車として人気が高いし、日本では、ファミリーカーとして購入する人も、ちらほら見かける。
Vクラス人気の理由は、機能的に設計されているのと同時に、メルセデス・ベンツ車的なステイタスシンボルであること。
日本には、皆さんよくご存知のように、トヨタ「アルファード」、「ヴェルファイア」など、内装を豪華に仕立てた大きめピープルムーバーがあるけれど、Vクラスは“ブランド”としての立ち位置は頭一つ分、上を行く。
室内の広さ感は、3000mmのホイールベースを持つトヨタ・アルファードの上をいく。欧米では2列目と3列目を対座式のアレンジにした仕様も送迎用として広く使われている。
メルセデス・ベンツの“さすが”なところは、それだけでない。モデルライフの途中でも、大幅なアップデートをする点だ。
現行の3代目が登場したのは、2014年。2016年に外観の一部変更と装備の追加。2017年に(なんと)AMGライン導入。2018年に内装の機能が追加された。
2019年に大きめのマイナーチェンジを実施。外装に手が入るとともに、内装がより豪華になった。2020年には安全装備が充実。2021年には「MBUX」が搭載された。
さらに2021年にはレーダーセイフティパッケージの内容が充実。これとタイミングでエンジンにも手が入り効率が向上したのだった。
つねに並行して行われてきたのが、内装をSクラスのようにラグジュリアスにすること。内装などを大きく変えるのに消極的な日本車に対して、頻繁なマイナーチェンジがファンの支持を得てきた。
Vクラスはもともと、メルセデス・ベンツの商用車部門が手がけたモデル。それがSクラスかVクラスか、なんて迷うひとが出てくるまでに市場を開拓したのだから大躍進だ。だからこそ、快適性や走行性能アップは必須である。
リヤシートの快適性アップに期待!私はことあるごとに、マイナーチェンジされたVクラスに乗ってきたが、ほとんどドライバーズシート(涙)。
従来型に搭載されていた2.0リッター4気筒ディーゼルエンジンが、5mを超えるロングボディでも大きさを意識させないフレキシビリティを発揮するのには感心してきたが、後席でゆっくり過ごした日本ではほぼ皆無。
いっぽう、海外では、さきにふれたような対座式のシートアレンジのVクラスに乗る機会は多い。室内の広さ感とともに、どの列のシートでも乗り心地がいいのは、乗せられている身にとって最大の魅力だ。
ただし、シートの機能性ではアルファードや日本にも導入が決定した新型レクサス「LM」にはかなわない。Vクラスでも電動調整機能付きの2列目シート(セパレートタイプ)も選べるが、細部の装備では日本車の勝ち。リヤシートに乗っての移動ならば日本製の大型ミニバンの方が楽ちんかもしれない。
また現行モデルは、リヤスライドドアの窓が開かない。商用車部門が手がけたモデルだからなのかもしれないが、乗用ユーザーにとっては大きなマイナスポイント。このあたりも改善されることを期待したい。
乗り心地は悪くない。同様のサイズのピープルムーバーは、欧州だとフォルクスワーゲンやフォードなど他社からも出ているが、私の経験からすると、乗り心地の快適性はVクラスがダントツ。
ただし、高速道路で、速いは速いが、いっぽうでブレーキの制動力を考えると、調子にのってとばさないのがドライバーとしては賢明と思われる。ゆえに、新型ではブレーキ性能のアップも期待したい。
メルセデス・ベンツは、Gクラスといい、このVクラスといい、機能性をとことん追求したようなモデルが、市場で大きな人気を獲得する傾向がある。そこがおもしろい。ただし、日本のミニバン市場では強敵揃いだけに、メルセデス・ベンツのブランド力をもってしてもセールスはやや苦戦。やはり乗用として開発されたアルファードなどと比べると、Vクラスはやや洗練さが欠ける。
新しいVクラスはどんな内容となるか……楽しみにしようではないか。
文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)
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