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天皇皇后両陛下が乗った「御料車」ってなに? かつて上皇陛下が愛した「インテグラ」との違いとは

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天皇皇后両陛下が乗った「御料車」ってなに? かつて上皇陛下が愛した「インテグラ」との違いとは

■センチュリーは御料車? 上皇陛下のインテグラは私的利用車両だった

 2019年11月10日、爽やかな秋晴れのなか、天皇陛下と皇后さまによる即位披露のパレード「祝賀御列の儀」がおこなわれました。皇居から赤坂御所までのおよそ4.6kmの壮大な車列を、沿道を埋め尽くす10万人以上の大観衆が見守りました。

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 このパレードで注目されたのが、天皇陛下と皇后さまが乗車される車両です。これはトヨタ「センチュリー」をオープン仕様へと改造した特注車両です。いわゆる「御料車」と呼ばれるこうした車両ですが、じつは皇族の方が乗られるクルマには多くの種類があります。

 今回の祝賀御列の儀では、「御料車」というフレーズを耳にすることが多かったですが、「御料」には「高貴な人・もの」という意味があります。

 そのため、天皇皇后両陛下以外の皇族の方が乗られるクルマを「御料車」と表現するのは、必ずしも誤りではありませんが、宮内庁では御料車について「天皇皇后両陛下がご乗用になる車両」と定義しています。

 現在、御料車とされているのは2006年に導入された「センチュリー・ロイヤル」です。その名のとおりトヨタのセンチュリーをベースにしていますが、センチュリーを大幅に上回る全長6155mm×全幅2050mm×全高1780mmの巨体を持つモデルで、御料車専用車両となっています。

 御料車には皇室専用ナンバーの「皇ナンバー」のものと「品川ナンバー」のものがあり、国会開会式など公的なお出ましには皇ナンバーを使用し、そのほかの車両には品川ナンバーのものを使われることが通例です。

 皇ナンバーには、4を欠番として1から10までのナンバリングがあり、祝賀御列の儀で用いられたオープン仕様のセンチュリーは、もっとも新しい車両のため「皇10」のナンバーが与えられています

 皇室関係のクルマだとこの御料車が話題になることが多いですが、皇室関係のクルマは御料車だけではありません。

 公的なお出ましには、御料車およびそれに準ずる車両が使用されますが、それ以外の移動では各皇族方がお持ちの車両が利用される場合があります。

 これは「私的利用車両」と呼ばれ、原則的に皇室費用で購入、運用されるものです。現在は、センチュリーやトヨタ「アルファード」、三菱「ディグニティ」などが登録されているようです。

 ちなみに、皇室費用は「皇族としての品位保持の資に充てるためのもの」とされており、2018年度は秋篠宮家に計1億2301万7000円、常陸宮家に計4575万円、三笠宮家に計5856万円、高円宮家に3690万5000円が支払われています。

 一般家庭を基準に考えると、スーパーカーを買えるほどの世帯年収ではありますが、前述の通り「皇族としての品位保持の資に充てるためのもの」であるため、そのような散財は許されないようです。

 皇族方の私的利用車両でもっとも有名なのは、上皇陛下のホンダ「インテグラ」でしょう。天皇陛下時代の1989年に登場した2代目のMT仕様で、皇居内をよくドライブされ、時には上皇后陛下もご同乗されていたようです。

 宮内庁には、御料車などの皇族専用車両を整備・管理する車馬課という部署がありますが、このインテグラについてはあくまで上皇陛下個人の所有物ということで、整備は一般業者がおこなっているようです。

■眉唾話にご注意! 民間から献上されたクルマ

 今回、紹介したクルマは、皇族の方が実際に乗られることを想定して開発、購入されたものであり、当然ながら一般市場に中古車両が出回るということは、保安上の観点からありえません。

 しかし、なかには「御料車を特別に譲ってもいい」というような怪しげな話が舞い込むことがあります。

 こうしたクルマの多くは、1960年から1970年代の国産高級車であり、実際に存在するものです。そして大層な鑑定書とともに数千万円から数億円前後の価値があるものだと話を持ちかけられます。

 こうしたクルマは本当に「御料車」なのでしょうか。高級車の販売をおこなう都内中古車店のオーナーは次のように語ります。

「かつては、皇室の慶事に合わせて、一般企業から皇室にお祝いの品を献上することが多くありました。ここでいう『御料車』とされるクルマもそうした類のものだと思われます。

 受け取りはしますが、実際の移動には本物の『御料車』が使用されるため、各地の御用邸などに配車された後しばらくして民間に払い下げされ、中古車市場に出回っているものと考えられます。

 こうした販売手法は、バブル期に多く見られました。もしかすると一度くらいは天皇陛下もご乗車されたかもしれませんが、それによって価値が大きく上がるというものではありません。数百万円からせいぜい1000万円程度の価値と考えるのが妥当でしょう。

※ ※ ※

 このように、ひとくちに御料車といっても、その中身はさまざまです。なかには、眉唾もののクルマも含まれている可能性がありますので、しっかりと理解することが重要です。

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