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ギリシャの猛威止まず。ヒョンデのトップ2台に悲運、ヌービルが総合首位に/デイ2レポート

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ギリシャの猛威止まず。ヒョンデのトップ2台に悲運、ヌービルが総合首位に/デイ2レポート

 9月7日(土)、2024年WRC世界ラリー選手権の第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』のデイ2はスペシャルステージ7から12の走行が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立っている。TOYOTA GAZOO Racing WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はSS3でのデイリタイアが響き、クラス7番手/総合37番手で大会2日目を終えた。

 今大会は、早くも多くのクルーをトラブルが襲う荒れ模様の開幕となっている。折り返しとなるデイ2は、全ステージの総走行距離が116.23kmながら、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は695.64kmとかなり移動時間の長いタフな一日となった。

オジエが必死の追い上げで表彰台圏内に。勝田はクリーニングに奮闘、エバンスは横転喫する/WRCギリシャデイ2

■1本目から総合首位にアクシデント

 現地時間8時16分、気温24度と路面温度27度という晴れ模様のもと、各車はこの日1本目のスペシャルステージ(SS)である『レンギニ』(28.67km)へ向かう。

 朝日で空も白ばむなか、まずはひとつめの山越えへ。細かな砂と岩石が散るつづら折りのグラベル(未舗装路)に、勝田から順にコースインしていく。

 クリーニングも影響してタイムが1台ごとに向上していくなか、デイ2のオープニングステージをまずはヌービルが最速タイムをマーク。

 一方、5.6km地点では総合首位のオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)に早くもタイヤトラブルが発生した。すぐに右リヤタイヤを交換して再びペースを上げたが、続いて15.4km地点で右フロントタイヤがパンクしてしまう。

 タナクとマルティン・ヤルヴェオヤ(コドライバー)は、こちらも即座に交換をして無事に完走したものの、早くもスペアタイヤを使い切ってしまった。このロスにより、3番手タイムを刻んだダニエル・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が新たにラリーリーダーとなり、タナクは総合4番手にダウンしている。


 続くSS8『テーベ』(20.95km)の始まるころには、気温30度、路面温度44度にまで上昇し、この日も暑さとの戦いが始まってきた。

 ここでは、ハードタイヤのみの選択をしたヒョンデ勢に対し、リヤ2本にソフトタイヤを履いてアタックしたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマーク。さらに2番手にはソルドが続き、自身のラリーリードを10.3秒に広げる。

 午前最後のSS9『アグヒ・テオドリ1』(25.87km)では、気温が34度に突入。いよいよ車内温度の高さも深刻化していくなか、今季ベストタイの総合5番手を走っていたグレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマ・ラリー1)がクラッシュし、路肩に停車してデイリタイアとなった。

 さらに、総合首位のソルドは右リヤ部分を大きく破損した状態でチェックポイントに到着。タイヤバーストだけでなくカウルも中破してしまい、51.3秒のタイムロスで2番手タイムのヌービルに総合首位の座を明け渡してしまった。

 なお最速となったのはオジエで、総合2番手にダウンしたソルドとの差は49.9秒だ。

■2台に横転の危機、明暗別れる

 この日はミッドデイサービスの設定はなく、タイヤフィッティングゾーンでの簡便な整備を経て、各車は全長12.9kmのSS10『ルートラキ』へと向かう。

 このSS10は、先頭走者の勝田が中低速コーナーでハーフスピンをする場面も見られるなど、かなりの低グリップで、さらに路肩のすぐ外側には崖が待つという油断禁物な区間。ここを追い上げを開始したタナクが制し、僅差の2、3番手にはオジエとヌービルが続いた。

 続くSS11は、この日最後のグラベルステージとなる『アグヒ・テオドリ2』(25.87km)。SS9でも走った区間だが、午後は後半のダウンヒルセクションでドラマが起きた。

 4番目出走のエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)が、低速のヘアピンで轍に引っかかったか、曲がりきれずに横転。観客らの助けもあり正常の姿勢を取り戻して、割れたフロントガラスを外しながら何とか完走。クルーらも無事のようだが、その後リタイアが発表されている。


 さらに、同地点でタナクも似たようなかたちで横転しかかる瞬間があったが、こちらは少し速度が低かったためか、タイヤを立てるようにステアリングを切るリカバーが寸前で効きクラッシュを免れた。

 ここではオジエがふたたび全体ベストをマーク。総合2番手のソルドは手負いの状態ながらも基幹部分は無事だったようで、18.1秒遅れの6番手タイムで完走してポジションをキープしてみせた。

 最後のSS12は、地元のサービスエリア内を走るスーパーSS『EKO SSS』となり、現地時間21時05分から開始のナイトランとなった。ターマック(舗装路)の1.97kmを、ライトポッドを装着したマシンがアタックを行い、ここではヌービルが最速。僅差でオジエ、ソルドが2、3番手につけ、勝田も4番手と好タイムを刻んだ。

 これで土曜日時点での総合順位が決まり、首位のヌービルには18ポイント、2番手のソルドには15ポイント、3番手のオジエには13ポイント、さらに以下10番手まで暫定ポイントが付与された。選手権リーダーのヌービルがリードを広げるかたちとなったが、こちらのポイントは日曜日の完走が付与条件となっているため、大荒れの今大会ではまだまだ油断禁物な状況だ。

 WRC2クラスは、1.5秒の差でロベルト・ヴィルヴェス(シュコダ・ファビアRSラリー2)とサミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)がクラス首位を争ったが、この日3本目のSS9でパヤリが逆転。最終的にその差は27.7秒にまで広がっている。2台に続く3番手にはヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)がつけた。

 大会最終日となるデイ3はSS13からSS15までの全3本を予定。全ステージの総走行距離は54.05km、リエゾン(公道区間)も含めた総距離は208.96kmだ。

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