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【試乗】カローラツーリングは、ちょっと目立たない優等生!? でも誰にでもオススメできる「隠れたる名車」かもしれない

掲載 更新 49
【試乗】カローラツーリングは、ちょっと目立たない優等生!? でも誰にでもオススメできる「隠れたる名車」かもしれない

最近「カローラ」といえば「カローラクロス」や「GRカローラ」が注目されがちだが、2022年秋にセダンやスポーツとともに一部改良されたワゴンの「カローラツーリング」にあらためて試乗した。これがなかなか、街中での普段使いからロングツーリングまで、そつなくこなす優等生なクルマだった。

3ナンバーになっても扱いやすいサイズがいい
SUVのカローラクロスの躍進などで、2022年度の新車販売ランキングではヤリスに次ぐ2位に返り咲いたカローラ。2022年秋にセダン/スポーツ(ハッチバック)/ツーリング(ワゴン)は一部改良が施されたが、意外と専門誌やWebサイトで試乗記は紹介されていない。そこで「ドライブグルメ」取材の足を兼ねて、ツーリングに試乗してみた。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

試乗車は、人気グレードのW×B。パワートレーンはハイブリッドで、リアにもモーターを備えるE-Four。ボディカラーはパールホワイトにルーフはブラックの2トーン、シートもボディ同様の2トーンと、なかなかオシャレ(いずれもオプションだが)。

カローラというと、先代までは比較的おとなしめの顔つきだったが、現行型はキーンルックの採用で少し強そうな顔つきになり、たくましくなった。とくに今回の試乗車の2トーンカラーやダークグレーメタリックのホイールともマッチしており、いままでのカローラのイメージを払拭するにはいい感じだ。現行型からカローラ(セダン/ワゴン)は全幅が1.7mを超えて3ナンバー登録となったが、ミラー格納時の全幅やドアの開け幅は先代と変わらないという。実際、都会の狭い道でも取り回しは気にならないし、それでいながら室内はラゲッジスペースも含めて広さ的に不満はない。

インテリアも、ステッチ付き合皮のダッシュボードやドアアームレスト、2トーンはオプションだが合皮とレザテックのコンビシートなど、かなりスポーティな雰囲気にまとめられている。現行型からワゴンのサブネームを「フィールダー」から「ツーリング」に変えたのも、分かるような気がする。メーターは全面モニターで、ステアリングホイールのスイッチで表示はさまざまに変えられる。直感的に操作しようとすると少し煩雑だが、まあマニュアルを読めば済むこと。慣れてしまうと、けっこう便利だ。

新型プリウス 1.8と基本的に同じパワートレーン
パワートレーンは1.8L+モーターのハイブリッドだが、一部改良で電動モジュールが一新され、いわゆる「THS(トヨタ ハイブリッド システム)」の第5世代にあたる。じつはこれ、新型プリウスの1.8Lモデルに搭載されているものと基本的に同じ。パワースペックはE-Fourのリアモーターまで発生回転数も含めて変わらない。

その走りっぷりは、いままでのトヨタ ハイブリッド車と大きくは変わらない。発進はモーターでスッと出て、市街地走行レベルではバッテリーの残量にもよるが40~50km/hくらいでエンジンが始動してアシスト。エンジンがかかるとその存在が分かるが、不快な音量ではない。

高速走行ではエンジンによる駆動が主になるが、加減速に応じて頻繁にON/OFFし、モーターのみでも走行する。ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツの3段階があるが、普通に走るならノーマルで十分。エコだと発進時や上り勾配の走行では少しタルさを感じるが、クルージング状態なら不満はない。スポーツはかなり元気な走りを見せるが、市街地などではパワーがあり余っているように感じてしまう。

今回の試乗車はリアにモーターを備えるE-Fourなので、発進時や市街地のちょっとしたコーナーで後輪も駆動されている。もっとも、これはインジケーターのパワーフローを見ているから分かることで、ただ乗っているだけでは気がつかない。それほど自然なアシストがうれしい。また今回の試乗ではワインディングロードを駆け抜けるようなシチュエーションはなかったが、足まわりは必要以上に硬くはないもののしっかりしており、ワゴンボディとはいえコーナリングを楽しむことも十分できそうだ。

トヨタセーフティセンスによるレーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストなどの機能の出来は良く、高速クルージングはきわめて快適だ。市街地走行でも前方のクルマに反応してブレーキを作動させる(ブレーキランプの点灯はメーター内に表示)など、もちろん過信は禁物だが、その効果は絶大だ。

日本車のワゴンタイプは減ってしまったけれど・・・
今回、約310kmの試乗(高速道路と市街地走行が半々くらい)で、平均燃費計の数値は21.2km/L。燃料計を見ると4分の3くらいは残っており、航続可能距離は503kmと表示された。使用条件にもよるが、満タンなら800kmくらいは無給油で走れそうだ。

SUVやミニバンの人気に押されて、いまや国産メーカーのステーションワゴン(この言葉さえ死語になりつつある!)は、このカローラツーリング以外はスバルのレヴォーグとマツダ6くらいしか残っていない。それでも、ミニバンほど多人数で乗らないし、SUVのスタイルはどうもね・・・なんていうワゴン好きは少なからずいる。輸入車のワゴンは人気が衰えないのも、そんな背景があるのかもしれない。

ましてや、このE-Fourのカローラツーリングなら、スタッドレスタイヤを履けば都会の雪道はもちろん、ウインターレジャーに出かけるくらいなら問題なく使えるだろう。そもそもがカローラのワゴンだから、ラゲッジスペースの広さや使い勝手に関しては不満はない。

ちなみに、新型プリウス1.8(E-Four)の車両価格は税込み321万円と、15万円以上も高い。新型プリウスも気になるけれど、日常使いからレジャーユースまでマルチな使い方をするなら、このカローラツーリングのほうがお買い得感も高そうだ。しかも、2023年4月末の段階で、プリウスはグレードによるが注文しても納車まで2年半以上の待ちで、オーダーをストップしたらしい。カローラツーリングなら、半年くらいで手に入るようだ。それならば・・・と考えるオーナー予備軍も多いのではないだろうか。

冒頭に記したように、カローラクロスやGRカローラばかり注目されがちなカローラ シリーズだが、このカローラツーリング、まさに「目立たない優等生」といった感じで誰にでもオススメできる1台だ。いや、2トーンの内外装などは、けっこう「お目立ち」かもしれないが・・・。(写真:Webモーターマガジン編集部)

トヨタ カローラツーリング ハイブリッド W×B(E-Four) 主要諸元


●全長×全幅×全高:4485×1745×1460mm
●ホイールベース:2640mm
●車両重量:1440kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター×2
●総排気量:1797cc
●最高出力:72kW(98ps)/5200rpm
●最大トルク:142Nm(14,5kgm)/3600rpm
●モーター最高出力:70kW(95ps)+30kW(41ps0
●モーター最大トルク:185Nm(18.9kgm)+84Nm(8.6kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD(E-Four)
●燃料・タンク容量:レギュラー・43L
●WLTCモード燃費:24.9km/L
●タイヤサイズ:215/45R17
●車両価格(税込):304万8000円

[ アルバム : カローラツーリング W×B はオリジナルサイトでご覧ください ]

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49件
  • 後部座席が狭くて購入を見送りました。
  • 一度乗ればわかるけど、普通に誰にもオススメ出来るクオリティ
    これで300万はマジで安い
    プリウスもいいが、zは高過ぎる、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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