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クーペでもカブリオレでもない、ポルシェ「911タルガ」歴代モデル7選

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クーペでもカブリオレでもない、ポルシェ「911タルガ」歴代モデル7選

■必要に迫られて生み出された、カブリオレでもクーペでもないモデル

 ポルシェ初代「911タルガ」は、取り外し可能なルーフと、プラスチック製の折り畳み式リアウインドウで、気軽にオープンカーでのドライブを楽しむことができるようになった。

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 このタルガのコンセプトは、これまでとはまったく異なるポルシェのドライビング体験の出発点となり、その後のすべての世代の「911」だけでなく、「914」や「カレラGT」などのクルマにも採用されることとなる。

●タイプ901 911タルガ

 米国(特に西海岸)では、オープンカーの人気が高そうだが、1960年代には安全性の観点から米国でカブリオレを全面的に禁止すべきだという声が上がっていた。

 これに対応するためにポルシェは、タルガという新しいコンセプトを採用することになった。

 タルガというモデル名は、1950年代半ばからポルシェがモータースポーツで大きな成功を収めてきたシチリア島のロードレース「タルガ・フローリオ」に由来している。

 1965年8月、ポルシェはタルガのコンセプトの特許を申請し、1966年秋からタルガがクーペの補完として「911」、「911 S」、「912」に採用され、大成功を収めることとなる。

 1967年の夏の終わり頃からは、タルガモデルにもオプションで、プラスチック製の折り畳み式リアウインドウの代わりに、ガラス製の固定式ヒーター付きリアウインドウをオーダーすることができるようになった。

 1年後には、この装備が標準装備となり、1993年までタルガの特徴のひとつとなった。

●タイプ930 911タルガ

 1973年の晩夏から製造された第2世代の911とタイプ901型のGシリーズのラインアップにも採用された。

 米国の新しい法律に合わせて、黒いベローズをサイドに配した新しいボックス型バンパー(5マイルバンバー)が採用され、このバンパーは、8km/hまでの衝撃をボディにダメージを与えることなく吸収することができた。

 技術的なタルガのルーフデザインに変更は加えられなかったが、外観は変更され、従来の耐久性に優れたブラッシュ仕上げのステンレススチール製タルガロールバーにブラックが追加された。

 1983年1月に「911 SCカブリオ」がラインナップに加わり、再びフルオープントップとなった後も、タルガは不変の存在となる。

●タイプ964 911タルガ

 1988年秋、ポルシェは初の全輪駆動「911カレラ4」を発表。911のクラシックなボディ形状を踏襲しながらも、その下にある部品の約85%は新たに設計された部品となった。

 そのおよそ1年後の1990年に後輪駆動の「911カレラ2」が登場し、クーペ、カブリオレ、タルガの3つのボディタイプを選ぶことができた。

 1993年まで製造された3世代に及ぶ911タルガには、クラシックなロールバーと取り外し可能なルーフが特徴となっている。

 この911の最初の3世代で合計8万7663台のタルガモデルが製造された。

■デザイン的に原点回帰した911タルガ

 第4世代となるタイプ993型の911は、1993年秋に新しいボディデザインで登場し、1995年11月から新しいタルガコンセプトが開発される。

●タイプ993 911タルガ

 911で初めてフロントウイングが広くなり、大幅にフラット化された。またリアウイングも幅が広くなり、リアに向かって直線的なルーフラインを描くようになった。

 エンジンとシャシの大幅な改良に加えて、993世代ではタルガのコンセプトはまったく異なるものになり、ロールバーが廃止された。

 ルーフは、フロントウインドウフレームからリアへと続く断熱ガラス製の着色ガラスとなった。電動式の分割されたルーフは、ボタンを押すだけでスムーズに開き、ワイドスライドルーフのようにリアウインドウの後ろに格納。

 この新しいソリューションの主な利点は、ルーフを閉じたときの風切り音の低減と、太陽の光をたっぷりと浴びられる室内環境の実現にあった。

 このテーパー状のリアウインドウは、その後のタルガに継承されていくことになる。

 993シリーズの新しいタルガのコンセプトは、クラシックなクーペのルーフラインを根本的に変えることなく、オープントップのドライビングプレジャーを911と初めて融合させることに成功した。

●タイプ996 911タルガ

 1997年にデザインを一新し、初めて水冷6気筒ボクサーエンジンを採用した第5世代のタイプ996型911が発表される。

 タルガは2001年12月からクーペ、カブリオレと同時に発売を開始。

 先代モデルと同様に、911タルガにも電動式ガラスルーフが採用され、ついにガラス表面積は1.5平方メートルを超えた。

 また、初めてアウインドウが開くようになり、最大230リッターの収納スペースを備えたリアストレージコンパートメントへのアクセスが容易になった。

●タイプ997 911タルガ4/4S

 2006年9月、タイプ997型911にタルガが導入。

 原則として、先代と同じタルガのルーフデザインを持ち、実用的なリアリッドが追加された。しかし、特殊ガラスを使用することで1.9kg軽量化され、ルーフの縁に沿った2本の高光沢ポリッシュアルミニウムストリップが特徴的だ。

 911タルガは、2種類の全輪駆動モデル(911タルガ4と911タルガ4S)のみのラインナップとなった。

●タイプ991 911タルガ

 2011年9月、911は7代目となるタイプ991にモデルチェンジ。

 クーペとカブリオレのボディバリエーションに続き、2014年1月に革新的なタルガルーフを備えた現代のクラシックカーとして、911タルガがラインナップに加わった。

 タイプ991のタルガでは、古典的なタルガのアイデアと最先端のルーフの利便性を初めて融合させることに成功。

 初代タルガと同様に、新型でもBピラーの代わりに特徴的なワイドバーを採用し、可動式のルーフセクションを設け、Cピラーのないラップアラウンド型のリアウインドウを採用した。

 また、従来のモデルとは異なり、新型タルガのルーフはボタンを押すだけで開閉することが可能となった。フルオートマチックのルーフシステムは、リアシートの後ろに見事にルーフセクションを隠す仕組みとなっていた。

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