2020年のトヨタ(ダイハツ、日野含む)の世界販売台数は950万台となり、VWグループの販売台数930万台を抑えて、世界一に返り咲いた。これだけの新車販売台数を実現する原動力となっているのは、営業力に加えてもちろん商品力がある。
現在日本国内市場はSUVが人気となっているが、トヨタはライズをはじめ、ヤリスクロス、C-HR、RAV4、ハリアー、ランドクルーザープラド、ランドクルーザーそしてピックアップトラックのハイラックスまで充実したラインナップを誇っている。
さらにプレミアムブランドのレクサスは最小サイズのUXをはじめ、NX、RX、LXを設定し、SUVのデパートといえるような品揃えとなっている。その一方で、価格帯こそ違うがボディサイズではトヨタブランドとレクサスブランドで車種がクロスオーバーしている。
もちろんトヨタよりもレクサスのSUVのほうが価格は高いが、これが中古車になると、どうなるのだろうか? ハリアーやRAV4などトヨタの超人気車のほうが、レクサスのSUVより高くなっているということもありえる。
そこで、今回はレクサスSUVとトヨタSUVの同じボディサイズで買取価格から中古車の価格帯はどれくらい違うのか、中古車事情に詳しい萩原文博氏が解説する。
文/萩原文博
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部 トヨタ
【画像ギャラリー】トヨタとレクサスのSUV スタイルや内装を比較! 中古車の価格差はいかに…?
レクサスLX/トヨタランドクルーザー200
ランドクルーザーの上級モデルに相当するレクサスLX
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現行のランドクルーザー(2007年~)
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新車の時に、レクサスのほうが欲しかったのだけれど高くて諦め、トヨタのSUVにした……という人も多いのではないだろうか。
今回、比較したのはプラットフォームが同一のレクサスLXとトヨタランドクルーザー、レクサスUXとトヨタC-HR。そして現行型のプラットフォームは異なるが、以前は同じモデルだった主力モデルのレクサスRXとトヨタハリアー。そしてほぼボディサイズが同じレクサスNXとトヨタRAV4という4車種で比較してみた。はたして、レクサスSUVのほうが中古になると高くなる逆転現象は起きるのだろうか?
まずは各ブランドのフラッグシップモデルとなるレクサスLXとトヨタランドクルーザーから比較してみよう。2015年に登場したレクサスLXは国産SUVのなかで唯一車両本体か価格が1000万円を超えるプレミアムSUVだ。
現在の車両本体価格は1135万6481円で、2列シート5人乗りと3列シート8人乗りを設定。搭載する5.7L、V8エンジンは最高出力377ps、最大トルク534Nmを発生するレクサスブランド最大排気量エンジンで、トランスミッションは8速ATが組み合わされる。
一方のランドクルーザーは販売開始が2007年とトヨタSUVで最も古い。車両本体価格はエントリーモデルであるGXの482万6800円~ZXの697万4000円とレクサスLXの約半額だ。搭載するエンジンは最高出力318ps、最大トルク460Nmを発生する4.6L、V8で、トランスミッションは6速ATが組み合わされている。
まずはレクサスLXとランドクルーザーの買取価格を比較してみる。3年落ちで今年車検を迎える2018年式ではレクサスLXが733万円。ランドクルーザーの最上級グレードZXが542万円。
そして2度目の車検サイクルとなる2016年式では、レクサスLXが677万円、ランドクルーザーは541万円だ。もちろん新車価格が異なるので、残価率を出してみると、レクサスLXは2018年式が約64.5%、2016年式は約59.6%となった。
レクサスLXコクピット。レクサスSUVの最高峰に相応しいクオリティを誇る。搭載されるエンジンは5.7L、V8エンジンで最高出力377ps/534Nmを発揮する
現行ランクル200、ZXのコクピット
一方のランドクルーザーの残価率は2018年式が約77.7%、そして2016年式が約77.5%となっている。残価率というのは人気の高いクルマほど高い数値となるので、レクサスLXでも十分高いが、ランドクルーザーは驚異的な数字であり、3年落ちと5年落ちの残価率がほぼ変わらないという結果となった。
それぞれの中古車の状況を見てみると、レクサスLXの中古車の流通台数は約92台で、平均価格は約945万円。そして価格帯は約768万~約1390万円。
一方のランドクルーザーは10年以上のロングセラーモデルだけに、流通台数は約154台。平均価格は約459万円で中古車の価格帯は約198万~約968万円と非常に幅が広く、新車価格を超えるカスタムカーも流通している。
レクサスRX/トヨタハリアー(旧型)
レクサスRX300
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国内専用車として販売された3代目ハリアー(2013~2020年)
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続いては両ブランドのSUVの主力モデルといえるレクサスRXとトヨタハリアーだ。
ハリアーは2020年にフルモデルチェンジを行い、TNGAを採用し、クーペスタイルのSUVへと進化しているが、まだ中古車市場の台数が少ないため旧型のデータとなる。
現行型レクサスRXは2015年に登場。2017年には3列シート仕様のRX450hLを搭載した。日本導入モデルは現行型で2代目だが、海外展開されているモデルは4代目となり、初代と2代目は日本ではハリアーとして販売されていた。
搭載されているパワートレインは450hが最高出力262ps、最大トルク335Nmを発生する3.5L、V6ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステム。
そしてRX300は最高出力238ps、最大トルク350Nmを発生する2L、直4ターボエンジンを採用。トランスミッションはハイブリッド車がCVT、2Lターボ車は6速ATで、車両本体価格は524万~796万円。
一方の旧型ハリアーは2013年~2020年に販売されていた先代(2代目ハリアー)まではレクサスRXと同じモデルだった。
しかし先代ハリアーは国内専売車として、レクサスRXとは全く別のクルマとなったが、スタイリッシュなデザインで人気が高く指名買いをする人が多いのが特徴。
RX300には2L、直4ターボエンジン(最高出力238ps/350Nm)を、RX450hLには3.5L、V6ガソリンエンジン+モーター(最高出力262ps/335Nm)を搭載
旧型ハリアーの質感の高いインテリア。エレガンス以上のグレードには本革シートをオプション設定。搭載されるエンジンは2L、直4エンジンと2.5Lエンジン+モーターのハイブリッド。2017年6月には2L、直4のターボ仕様を追加
搭載するパワートレインは2L、直4エンジンをはじめ、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドそして、2017年6月に行われたマイナーチェンジで追加された最高出力231ps、最大トルク350Nmを発生する2L、直4ターボの3種類。車両本体価格は300万4100円~504万5700円だった。
まず現在の買取価格だが、レクサスRXは450h Fスポーツ4WDの2018年式は約480万円、そして2016年式は約403万円だ。
一方のハリアーはハイブリッドのプログレスメタルアンドレザーパッケージで調べてみると、2018年式が約253万円、2016年式は約202万円(プレミアムアドバンスドパッケージ)だった。
残価率はレクサスRXの2018年式は約61.3%、2016年式は約51.5%。一方のハリアーは2018年式が約50.1%、2016年式は約44%となっている。
一見するとかなり開きがあるが、レクサスRXが現行型なのに対して、ハリアーはフルモデルチェンジを行い先代であることを考えるとこの差はもっと縮まるのは間違いない。
現行型レクサスRXの中古車の流通台数は約460台と豊富で、平均価格は約504万円。そして中古車の価格帯は約328万~約880万円となっている。
旧型ハリアーの中古車の流通台数は約3000台と非常に豊富で、平均価格は約259万円。中古車の価格は約148万~約485万円とフルモデルチェンジしてもあまり値落ちが進んでいない。これは人気が高いということを示している。
レクサスNX/トヨタRAV4
レクサスNXは2014年デビューと、現在のレクサスのなかでは息が長い
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2019年4月、5代目となって日本に戻ってきたRAV4。パワートレインは2L、直4ターボエンジンと2.5L、直4エンジン+モーターのハイブリッドの2種類を設定
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続いてはレクサスNXとRAV4だ。NXは2014年デビューと現在販売されているレクサスSUVのなか最もロングセラーとなっているモデルだ。
搭載されているパワートレインは、最高出力152ps、最大トルク206Nmを発生する2.5L、直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムと最高出力238ps、最大トルク350Nmを発生する2L、直4ターボエンジンの2種類。
トランスミッションはハイブリッド車がCVTで、ターボ車は6速ATが組み合わされる。車両本体価格は454万6000円~612万7000円となっている。
一方のRAV4はTNGAを採用して2019年4月に登場。直線的なデザインを採用しタフギア感を演出したデザインが特徴だ。
搭載するパワートレインは最高出力178ps、最大トルク221Nmを発生する2.5L、直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムと最高出力171ps、最大トルク207Nmを発生する2L、直4ガソリンエンジンの2種類。どちらも高い熱効率を誇るダイナミックフォースエンジンとなっている。
レクサスNXのパワートレインは2.5L、直4ガソリンエンジン+モーターのハイブリッド(最高出力152ps/206Nm)と2L、直4ターボエンジン(最高出力238ps/350Nm)
RAV4のパワートレインは最高出力178ps/221Nmを発生する2.5L、直4ガソリン+モーターのハイブリッドシステムと最高出力171ps/207Nmを発生する2L、直4ガソリンエンジンの2種類
組み合わされるトランスミッションは全車CVTで、車両本体価格は274万3000円~402万9000円となっている。さらにRAV4はPHVを追加し、車両本体価格469万~539万円で販売したが、現在は販売を中止するほどの人気となっている。
まず買取価格はレクサスNXが新車価格612万7000円の300h Fスポーツ4WDそしてRAV4は新車価格331万円のアドベンチャーだ。まだRAV4が新しいモデルなので、比較できるのは2019年式だけとなっているが、NX300h Fスポーツ4WDの買取価格が約395万円。
そしてRAV4アドベンチャーは約244万円となっている。これを残価率で見ると、NX300h Fスポーツ4WDは約64.5%。RAV4アドベンチャーは73.7%となっており、残価率でレクサスを上回った。
レクサスNXの中古車の流通台数は約740台と豊富で、平均価格は約373万円。中古車の価格帯は約229万~約749万円となっている。
一方のRAV4はすでに約630台の中古車が流通していて、平均価格は約333万円。価格帯は約230万~約498万円とレクサスNXとクロスオーバーしている。また現在新車がオーダーストップとなっているRAV4 PHVの中古車は流通していない。
レクサスUX/トヨタC-HR
レクサスUX。2020年10月には、レクサス初の電気自動車 UX300eが追加された
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C-HRは2019年10月にマイナーチェンジを実施
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最後はコンパクトSUVのレクサスUXとトヨタC-HRだ。レクサスUXは2018年11月に登場したレクサスSUVのなかで最小サイズのモデル、2020年10月に300eというBEVを設定している。
主力グレードに搭載されているパワートレインは2L、直4ガソリンエンジンと2Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。トランスミッションは全車CVTとなる。
一方のC-HRはTNGAを採用した第二弾モデルとして2016年12月に登場。クーペルックのSUVとしてその姿に合わせて走行性能にこだわったモデル。
搭載するパワートレインは1.2L、直4気筒ターボエンジンと1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。
マイナーチェンジで1.2Lターボに6速MT車が設定されている。レクサスUXとC-HRは搭載するパワートレインは異なるがプラットフォームが共通のまさに兄弟車。しかし新車価格はレクサスUXの397万3000円~635万円とC-HRは238万2000円~314万5000円と大きく差が開いている。
買取価格を比較するのは、新車価格486万8000円のUX250h Fスポーツと304万5000円のC-HR HV G。まず2019年式はUX250h Fスポーツが約381万円、C-HR HV Gは約197万円。2018年式ではレクサスUXが約378万円、C-HRは約168万円となっている。
パワートレインは2L、直4ガソリンエンジンと2Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド。EVモデル300eのWLTCモード航続距離は367km
2019年10月のマイチェンでインテリアの新カラーであるオーキッドブラウンを設定。スポーティ路線のC-HRでかなりオシャレな雰囲気を演出
これを残価率で表すとレクサスUXは2019年式が約78.2%、2018年式は約77.6%と高水準をキープし、人気車であることを表している。一方のC-HRの2019年式は約64.7%、そして2018年式は約55.1%と差が開いてしまっている。
レクサスUXの中古車の流通台数は約122台で、平均価格は約454万円。中古車の価格帯は約320万~約643万円と高値をキープしている。一方のC-HRは約2400台と流通台数は非常に豊富で、平均価格は約214万円。そして中古車の価格帯は約139万~約395万円となっている。
トヨタのプレミアムブランドとしてレクサスの新車価格は高価格となっているが、同じボディサイズのトヨタブランドのクルマと買取価格の残価率で比較するとランドクルーザーやRAV4はレクサスを上回る数値となっていることが今回わかった。ハリアーも評判の高い現行型はRXを上回る残価率になる可能性は高い。
したがってレクサスSUVとトヨタSUVの中古車の価格差は一部の車種では縮まっていることが明らかとなった。
C-HRのリアシート、狭さが気になる
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