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苦戦コラピント、気難しいアルピーヌF1マシンが”足かせ”に。シート喪失の噂も「心配していない。ただ努力するだけ」

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苦戦コラピント、気難しいアルピーヌF1マシンが”足かせ”に。シート喪失の噂も「心配していない。ただ努力するだけ」

 フランコ・コラピントは、アルピーヌF1での将来をめぐって様々な憶測が飛び交う中、2025年マシンA525に苦しみながらも、状況を打破できる結果を出すことを誓った。

 2025年シーズンに向けてアルピーヌは経験豊富なピエール・ガスリーに加えて、新人のジャック・ドゥーハンを起用したが、そのドゥーハンは開幕6戦のうちに何度もアクシデントに見舞われ、無得点という状況でマイアミGP後に任を解かれた。

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 そしてドゥーハンに代わってA525に飛び乗ったコラピントも、様々な理由から順応は上手くいっていない。まだ13位以上でフィニッシュしたことがなく、予選での最高位はカナダGPの12番手。チームメイトを上回ったのはこの時だけであり、ドゥーハン同様にマシンにはまだ慣れていない。A525の予測不可能なパフォーマンスと狭いスイートスポットが、適応を難しくしている。

 反抗的なA525のマシン特性は、アルピーヌのセカンドシートに限ったことではなく、エースのガスリーも嘆いていること。プレシーズンテストでは、アルピーヌ本来のペースが期待できそうな場面もあったが、それを引き出すのは別問題だった。

 パワーユニット面で後れをとっているだけでなく、ザウバーやアストンマーティン、ハースがシーズン中に改善を見せたことで、アルピーヌは劣勢に立たされている。チームにとってはイギリスGPでガスリーが予選Q3に進出したことが、大きな驚きだった。

「マシンは明らかにトリッキーで、ミスを犯しやすい」とガスリーは言う。

「予選ではマシンから多くを引き出すことができたと思う。もちろん、ドライビングは難しいし、簡単なことじゃない。限界ギリギリまで攻めている」

「全体的に、僕らは滑りまくっている。新品タイヤでは、時々適切なパフォーマンスを引き出すことができる。でも最終的にレースでは、デグラデーション(性能劣化)が進んだり、温かいコンディションになったりして、ずっと競争力を発揮できるようなモノじゃない」

 ガスリーは経験値を活かして結果を残すことができているが、コラピントはチームメイト以上に浮き沈みが激しく、マシンに上手く適応できずにいる。予選までにガスリーに接近するには多くの課題が残されている。

 コラピントは特にカナダGPでは進歩が見られたが、イギリスGPの予選では早々にミスを犯し、明確なステップアップを確かめる機会を逃した。

「どうすれば金曜日にパフォーマンスを発揮できるのかを理解する必要がある。そうでないと、金曜日から土曜日にかけて多くのタイムを削っていかなければならないからね」

 イギリスGPの週末を前にコラピントはそう語っていた。

「マシンをもう少し予測しやすくする必要がある。自分たちの弱点は分かっている。スイートスポットに入っている時のマシンは速い。スイートスポットから外れると、すぐにドライブが難しくなる」

「ピエールも同じように問題を抱えている。しかしもちろん、4年もマシンをドライブしていれば、どこが限界なのかを理解するのかとても簡単だと思う」

「マシンをもっと予想しやすく、僕らにとってもう少し運転しやすくするために、力を合わせる必要がある。暖かくなりすぎると、マシンはよりトリッキーで不安定になり、リヤタイヤを使いすぎてしまう。結局、雪だるま式に悪い方向へ向かってしまうコンボだと思う」

 アルゼンチンでの報道によると、コラピントは2025年シーズン末までアルピーヌのレギュラーシートに留まると言われているが、これは的外れ。1戦ごとに決定が下される。

 事実上アルピーヌF1を率いるフラビオ・ブリアトーレは、コラピントがより高いパフォーマンスを示す必要があると示す一方で、A525の扱いが難しいこと、チームが2026年シーズンに集中していること、母国アルゼンチンからスポンサーを持ってきていることで、多少の猶予が生まれた。

 アルピーヌはリザーブドライバーのポール・アーロンを起用するなど、ドライバー交代を続けることもできるが、まず新しいドライバーを投入する前に、マシンのパフォーマンスとドライバビリティを修正することを最優先しなければならない。チームは今、コンストラクターズランキング最下位だ。

 コラピントはイギリスGP予選でミスを犯した後、自身のポジションについてしつこく質問を受けた。しかし動じる様子はなかった。

「あまり心配していない」とコラピントは言う。

「もちろん、常にそういう話はある。僕はただ働き続け、マシンを改善するためにチームを助ける必要がある」

 ただアルピーヌは早い段階から、レギュレーションが大きく変わる2026年シーズンのマシン開発に完全集中することを選択したことで、2025年シーズンの状況が根本的に変わる見込みは限られている。

「これは今年の我々の総合的な判断と一致している」

 そう語るのはアルピーヌでテクニカルディレクターを務めるデビッド・サンチェスだ。

「我々は2026年に大きなチャンスがあることを知っている。今シーズンの我々は、他のチームのように深くプッシュすることはなかったかもしれない。しかし来季のマシンがどのように進化していくのか、そしてハイスピードで進歩していくことを考えると、我々はこの選択に満足している」

 そしてガスリーは次のように付け加えた。

「今年の初めから、僕らが2026年に集中したい理由は分かっていた。チームがそうするという判断を僕は全面的に支持するよ。他チームほどマシンの開発が進まなかったこともあり、今年は少し後手にまわってしまった。来年はもっと良い結果になることを期待している」

 サンパウロGPで夢のダブル表彰台を掴んだ2024年シーズンをリピートすることが難しい理由もそこにある。

 チームが今年のコンストラクターズランキング最下位から這い上がることを諦めているのかと尋ねられたガスリーは次のように答えた。

「現実的に見て、僕らが最下位争いをすることになるのか? 答えはイエスだ。ノーという人も言えば、同意してくれる人もいるだろう。昨年は終盤戦のずっと前にみんなから見限られたけど、なんとか逆転できた。僕の正直な意見を言うなら、今年は少し状況が異なる」

 ガスリーはイギリスGPの予選でQ3に進出しチャンスを得た。しかしコランピントが同じようなポジションにたどり着くためには、まだやるべきことが沢山あると本人も認識している。

「マシンの経験を積むことで、自分が何を望んでいるのか、週末にパフォーマンスを最大化する方法を正確に理解できるようになると思う。僕ができていないのは、純粋にマシンを知らないからだと思う」とコラピントは言う。

「(ウイリアムズからF1を走った)去年の方が楽だったかもしれない。今年は全てのレースで自信が持てず、不安定で、ナーバスで、マシンが上手く繋がっていないような気がして、週末序盤に必要な自信が持てないんだ」

「少しずつだけど、パフォーマンスは上がってきている。僕が望むほど早くはないけど、問題に対する解決策は出てきているし、それを見つけられている。僕にとっては、それがいちばん大事なことだ」

文:motorsport.com 日本版 Filip Cleeren
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みんなのコメント

5件
  • nor********
    アルゼンチンでは
    「ガスリーの方が速いのはガスリー専用マシンだからだ!」
    「ヨーロッパ人ではないから人種差別されてるんだ!」
    「こんなことならウイリアムズにいた方が良かった!」
    「ウイリアムズのアルボンとサインツが速いのは、去年コラピントがマシン開発したからだ!」
    とか言われてるのかもしれないね。
  • whn********
    デ・フリーズもそうだったけど、ウィリアムズでは印象的な走りをしてチャンスを掴んでいるのに、なぜか他チームのマシンに乗るとやたらと遅い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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