3万円のSUPでも結構楽しい夏になった!
近年、世界中で爆発的な人気を誇るウォーターアクティビティSUP(スタンドアップパドルボード)。クルージングはもちろん、釣りやヨガなどが自由に楽しめて、初心者でも簡単に始めることができるおすすめのアクティビティだ。
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ウォータアクティビティが好きな私がSUPを買った理由
子どものころからウォーターアクティビティが好きな筆者は、カヌーも何度か体験していて、いつか自分のカヌーを愛車に積んで、水上で優雅な時間を過ごすのが密かな夢だった。しかし、アラフォーになった今、現実はというと都心のマンション暮らし、愛車は徒歩10分離れた月極駐車場というアウトドア好きには不便な暮らし。
そこで、数年前から気になっていたのが、イベントで試乗させてもらったSUPだ。インフレータブル(空気を入れて膨らませるタイプ)なら運搬や保管スペースへの影響が少なく、夢を実現できそうだと妄想は膨らむ。でも「いったいどこでできるの?」「年間何回行く?」「飽きないか?」という不安で頭がグルグルして、なかなか購入に踏み切れなかったのだが、たまたま通販サイトで評判の良さそうなSUPを見つけた。
しかも意外と安い! 調べてみると似たようなモノがたくさん出ている。そのなかですぐに入手可能で、最安値クラスのSUPを「失敗してもいいや、体験できれば……」という軽い気持ちで買ったのが2020年の春。購入金額は約3万円だ。
果たして3万円のSUPは使えるのだろうか?
結果からいうと筆者が選んだ中華製ブランドのSUPは、値段のわりに良いアイテムだと思っている。10万円以上の有名ブランドのSUPも試乗したことがあるが、筆者のような初心者には価格ほどの違いは感じることなく、1年間(10回程度)使ってみた結果、とくに問題と思う部分はない。それよりも海や湖、川で自由に水の上をクルージングできる気持ち良さにすっかりハマってしまった。
購入したのは10.6フィートのモデル。販売ページには最大積載重量130kg、ボード重量は9kgと記載されていた。一応、ヨガ用SUPほど大きくなく、クルージングに必要な安定感と重過ぎず、軽過ぎない=耐久性もそこそこで運搬もラクなのでは? という予想でチョイス。
付属品はボード本体のほかに、取り外し可能なセンターフィン、アルミ製のパドル、リーシュコード、手動ポンプ、補修キット、バックパックタイプの収納袋という構成でひと通り必要なモノが揃っている。 収納時は高さ95cm、幅44cm、厚さ32cm程度で、我が家のような都心の狭小マンションではやや邪魔だが、スーツケースと同じぐらいだと考えれば、保管できないほどの大きさではない。
同時購入したモノはライフジャケットと防水スマホケースだけ
このほかに筆者が用意したのはライフジャケットとスマホを入れておく防水ケースのみ。水着やウォーターシューズは元々持っていたものを使っている。片付ける前に真水で洗えるよう、ウォータータンクに水を入れて持っていくと便利だ。
また、熱中症を予防するという意味でソフトフラスクに飲料水を入れるようにしている。真夏以外はウエットスーツが必要になるが、超寒がりの筆者は水温が低い季節にSUPをする気にならないので、夏限定で楽しむことにしている。 SUPを膨らますには手動のポンプでも十分なのだが、友達にクルマの12V電源で動く電動ポンプを借りたら、すごくラクで衝撃的だった。「これがあれば、もっと気軽に行けるのでは?」と思い、今年になって追加購入(価格は約7000円程度)した。頻繁に行く人や、家族で楽しむために複数所有している人は買った方が幸せだと思う。
初心者でも安全・安心に遊ぶために必要なこととは?
まずチャレンジしたのが人造湖と湖。海のように波がないので風さえなければ練習にピッタリ。すぐに立つことができて湖上散歩を楽しむことができたし、ほかにSUPやカヌーをしている人と挨拶を交わしながら、立ち位置やパドリングのコツなどを掴むことができた。
湖は暖かい季節でも水温が低いことがあるので、遠くに流されてしまった上に「沈」(落ちる)すると危険。夏でもウエットスーツがあったほうが良いケースもある。ちなみにこの写真は自分のSUPと比較するために同じような価格帯の激安SUPを試乗したときのものだ。 とくに人造湖は初心者におすすめ。波がないし出艇しやすい造りになっている場所も多い。ただし、場所によってはSUP禁止のところや申請が必要なところもある(人造湖に限ったことではないが)ので下調べが重要だ。
海でもデビュー! 海水浴とは違う海の魅力を満喫
次に波と風が少ない日を狙って海にも行ってみた。波があるのでバランスをとるのが難しいが、透明度の高いポイントを選んだので、とにかく気分は最高! 沈を覚悟の上で、クイックなターンを試してみたり、ヨガでいつもやっているヘッドスタンドにチャレンジ(ヨガ歴5年程度だが海上でやるのは難しい)して海に飛び込んだりと、海水浴とは違った海の魅力を発見。 しかし、離岸流に乗ってしまうとあっという間に流されてしまうし、陸から沖に向かって風が吹いていると気づいたらだいぶ沖に出てしまった……なんてこともありえる。
私は初心者なので、風と波情報を十分に確認し安全な日にしかやらないし、陸からあまり離れないように注意している。とはいえ、元々マリンスポーツに憧れていた筆者はSEA SUPにすっかりハマってしまった。
愛犬との「のんびり」クルージングは至高の癒やし
川で遊ぶRIVER SUPも醍醐味のひとつ。筆者は水流がほとんどないポイントでしかやったことはないが、やはり少しでも流れがあるとコントロールが難しく、テクニックを磨く必要があると感じた。また、水位が低いと岩にヒットさせてしまうのでパンクのリスクもあるし、転倒して怪我をする可能性もあるということを実感。 仲間の上級者はSUPでダウンリバーをしていたが、とても危険なので、相当な練習を積んでSUPを自由にコントロールできるテクニックと、危険を回避できる能力を身につけないと絶対にチャレンジしてはならないと感じた。もちろんヘルメットやプロテクターの装備が必要だろう。ちなみに、川下りをしているのはインストラクター資格を持つ上級者だ。
つい先日、人工ビーチに出かけて犬を乗せたDog SUPにもチャレンジしてみた。じつはSUP購入に踏み切ったのには、犬を飼い始めたからというのも理由のひとつ。愛犬と一緒に水上をのんびり散歩するのは、とても癒される。普段とは異なる景色に我が愛犬も嬉しそうだった。 SUPの魅力は、誰でもすぐに楽しめるし、長い間練習を積まなくてもとりあえずクルージングすることができること。本人のスキルとコンディション次第だが、湖や海、川などのSUPが禁止されている場所以外ならやろうと思えばどこでもできる。気軽に水上で優雅な時間を過ごすにはピッタリだ。
ただし、つねに危険を伴うアクティビティであることは忘れてはならない。どんな場所・季節であってもライフジャケットを着用することはもちろん、無理をせずに安全優先で楽しんでほしい。
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