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開発ストーリーダイジェスト:トヨタ・グランエース

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開発ストーリーダイジェスト:トヨタ・グランエース

VIPのための送迎車として、すでに「アルファード」と「ヴェルファイア」が多くの支持を集めているにも関わらず、トヨタが新たに「グランエース」を送り込むと聞いて驚いた人もいるだろう。そんなニューカマーの開発にはどのような苦労があったのだろうか?REPORT:ニューモデル速報編集部

 グランエースは、海外向けのハイエース(300系)のバリエーションの一つであり、VIP送迎用の高級ワゴンとして開発された。しかし、ここ日本ではアルファードとヴェルファイアがすでにその地位を確固たるものとしている。

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 一見すると、市場を食い合ってしまう関係に思えるが、開発陣の一人は「人数や荷物が増えた場合、アルファードとヴェルファイアでは対応が難しい。多人数で移動するとなると、トヨタには10人乗りのハイエースグランドキャビンしかなかったが、グランエースは人も荷物も乗せた上で快適に移動できる。こんなクルマは他にはありません」と語る。

 そんなグランエースだが、ベースとなる300系ハイエースは07年から開発がスタートした。チーフエンジニアを務めた石川拓生によると、排ガス規制や燃費基準などに適応させるために常に企画自体は頭にあったが、他のクルマのようにコアとなる地域がなかったことや道路が狭い地域での操作性や燃料事情の悪い国では新しいGD型エンジンが使えないといった様々な事情から、なかなか企画がまとまらなかったという。しかし、200系のハイエースを併売することで解決された。

 そうして300系ハイエースの開発が進む中で、ようやくグランエースの商品企画が具体的に固まったのは2014年だった。海外でもアルファードとヴェルファイアは販売されていたが、価格が非常に高価で、現地ではハイエースを改造して送迎用ワゴンとして用いられていた。しかし、それらの改造車はシートやベルトなど安全面での問題が多く、そういった事情がグランエース開発のきっかけになった。

 ちなみに、300系ハイエースは人が乗ることを前提に乗り心地や静粛性を初期段階から考慮して設計されていたのだが、ラダーフレームを採用する競合車を前提に定めた開発目標を、200系から踏襲するモノコック構造で達成する点に苦労したという。そしてグランエースでは、さらに上のレベルの快適性を目指すのだ。ハイエース基準の信頼性や耐久性を持たせた上で、どう快適性をつくり上げていくかが課題だったという。

 快適性は突き詰めればキリがないため、開発陣はストップ&ゴーや山道の多い日本の交通環境に合わせて、フラットに安定した姿勢となるようにリヤに専用ショックアブソーバーを与えたほか、走行中に生じるディーゼルエンジンの音の遮音することで“長時間疲れない音”を追求。100km/h巡航時でも後ろ4席で声を張らずに会話できるレベルの会話明瞭度を実現したという。

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