メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウォルフは、2026年にパワーユニット(PU)をアルピーヌF1チームに供給する可能性については、オープンマインドでいると述べた。
アルピーヌの親会社であるルノーは、自社によるF1エンジン開発プログラムを断念し、マクラーレンやウイリアムズのようなメルセデスのカスタマーモデルへの移行を検討していると報じられている。2014年にハイブリッド時代が到来して以来、ルノーがF1エンジンのレギュレーションに苦戦してきたことは間違いない。パワーユニットは常に競合他社に後れを取っており、2019年には顧客だったレッドブルがホンダのPUを使用するようになった。
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2026年には新しいエンジンレギュレーションが施行されることになっており、ビリー-シャティヨンのエンジン部門が次世代PUに取り組んでいるにもかかわらず、アルピーヌはカスタマーの立場でいた方がはるかに少ない設備投資で成功の可能性が高まると考えているのかもしれない。
F1第12戦イギリスGPの金曜日に行われたFIAのチーム代表記者会見で、ウォルフはアルピーヌにメルセデスのエンジンを供給する可能性について言及した。それは、2026年からホンダのエンジンに切り替えるアストンマーティンとの現在のパートナーシップに取って代わるものになるだろう。
「複雑な状況だと思う。というのも、今わかっていることから、アストンマーティンを別のチームに置き換えるという考えを気に入っているからだ」とウォルフは説明した。
「パワーユニットが多ければ多いほど、開発や信頼性が加速されるという点で、我々は優れた組織として成り立っていると考えている。それが今の状況だ」
「意見を交換したり、予備的な議論をしたりするという線は超えていなかったと思う。アルピーヌは、F1エンジンプログラムを継続したいのか否か、決断を下すだろうと私は考えている。そして、彼らがその戦略的決断を下した場合にのみ、我々は契約を進めるだろう。だが我々はオープンマインドでいるし、そのように彼らに伝えてきた」
マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンは、メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)がアルピーヌに製品を供給することで、同社のエンジン開発が加速するのであれば、異論はないと考えている。
「我々の立場からすると、HPPにとってよいことは、マクラーレンにとってもよいことだ」とブラウンは語った。
「彼らはともに仕事をする上で素晴らしいパートナーだ。したがって、それにより彼らのパワーユニットの提案に価値が付加されるのであれば、我々は全面的に賛成だ。そして、決定のスケジュールに関しては、どのような決定であろうが、下されるのが早いほど十分な準備期間を取れるようになるだろう」
「彼らはおそらくサマーブレイク前の決断を望むものと想像している。パワーユニットとその動きについて学ぶためのリードタイムを、できるだけ多く取るようにするためだ」
ウイリアムズのチーム代表であるジェームズ・ボウルズは、ブラウンと同じ考えを持っていたが、月が経つごとに短くなっていくアルピーヌのリードタイムの重要性を強調した。
「ザクとトトは雄弁に語ったと思う」とボウルズはコメントした。
「出回っているエンジンが多ければ多いほど、より多くの学びが得られる。今シーズンにおいて、それは間違いないことだ。しかし、私にはマクラーレンとメルセデスの立場がわからないと言っても過言ではないと思う」
「また、我々からすると、2026年のコンセプトを正しく理解するために、すでに何カ月も前からHPPと取り組みを行ってきた。つまり何をするにしても、他の3チームより6カ月から12カ月遅れることになる。これは大局的に見てかなり不利だ。達成不可能というわけではないが、妥協する部分もでてくるだろう。2026年の態勢を整えるには、膨大な作業がある。そして、レイアウトに関する最も小さな決定事項が、実際には非常に大きな影響を及ぼす可能性がある」
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