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【気になる輸入車(5)】走り好きの心を揺さぶるD/E/Fセグメント最新動向2024「セダンは踊るよいつまでも」

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【気になる輸入車(5)】走り好きの心を揺さぶるD/E/Fセグメント最新動向2024「セダンは踊るよいつまでも」

セダンをはじめとするグローバルスタンダードとして、常に注目を浴びているD/E/Fセグメントにスポットを当てる。「今」の時代を象徴する新機軸が誕生し続けてきたカテゴリーだけに、それぞれのメーカーごとの個性もまた、際立っている。(Motor Magazine2024年2月号より)

気筒数も排気量も関係ない、今の時代を象徴するAMG群
ようやくコロナ禍の呪縛から逃れることが出来るようになり、供給体制の混乱も徐々に落ち着きを取り戻すようになった2023年の自動車業界。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

それでも、人気を博すモデルのパワーユニットはグローバルで決定打がまだ見つからない状況。すなわち一気にBEVへと突っ走るメーカー、改めてハイブリッドシステムを見直すメーカー、さらにはこれが最後のチャンスとばかり純エンジン搭載のハイパフォーマンスモデルを提案するメーカー等々とその「中身」は種々雑多なユニットが混在している状態だ。

さらに、同じメーカー内でもモデルによって採用アイテムが様々であることが、今が黎明期真っただ中であることを印象付ける。たとえば由緒ある「63」の記号が冠された、2023年に上陸したばかりのメルセデスAMGの作品も、その内実は大いにややこしい。

プラグインハイブリッドという、いかにも時代の要請に応えたことが分かりやすく表現されたメカニズムで武装する「SEパフォーマンス」は、システムに組み合わせるエンジンとして伝統的なV8デザインを採用。それは、古くからのAMGファンを納得させるに十分なストーリー性を備えたと紹介できるアイテムだ。

ところが、やはり上陸したての「C63 S Eパフォーマンス」になると、名称上はあたかも前出モデルと血縁関係に富んだ心臓を彷彿とさせながら、実はまったく異なるユニットを搭載するのだ。

やはりプラグイン方式に対応をしたこちらのハイブリッドシステムに組み込まれたエンジンは、「AMGならではのワンマン/ワンエンジン主義に則った初の縦置き4気筒ユニット」と紹介される2Lのターボ付き。

ただし、その軸に一体化された厚さ4cmの電気モーターが予めホイールを加速させることで、その後の排出ガスエネルギーを用いた強力なターボチャージングへとシームレスにバトンタッチさせるという、これまで例のなかった「新兵器」だ。

リアアクスルに搭載するピーク出力150kW のモーターも含めた結果として得られるシステム最高出力と最大トルクは、実に500kW(680ps)と1020Nm という怒涛の数値。すなわち、アウトプットに注目する限りこちらはもはや「気筒数も排気量も関係ない!」とばかり既成のヒエラルキーをぶち壊す、いかにも今という時代を象徴する新しい概念による内容の持ち主なのである。

世界一のスピードで電動化の覇権を目指すアルファロメオ
一方、「2027年にはすべてのモデルをBEV化」と、巨大ステランティスグループの中での電動化急先鋒であることを表明するのが、イタリア生まれのアルファロメオだ。ただし2023年末現在では、ブランニューモデルであるトナーレにマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッド仕様を用意する程度にとどまっている。

「世界一のスピードで電動化を目指す」というCEOのコメントも聞かれはするものの、率直なところ現状は「お手並み拝見」という状態になっている。

2023年のこのブランドは、あえて今の時代に再度セダンの存在感をアピールするかのごとく、スポーツセダンである「ジュリア」の「トライローブ」と呼ぶ特徴的なフロントグリルやテールランプ部分のデザインにリファインを施して再度のローンチ。

インテリアでも、フル液晶メーターや12.3インチのデジタルクラスターメーターを新採用するなど、インフォテインメント系をさらに充実させ商品力アップを図っている。

2023年11月には、トップモデル クアドリフォリオに改良版が登場した。通常モデル同様、内外装のアップデートが行われたほか、クアドリフォリオとして初めて「メカニカル・リミテッド・スリップ・ディファレンシャル」を搭載。これによりコーナリング時の左右後輪の回転速度の制御を実現している。

BMWは大型セダンの電動化を進めていく
一方、搭載する全エンジンにマイルドハイブリッド機構をアドオンした上でBEVバージョンも新設という戦略がいかにも今という時代を感じさせるのが、約7年ぶりのフルモデルチェンジによって8代目となったBMW5シリーズ。

ただし、日本導入モデルに搭載されるエンジンはガソリンもディーゼルもターボ付きの2L直4ユニットのみに限られ、仕向け地によってはまだ設定される伝統の直6ユニットが除外されているのは何とも残念である。

BMWといえば、2022年に登場し、見た目のコンセプトも大変貌を遂げて話題となった新しい7シリーズのBEV、すなわち「i7」シリーズに、後2輪駆動モデルと「Mハイパフォーマンスモデル」が追加設定されたことも2023年のニュース。

前者「eDrive50」は、最高出力455ps/最大トルク650Nm。さらに0→100km/h加速タイムは5.5秒を達成。続いて後者「M70 xDrive50」は前輪に最高出力258ps、後輪に489psを発揮するモーターを搭載し、システムトータルでの最高出力が659psに達し0→100km/h加速はわずかに3.7秒でクリアする。

プレミアムブランドの作品らしく駆動用バッテリーの総エネルギー量はともに105.7kWhという大容量を誇っており、Mの名に相応しい高性能ラグジュアリーが誕生した。(文: 河村康彦)

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