輸入車 [2022.09.05 UP]
アウディ特集/人気のSUVから注目のBEVまで[これがAUDI流]
写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年10月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年8月調べ。
MERCEDES-EQ EQB【グーワールド コラム/ニューモデル】
世界中の自動車メーカーが、向かうべく方向性を悩みながら前進するという激動の時代。「技術による先進」を社是とするアウディは、その迷いがないように見える。最新モデルのラインアップを見れば、思わず納得!アウディはクルマづくりにおいて何を考え、どこを目指しているのか?今号は「これがAUDI流」と題して、その真意に迫りたいと思う。
Q5シリーズを見ればアウディのSUV人気の秘密がわかる![AUDI NEW MODEL|part.1]
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
アウディの今を語るうえで欠かせないのが、オールラインアップで展開しているSUVシリーズだ。コンパクトな「Q2」から大型の「Q7」や「Q8」まで
豊富なバリエーションから選ぶことができる。まずは中心となる「Q5」からチェックしてみよう。
豊富な選択肢があるQ5シリーズ
1982年の3代目「アウディ100」で、当時としては驚異的なCd値(空気抵抗係数0・30)を実現したエアロダイナミクス技術。オールアルミボディの初代「A8」を1994年に送り出したアルミ技術。1976年登場の2代目「アウディ100」に初採用し、他メーカーから消滅しつつも、アウディのみが唯一続けている5気筒エンジン。
アウディといえば多くの人は「モダンなデザイン」とか「上質感」、「都会的な雰囲気」が“らしさ”と感じるかもしれない。しかし歴史を紐解くと、こだわりの技術とともに歩んできたことがよくわかる。ライバルと競い合うのではなく、自分たちの理想に向かって突き進んでいくのがアウディのクルマづくりなのだ。
冒頭に掲げたアウディの歴史を語るうえで欠かせない3つのテクノロジーも、ライバルに差をつけるというよりは、よりよいクルマをつくるためのエンジニアリングを端的に表すものにほかならない。
しかし、アウディを代表するテクノロジーとして、最もユーザー、そして世の中に知られているのは「クワトロ」ではないだろうか。イタリア語で「4」を示す言葉だが、クルマに使われる場合はアウディの4WDシステムを意味する。
そのルーツは、1980年に発売されたクーペの「クワトロ」だ。世界ラリー選手権へ参戦することを前提に開発され、同車に投入されたアウディらしい技術こそが4WDだった。当時4WDは「重くなるだけで速さには結びつかない。舗装路には無用のメカニズム」と思われていた。しかしクワトロはラリーで大活躍し、4WDの力を世に知らしめたのだ。同じドイツのBMWやメルセデス・ベンツが4WDを積極採用するのはここ最近の話だが、アウディはその30年以上前から4WDの潜在能力に気がついていたのだ。
ところで、アウディの今を改めて俯瞰してみると、大きなトピックが「SUVラインアップの充実」だろう。世界的にSUVはどんどん増えていて、アウディの車種展開も同様だ。その主力となっているのが「Q5シリーズ」である。
Q5シリーズはミドルクラスで、セダンでいえばDセグメントの「A4」に近い存在。魅力のひとつはバリエーションの豊富さで、ボディは通常タイプに加えて「スポーツバック」と呼ぶ軽快な雰囲気のクーペタイプを選べる。エンジンは「Q5」に4気筒ディーゼルを搭載するほか、高性能仕様の「SQ5」には354馬力のV6ガソリンターボを積むのだからスポーティ派も納得。中古車も視野に入れるのであれば、4気筒のガソリンターボエンジンも選択可能。好みに応じて選ぶことができる。
SQ5はもちろん、Q5は走りも骨太。ディーゼルエンジンは低回転域の力強さはもちろん、滑らかさや高回転の躍動感でも納得のドライバビリティをもたらしてくれる。駆動方式は全車とも4WDの“クワトロ”で、ライバルに差をつける。
PROFILE 自動車ジャーナリスト 工藤貴宏
SUVとスポーツカーを所有し、走りから使い勝手、バイヤーズガイドまでユーザー目線でクルマの本質に切り込む自動車ジャーナリスト。
[アウディ Q5 スポーツバック]乗るほどに実感できるアウディの質の高さ
特筆すべきはトータル性能の高さ。大きすぎないボディに高い居住性、そして後席リクライニングやシートスライドといったライバルにはない実用機能の搭載もさすがだ。そして、走りの安定感と楽しさも見事。自慢のクワトロ4WDが路面に吸い付くような安定性とハンドリングの楽しさを併せ持つ。
電子式シフトレバーを組み合わせた幅広センターコンソールや全面ディスプレイ式で地図を大きく表示できるメーターなど、コックピット環境はアウディの王道的な作りだ。
Q5「40TDI」に搭載するユニットは、アイドリング時こそディーゼルを感じさせるが走り始めれば完成度の高さに驚く。滑らかかつ回転が高まるにつれて盛り上がりもあり、気持ちよさも一流。
アウディ Q5 スポーツバック 40 TDI クワトロ Sライン(7速AT ・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4685×1900×1660mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1920kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:204ps/3800-4200rpm ●最大トルク:40.8kgm/1750-3250rpm ●新車価格:802万円(Q5 スポーツバック 40 TDI クワトロ Sライン)
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[アウディ Q5]ラゲッジルームのゆとりが魅力
「Q5スポーツバック」に比べて「Q5」のアドバンテージと感じるのがラゲッジルーム。床面積自体は変わらないが、空間上部が広く、キャンプへ出かけるシーンなどで荷物を上まで積み上げる状況で差がつくのだ。頭上も含め、後席居住性はスポーツバックでも十分な水準。
アウディ Q5 40 TDI クワトロ アドバンスド(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4680×1900×1665mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1910kg ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:204ps/3800-4200rpm ●最大トルク:40.8kgm/1750-3250rpm ●新車価格:707万円(Q5 40 TDI クワトロ アドバンスド)
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[アウディ SQ5]SUVの姿をしたスポーツカーといえる
モデル名に「S」とつくのはスポーツモデルで、「SQ5」は“動力性能と運動性能を高めたQ5”といえる存在だ。エンジンは単にパワフルなだけでなく音や高回転の盛り上がりもドライビングプレジャーを高揚させる味付けが施されている。運転をとことん楽しみたい人向けだ。
アウディ SQ5(8速AT) ●全長×全幅×全高:4685×1900×1635mm ●ホイールベース:2825mm ●車両重量:1920kg ●エンジン:V6DOHCターボ ●排気量:2994cc ●最高出力:354ps/5400-6400rpm ●最大トルク:51kgm/1370-4500rpm ●新車価格:951万円(SQ5)
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コンパクトからフルサイズまで、隙なしのラインアップ[AUDI NEW MODEL|part.2]
ライバルにはない選択肢でニーズを満たす
世界的なブームを受け、アウディが専用ボディを持つ初のSUVを市販したのは2006年。最初のモデルは全長5mを超えるフルサイズの「Q7」だった。
その後2008年に「Q5」、2011年には「Q3」、そして2016年に「Q2」、2019年には「Q8」を追加してラインアップを拡充。数字はボディサイズを表しているので数字が小さいほど車体もコンパクトで、数字が大きくなるほど車体もサイズアップしていく。ただし、Q8だけはそのセオリーから外れてQ7よりも車体が小さい。Q8はQ7と基本設計を共用しつつ、クーペを融合させたスタイルの上位モデルとなっている。
そんなアウディのSUVラインアップを見て感じるのは「隙なし」だ。たとえばQ2は欧州の分類でいうと“Bセグメント”に相当し、日本車でいうと「トヨタ・ヤリスクロス」と同程度。しかしながら、同じドイツのプレミアムブランドを見るとメルセデス・ベンツやBMWの最もコンパクトなモデルはひとクラス上の“Cセグメント相当”だから、アウディでいえばQ3となる。ジャーマンプレミアムブランドでBセグメントSUVを選べるのは、アウディだけなのだ。日本では駐車場事情などから車体の小さなプレミアムカーのニーズが根強い。アウディはそこに対応できるブランドなのだ。
ひとクラス上のQ3はメルセデス・ベンツでいえば「GLA」や「GLB」、BMWでは「X1」が相当する。ボディは標準タイプと「スポーツバック」と呼ぶクーペタイプが選べるが、後者でも実用性は十分。加えて「RS Q3」という過激なスポーツモデルが用意されているのも魅力だ。伝統の5気筒エンジンは高回転でパワーが炸裂する盛り上がりがなんとも刺激的で、運転しているとSUVであることを忘れてしまうほど。SUVの皮をかぶったリアルスポーツカーである。
そしてQ5よりもさらに大きなボディのQ7やQ8は、ゆとりあふれる室内スペースが魅力。全幅約2mゆえに日本で乗るには覚悟が必要なのは否定しないが、それに代えがたい魅力があるのもまた事実である。
ところで、注目したいのは駆動レイアウトである。Q2は高性能仕様の「SQ2」を除きFFで、Q3に関しては4WDとFFモデルが用意されるが、Q5以上は全車4WDの「クワトロ」を採用している。アウディが40年以上前からこだわった独自技術がSUVにも……むしろSUVだから生かされているのだ。
それらのドライブ系レイアウトはエンジンを縦置きに積む4WDとなっていて、路面や走行状態に応じて前後トルク配分を綿密に制御することはよく知られている。雪道など滑りやすい路面では基本的に走行安定性を重視し前後駆動力配分となるのだが、ドライバーが積極的にアクセルを踏んでクルマのコントロールを楽しんでいるとクルマが判断すると、後輪へ多くのトルクが送られる制御となっている。そのため、腕のあるドライバーならアクセルを踏み込みながらクルマを曲げていくことができるのだ。SUVながらそんなポテンシャルを備えているのも、アウディらしいクルマ作りと言える。
[アウディ Q2]ジャーマンプレミアム唯一のBセグSUV
メルセデス・ベンツやBMWにはないコンパクトサイズのSUV。サイズこそ小さいが、クオリティや先進性にはアウディらしさが凝縮されているから「小さなプレミアムSUVが欲しい」という人にはうってつけの選択肢だ。日本向けモデルの駆動方式はFFだが、「SQ2」は4WD。
コンパクトモデルながらも、アウディらしくオーディオ&ナビのコントローラーをセンターコンソールにレイアウトする。
後席を起こした状態での荷室奥行きは700mmほど。床は上下2段調整式で、後席を倒す際は上段にすると段差が生じないから実用的だ。
排気量1.5Lの4気筒ガソリンターボエンジンと排気量2Lの4気筒ディーゼルエンジンをラインアップする。力強いのは後者だ。
アウディ Q2 35 TFSI アドバンスド(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4200×1795×1530mm ●ホイールベース:2595mm ●車両重量:1340kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1497cc ●最高出力:150ps/5000-6000rpm ●最大トルク:25.5kgm/1500-3500rpm ●新車価格:412万円(Q2 35 TFSI アドバンスド)
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[アウディ Q3]日本で乗るのにもジャストサイズ
“Cセグメント”に相当し、いわば「A3のSUV」的存在。2世代目は2020年から日本にも導入されている。全長約4.5mで全幅1.85mほどのボディは日本でも苦労せずに扱えるし、室内も十分な広さでバランスがいい。駆動方式はガソリン車がFFでディーゼルは4WD。
新型になって驚いたのはインテリア。明らかにクオリティが上がり、上級モデルと比べられるレベルにまで昇華した。荷室も十分な広さ。
リアウインドウの傾斜が強まって軽快な印象を与えるのみにとどまらず、ルーフも45mm低くてキャビンが小さいのが「Sportback」の特徴だ。
アウディ Q3 35 TDI クワトロ Sライン(7速AT・Sトロニック) ●全長×全幅×全高:4495×1840×1610mm ●ホイールベース:2680mm ●車両重量:1700kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1968cc ●最高出力:150ps/3500-4000rpm ●最大トルク:34.7kgm/1750-3000rpm ●新車価格:561万円(Q3 35 TDI クワトロ Sライン)
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[アウディ Q7]ゆとりある広さで人生を満喫する人へ
Q7のなによりの特徴といえるのは、車体の大きさだ。日本では駐車などで苦労するシーンもあるが、それと引き換えに手に入る室内のゆとりはラージボディならでは。3列シートもスタンバイし、いっぽうでそれをたたんだ際の広い荷室も大きな魅力となっている。
ワイド感あふれる室内が独特で、ロングツーリングにおいてもゆったり感が疲れにくさにつながる。3列目を倒せばセダン顔負けの荷室だ。
アウディ Q7 55 TFSI クワトロ Sライン(8速AT) ●全長×全幅×全高:5065×1970×1705mm ●ホイールベース:2995mm ●車両重量:2160kg ●エンジン:V6DOHCディーゼルターボ ●排気量:2994cc ●最高出力:340ps/5200-6400rpm ●最大トルク:51.0kgm/1370-4500rpm ●新車価格:1085万円(Q7 55 TFSI クワトロ Sライン)
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電動化ブランドe-tronがもたらす価値[AUDI NEW MODEL|part.3]
文と写真●ユニット・コンパス ※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
アウディが積極的に電動化に動く意味
電動化は、ゼロエミッションだけでなく、走りにもプラスの影響をもたらす。モーターによる力強く、なおかつ滑らかな加速感や駆動用バッテリーによる低重心で強固なボディ構造は、これまでアウディが目指してきた上質さの演出と非常に相性がいいのだ。4輪の駆動力を緻密に制御するクワトロもそうで、モーターはエンジンとは桁違いにレスポンシブに制御できるため、路面状況を選ばない走りはさらに高みを極めている。
おそらくアウディは電動化がもたらす価値を見越して、自らの技術ツリーを育ててきたのだろう。恐ろしいほどの慧眼である。いま最もアウディらしさを味わえるのが、「e-tron」モデルたちなのだ。
[アウディ e-tron スポーツバック]クーペSUVの流麗なスタイルを採用
アウディのBEV(電気自動車)モデル「e-tron」シリーズの第1弾として登場。「50クワトロ」は、バッテリー容量71kWhで航続距離335km(WLTCモード)。「55クワトロ」は、バッテリー容量が95kWhで航続距離は423km(WLTCモード)。クーペライクでスポーティな仕立て。
従来のスポーツバックと同様に、クーペライクなテイストが与えられたe-tronスポーツバック。バーチャルエクステリアミラーなどの先進的な装備も備える。
アウディ e-tron スポーツバック 55 クワトロ 1stエディション バーチャルエクステリアミラー仕様車(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4900×1935×1615mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2560kg ●バッテリー総電力量:95kWh ●モーター定格出力:165kW ●システム最高出力:408ps ●システム最大トルク:67.7kgm ●新車価格:1291万円(e-tron スポーツバック 55 クワトロ Sライン)
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[アウディ e-tron SUV]機能性と居住性を重視したSUVタイプ
日本ではスポーツバックに続く「e-tron」第2弾として登場したSUVタイプ。ボディエンドまで伸びたルーフラインによって後席の居住性はさらに快適になった。ラインナップは「50クワトロ」、「50クワトロSライン」、「55クワトロSライン」の3つを用意する。
アウディ e-tron 50クワトロ アドバンスト バーチャルエクステリアミラー仕様車(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4900×1935×1630mm ●ホイールベース:2930mm ●車両重量:2400kg ●バッテリー総電力量:71kWh ●モーター定格出力:165kW ●システム最高出力:313ps ●システム最大トルク:55.1kgm ●新車価格:935万円(e-tron 50クワトロ)
SUVタイプのボディを採用したことで、ラゲッジスペースはスポーツバックの616Lから660Lまで拡大。機能性を重要視するニーズに応える。先進機能を活用し、シンプルにデザインされたコックピットは、原点のクラシックのフィアット500を彷彿させる。販売方法はリースのみとなる。
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[アウディ RS e-tron GT]電動化が可能にした次世代スポーツカー
「RS」の名前は、BEVモデルにおいてシリーズ最高峰という位置付けになった。「RS e-tron GT」は、BEV時代のグランツーリスモとしてひとつの模範ともいうべき完成度にあり、パフォーマンスと快適性の両立は極めて高いレベルにある。軽やかで上質なスポーツカー。
BEVモデルのなかでもさらに重心の低さを感じる。4輪に等しく駆動トルクが配分された新時代のクワトロは、あらゆるシーンで高性能と安心感を両立。
アウディ RS e-tron GT(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4990×1965×1395mm ●ホイールベース:2900mm ●車両重量:2320kg ●バッテリー総電力量:93.4kWh ●モーター定格出力:250kW ●システム最高出力:645ps ●システム最大トルク:84.6kgm ●新車価格:1799万円(RS e-tron GT)
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[アウディ eトロン GT クワトロ]BEV時代の高級グランツーリスモ
ポルシェ タイカンとメカニズムの基本を共有しながらも、アウディならではの精緻でどこまでもスムーズな世界観を作り上げた高性能GT。スポーツカーの意のまま感と高級車の上質さが共存しており、「RS」モデルと比較しなければ物足りなさを覚えることはないだろう。
街中では高級車のように快適で静かな走りを提供。高速道路やワインディングでは、まるでスポーツカーのような意のまま感が味わえる。
アウディ e-tron GT(電気式CVT) ●全長×全幅×全高:4990×1965×1415mm ●ホイールベース:2900mm ●車両重量:2280kg ●バッテリー総電力量:93.4kWh ●モーター定格出力:200kW ●システム最高出力:530ps ●システム最大トルク:65.3kgm ●新車価格:1399万円(e-tron GT クワトロ)
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[COMING SOON|Q4 e-tron]日本導入が待ち遠しい普及価格帯のBEVモデル
これまでの「e-tron」はハイエンドに近い高価格帯モデルが主だった。それに対して「Q4 e-tron」は、その名前のとおりアウディにとってのメインストリームになる商品。価格と内容のバランスに優れ、BEVの普及にさらに勢いがつくだろう。
次なる「e-tron」は高級BEVミニバン⁉
文●ユニット・コンパス 写真●アウディ
これまでSUVやスポーツタイプだった「e-tron」のニューモデルが、高級ミニバンになるかもしれない。注目の充電システムを搭載したコンセプトモデル「アーバンスフィア」を紹介。
市街地での快適性を重視した高級ミニバン
電動化はクルマ社会に大きな変化をもたらそうとしており、それはアウディのラインアップにも影響を与えることになりそうだ。
これまでアウディは、特にドイツ市場を中心とした超高速移動での安全性と快適性をテーマにしてきた。しかし電動化によって活動範囲がバッテリー容量に大きく依存することになり、低速化しつつあるのは間違いないだろう。同時に、自動運転技術の進歩により、ドライバーは運転だけでなく、メールや映画といったコンテンツを移動中に楽しむ時代も視野に入ってきた。
そんななか、アウディが大型EVミニバンをモチーフにしたコンセプト「アーバンスフィア」を発表したことは注目に値するだろう。前後にモーターを搭載する4WDモデル(クワトロ)で、最高出力は401馬力で市街地走行には十分以上のポテンシャル。注目は800Vの充電システムを採用したことで、わずか10分間で300km以上の走行に必要な電力を充電可能にするという。
こうしたプロダクトの進化とともにアウディではガソリンスタンドならぬ充電ステーションの拡充にも力を入れている。最新のBEVと組み合わせることで、内燃機関の給油に近い時間での充電をもくろむ。
日本でもアウディはポルシェと協業して150kWの急速充電インフラを拡充しつつある。2024年には152基もの急速充電器を日本の各地にネットワークさせる予定だ。
アジア地域特に中国市場でのニーズが予想される高級ミニバン。インテリアを優先したというだけあって室内は快適そうだ。
アウディがドイツで実証実験している「アウディ チャージングハブ」。予約可能な高電力充電エリアを備えた急速充電ステーションで、自宅で充電できないBEVユーザーを対象にしている。
[RS 6 "20th ANNIVERSARY"]クワトロの威力を知らしめた高性能モデルの血統
文●ユニット・コンパス 写真●アウディ
「技術による先進」を社是とするアウディ。その象徴ともいえるのが、高性能セダンおよびワゴンにツインターボエンジンと
クワトロシステムを搭載したRS 6シリーズ。2022年7月に20周年を迎えたRS 6の歴史を振り返る。
技術による先進を象徴してきたRS 6
2022年7月にアウディの「RS 6」がデビュー20周年を迎えた。RS 6は、アウディのある側面を非常に色濃く反映したモデルである。高出力のツインターボエンジンと天候や路面状況を選ばないクワトロシステムを組み合わせたRS 6のパッケージは、コンディションによってはスポーツカーを寄せ付けないほどの高性能を発揮、それでいて外観は控えめなところもアウディらしい。
2002年に登場した初代RS 6は、A6のフロントセクションを改造し、A8用の4.2Lエンジンにツインターボを搭載。そのチューニングに英国のコスワースが手を加えたことも話題となった。第2世代のRS6はさらに過激だった。エンジンは5LV10ツインターボを搭載。この第2世代モデルはアウディの市販モデルで初めて時速300kmを可能にした記念碑的作品でもあった。第3世代では時代の要請に応じダウンサイジングに舵を切るものの、全体のパッケージはさらに進化。エアサスの標準装備により、日常での快適性も磨き上げられた。そして現行モデルでは、マイルドハイブリッドや4輪操舵などさらなるハイテク化を実現。ハイエンドとしての役割を十分に果たしている。
RS 6は、高性能ワゴンという市場を作り上げただけでなく、RSというブランドを確立することにも貢献してきた。その方向性が正しかったのは、ライバルたちが軒並み4WD化したことでも明らかだろう。
歴代RS 6とそれを手がけてきたエンジニアのステファン・レイル氏。モータースポーツ部門であるクワトロGmbHが手がけたRS 6は、高性能モデルファンにとって憧れの存在にまで成長した。
アウディ王道モデルの中古車事情を探る|AUDI USED CAR|
アウディ A4
文●ユニット・コンパス ※中古車参考価格はグーネット2022年8月調べ。※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。
ここ最近はSUVに注目が集まりがちだが、今回はアウディのセダン/ワゴンにフォーカスを当ててみよう。
[アウディ A4]シンプルかつ高品質なアウディのミドルセダン
2016年から2018年までの前期型スタイル。全長4735mm、全幅1840mm、全高1430mmの手頃なサイズ感だ。
アウディのセダンにおける基本型となるのがA4。ミドルクラスのボディサイズは快適性を確保しつつ、大きすぎないボディサイズが魅力だ。また、ステーションワゴンのA4アバントも設定され、大きな荷物を積むならこちらも考慮したい。現行型は2016年に登場し、「MLB Evo」と呼ばれる新プラットフォームを導入。これにより軽量で洗練された走りを手に入れた。
同社の中心的なモデルゆえ物件数が豊富なことも魅力のひとつ。ガソリン、ディーゼルとも設定されるが、物件が多いのは2Lターボの「2.0TFSI」。特にFF車のほうが充実している。A4セダン全体の中古車平均価格は320万円ほど。
中古車参考価格帯:180万円~570万円(16年~22年 セダンのみ)
アウディバーチャルコックピットを導入した現行型。インパネデザインも一新され、新時代のアウディを感じさせる。
写真は2Lターボを搭載する「2.0TFSI クワトロスポーツ」。最高出力は252馬力、最大トルクは37.7kgmを発揮する。
年式別中古車物件ボリューム
2016年式:21%
2017年式:25%
2018年式:13%
2019年式:23%
2020年式:7%
2021年式:11%
[アウディ S4]A4のスポーツバージョンS4は300万円台からねらえる
より引き締まった足まわりと力強いエンジンを求めるなら、S4もターゲットに入れたい。現行型は3LV6ターボを搭載し、最高出力354馬力を発揮。フロントグリルやホイールは専用になるが、やりすぎない控えめなデザインも美点。中古車も十分な数が流通しているが、相場はやや高め。価格の最低ラインは300万円台半ばだが、平均価格はおよそ500万円となる。
アウディのスポーツモデルの称号が「S」。今ではほとんどのモデルに設定されている。また、この上に「RS」もある。
中古車参考価格帯:340万円~730万円(16年~22年 セダンのみ)
[アウディ A6(先代)]先代モデルなら100万円台で探せる
いま相場が大きく下がっているのが先代A6。登場から10年以上が経過し、100万円台の物件が増えている。ただし物件数はA4よりも少ないので、ボディカラーやグレードの選択肢は広くない。買いやすいのは2.8LV6の「2.8FSI クワトロ」と3Lスーパーチャージャーの「3.0TFSI クワトロ」。後に2Lターボなどが追加されたものの、中古車はそれほど多くない。
中古車参考価格帯:100万円~360万円(11年~19年 セダンのみ)
写真は2012年9月に追加された「ハイブリッド」。2Lターボにモーターを組み合わせ、JC08モードで13.8km/Lの燃費を実現。すっきりしたデザインのインパネまわり。丸みのある柔らかい印象を与える。後席も頭上空間にゆとりがあり快適だ。
年式別中古車物件ボリューム
2011年式:8%
2012年式:16%
2013年式:19%
2014年式:15%
2015年式:18%
2016年式:12%
2017年式 8%
2018年式:4%
[アウディ A8(先代)]大幅に値下がりしたフラッグシップ
アウディの最上級セダンがA8。2010年に登場した先代モデルは、全長5.1m(ロング仕様は約5.3m)と、堂々たるサイズを誇る。発売当初は3LV6スーパーチャージャー(3.0TFSI クワトロ)と4.2LV8(4.2FSI クワトロ)を設定していたが、後に4LV8ターボ(4.0TFSI クワトロ)も登場。新車時は1000万円超えの高額車だったが、現在は200万円前後から探せる。
中古車参考価格帯:180万円~790万円(10年~18年 全グレード)
写真は「3.0TFSI クワトロ」で、最高出力は290馬力、最大トルクは42.8kgm。伸びやかなデザインの室内はハイクオリティ。インテリアはポップなアクセントカラーが施される。こちらは2名乗車だが、4名乗車の「フォーフォー」も設定される。
年式別中古車物件ボリューム
2011年式:16%
2012年式:14%
2013年式:8%
2014年式:22%
2015年式:14%
2016年式:18%
2017年式:8%
クーペやクロスオーバーも!?まだまだ選べるアウディの4ドア|AUDI USED CAR|
[アウディ A5 スポーツバック]流麗なフォルムと実用性を備えたモデル
アウディの4ドアといえば、A4やA6だけではない。クーペやクロスオーバーなどの変化球を選んでみるのも手。ここで紹介したいのはA5スポーツバック。A5はA4の2ドアクーペ版として2008年に登場したが、後に4ドアのスポーツバックが追加された。A4よりも流麗なフォルムを持ちながら実用性も確保され、一躍人気モデルとなった。2017年にはモデルチェンジを受けて2代目が登場している。
2代目は当初ガソリンのみだったが、後にディーゼルも登場。しかし中古車が豊富なのは2Lガソリンターボの「2.0TFSI」。FF、4WDどちらも同程度物件が揃い、200万円台後半の予算から探せる。
中古車参考価格帯:○○○万円~○○○万円(○年~○年 スポーツバックのみ)
今ではA5の売れ筋はスポーツバックが占める。なだらかなファストバックボディに4ドアを備え実用性を確保。「VISIODRIVE」をテーマとする先代C3は、広い視界と快適性を重視した設計。特に頭上まで伸びたフロントガラスが特徴だ。
セダンのA4よりも頭上は窮屈になるが、4ドアにより乗降性は良好。実用性を損なわず、クーペの雰囲気を味わえる。
2Lターボを搭載し、190馬力を発揮する。トランスミッションは7速Sトロニックを組み合わせている。なお、4WD(クワトロ)は252馬力。
年式別中古車物件ボリューム
2017年式:28%
2018年式:24%
2019年式:26%
2020年式:13%
2021年式:9%
外観が一新された後期型A5シリーズ
2021年1月、マイナーチェンジを受けた。ハニカムメッシュグリル、ボンネットスリット、ボディ一体型サイドスカートを採用するなど、エクステリアを大幅リニューアル。インテリアにはインフォテインメントシステムMIB3を採用し、タッチスクリーン式の10.1インチセンタースクリーンを導入した。またクリーンディーゼルを設定するなど、グレード選択の幅が広がっている。
中古車参考価格帯:280万円~640万円(17年~22年 スポーツバックのみ)
[アウディ A3 セダン(先代)]運転しやすいコンパクトサイズ
A3といえばハッチバックのイメージが強いが、先代モデル以降は4ドアセダンも設定されている。先代は100万円台の手頃な物件もあり、コンパクトなアウディを探している人にオススメ。パワートレインは複数あるが、物件が多くて買いやすいのは1.4Lターボ。
中古車参考価格帯:100万円~350万円(14年~21年 セダンのみ)
年式別中古車物件ボリューム
2014年式:17%
2015年式:24%
2016年式:13%
2017年式:15%
2018年式:11%
2019年式:11%
2020年式:9%
[アウディ A4 オールロードクワトロ(先代)]クロスオーバーが好きならコレ
SUVのような本格さは必要ないが、安定感のある走りを求めるならA4オールロードクワトロという選択がある。160mmのゆとりある最低地上高と大型ホイールアーチで力強い外観が見どころだ。パワートレインは2Lターボのみ。ただし物件数が少ないのが難点。
中古車参考価格帯:90万円~230万円(10年~16年 A4オールロードクワトロのみ)
年式別中古車物件ボリューム
2010年式:12%
2011年式:32%
2012年式:17%
2014年式:24%
2015年式:15%
※計測時2013年モデルは物件なし。
[アウディ A7 スポーツバック(先代)]エレガントな佇まいが魅力
A5スポーツバックよりもひとまわり大きいサイズのA7スポーツバックは、優雅なデザインが見どころ。こちらもクーペスタイルながら実用性が確保される。先代モデルは相場が大きく下がり、現在は100万円台後半の予算から探すことが可能だ。
中古車参考価格帯:160万円~430万円(11年~18年 全グレード)
年式別中古車物件ボリューム
2011年式:23%
2012年式:14%
2013年式:9%
2014年式:7%
2015年式:14%
2016年式:17%
2017年式:16%
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みんなのコメント
アウディの良さって元の設計が四駆だから部品点数が少なく軽量なところでしょ。
だから元が重く部品のスペース確保が容易なSUVならって思う。
セダンやクーペだよね。選ぶなら。四駆はトップ性能。
構造が難しくて車好きでもその良さを理解できてる人は少なさげですけど( ´Д`)y━・~~