■軽自動車の2大巨頭「N-BOX」と「スペーシア」の人気理由とは
日本独自の規格となる「軽自動車」ですが、なかでも「軽ハイトワゴン」と呼ばれる背の高いタイプのモデルが人気です。販売台数において、軽ハイトワゴンのホンダ「N-BOX」とスズキ「スペーシア」は、しのぎを削るライバル車です。2018年11月の「軽四輪車 通称名別 新車販売速報」では、1位ホンダ「N-BOX(1万9485台)、2位スズキ「スペーシア(1万1812台)」。数多く販売される軽自動車のなかで、この2台が人気な理由はどこにあるのでしょうか。
激売れホンダ「N-BOX」のNAエンジン車で峠道はつらい? 実燃費テストで意外な結果が…
ホンダの「N-BOX」には、標準モデル「N-BOX」とカスタム仕様「N-BOX custom」という2つのタイプが存在。それぞれ「ベンチシート仕様」、「スーパースライドシート仕様」、「スロープ仕様」という室内レイアウトが異なっています。
パワートレインのNA仕様は、660ccで最高出力58PS、最大トルク6.6kgf・m、ターボ仕様は同排気量の最高出力64PS、最大トルク10.6kgf・m。カタログ燃費(JC08モード)は、23.0km/L(4WD)から27.0km/L(2WD)を誇ります。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790mm(1815mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15。グレード展開は、パワートレインの違いとしてNA仕様とターボ仕様など、「N-BOX」で全12グレード。「N-BOX custom」は、全6グレードのラインナップです。
ホンダの軽自動車は、他車に比べパワフルなエンジンと言われています。ターボ仕様では、各社64PSと同等の数値ですが、NA仕様では若干他車よりも高出力なため、市街地などの加減速量が多い場面でもストレスなく運転できます。
軽自動車戦国時代のなかで、「N-BOX」が売れる理由について、ホンダは次のように話します。
「お客様の声として、先代から室内の広さを好評頂いています。また、『N-BOXからN-BOX』へ乗り換えされる方も多く、2017年にフルモデルチェンジした現行モデルは走行性能が向上したことや、安全性に対するニーズとして、軽自動車でも普通車と変わらない部分が理由です。N-BOXは、走行性能や利便性、安全性など総合的に普通車と変わらないのが、人気の秘訣と言えます」
■ハイブリッドシステムを搭載するスズキ「スペーシア」
スズキの「スペーシア」には、標準モデル「スペーシア」とカスタム仕様「スペーシア カスタム」という2つのタイプを展開しています。
グレード展開は、「スペーシア」に「HYBRID X」と「HYBRID G」の2種類。「スペーシア カスタム」は、「HYBRID XSターボ 」、「HYBRID XS」、「HYBRID GS」という3種類です。
パワートレインは、NA仕様の660ccエンジン(最高出力52PS、最大トルク6.1kg・m)+モーター(最高出力3.1PS、最大トルク5.1kg・m)、ターボ仕様は同排気量の(最高出64PS、最大トルク10.0kg・m)+モーター(最高出力3.1PS、最大トルク5.1kg・m)というマイルドハイブリッドシステムを搭載しています。
バッテリーに電気が貯まっている状態であれば、発進をモーターの力だけで走行、加速時にはエンジン出力をモーターがアシストするなど、低燃費や力強い走りを実現。カタログ燃費(JC08モード)は、24.0km/L(4WD)から30.0km/L(2WD)です。
スズキ「スペーシア」のボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm(1800mm)で、タイヤサイズは155/65R14または165/55R15です。
各社から軽ハイトワゴンタイプが登場するなかで、「スペーシア」が売れる理由について、スズキは次のように話します。
「売れている理由として、まず室内空間の広さ、安全装備の充実、乗り降りの良さなどのパッケージの高さが挙げられます。それ以外にもデザイン性や室内空調を循環させる『サーキュレーター』やエアコンルーバーなど快適性など家族で使いやすいのが理由と言えます」
※ ※ ※
自動車メーカー各社は、「軽自動車市場」に力を入れ、さまざまなラインナップを展開しています。そのなかで、ホンダ「N-BOX」とスズキ「スペーシア」が販売台数上位に至る理由は、日本の道路事情や多様化するニーズに合った仕様をユーザーに訴求できているのが大きな要因です。
2018年上半期の軽自動車販売台数ランキングにおいて、1位「ホンダ N-BOX(12万7548台)」、2位「スズキ スペーシア(7万9718台)」と大きな差がありました。しかし、2018年12月に発売予定のスズキ「スペーシアギア」の登場でどこまで王者ホンダ「N-BOX」に迫れるかが、今後の軽自動車市場の注目ポイントと言えます。
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