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マツダCX-5試乗記 スカイアクティブ-D2.2継続的商品改良の中味は無意識の意識下

掲載 更新 134
マツダCX-5試乗記 スカイアクティブ-D2.2継続的商品改良の中味は無意識の意識下

マツダは主力商品であるCX-5に継続的商品改良を2020年12月17日に行なっている。このとき同時にCX-8にも改良が加えられ、その詳細は別記事を参照してほしい。

関連記事:マツダ「CX-5」「CX-8」を改良2.2Lディーゼルをパワーアップ 

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この商品改良では、スカイアクティブ-D2.2に改良が加えられ出力がアップし、スカイアクティブ-G2.0及び2.5にはSPORTモードの改善があった。それらは人とクルマの一体感、自在感を高める制御変更と位置付けられている。さらに、もうひとつ、スカイアクティブD-2.2にはアクセルペダルの踏力を変更する改良が加えられ、それも試乗して確認してみた。

試乗エリアは横浜の市街地と高速道路で、日常的に走行するエリア。スカイアクティブ-Dのディーゼルエンジンの変更点は190psから200psへと出力アップしていることだ。出力は3000rpm-4500rpmで最大パワーが向上しているスペック。

試乗は2速、3速を利用しての合流加速や、追い越し加速を試した。ATミッションをDモードで走行すると、その回転域まで到達しないが、新東名高速など速度域の高い場所や上り坂などではその違いを体感するシーンがあるかもしれない。結論としては現行の190psのモデルとの比較試乗ができたため、力強さを感じることができた。また、燃費には影響なく同じスペックとなっているが、それはモードテストであるため、今回の出力アップした回転域はモード外となるためだ。

ペダルを重くする

そしてもうひとつの改良ポイントがアクセルペダルの踏力変更だ。簡単に言うと現行比で重くしている。が、マツダの人間中心という開発思想が反映している改良だと感じたのでお伝えしたい。

クルマが動き出す瞬間、車速維持、上り坂や下り坂などさまざまなシーンで意図通りにクルマが動くかということが現在各社の開発トレンドであり、期待通りに動く、といいう車両が増えてきている。そうした背景にはコンピューターが広く影響し、解析できなかったものが解るようになったことがある。

今回のペダル踏力の変更もそうした解析データをベースに改良されている。ペダルを踏み込んだときに、人は加速をイメージし身構える。この一連の動きを分析し、人間の筋肉がどのように動いているのかを解析。車両の動き、ペダル操作、そして身体運動という領域に分類しデータを集める。

図がその詳細で、人間の意思でペダルを踏み込む。ペダルがどのように踏み込まれたか、踏み込む力と踏み込み速度、それに伴う車両の動き、そして人は加速に備え、また加速を受け止めるために、首や腹筋の筋力を使い姿勢を維持する。そうした一連の動きを「同調」させることで、意のままに動くことにつなげている。

そうした解析に基づいてペダルを少し重くしたのが今回のCX-5だ。これも現行比試乗ができたので、その違いは明確に解る。特に動きだしから20km/h付近までと、車速維持といった部分でその違いが解りやすく、運転が楽に感じられるのだ。つまり思ったとおりに動くから楽なのだ。

無意識の意識下

さらに、一歩踏み込んで考えてみると、加速させるための踏力が重くなったのだから減速するためのブレーキにも改良があったか?ということだ。開発の井上政雄さんによれば、ブレーキは変更していないという。

データで考えてみると現行車のアクセルとブレーキの踏力荷重、あるいは反力があり、新型はアクセルだけを変更しているので、ブレーキには違和感が出て当然だと思う。だが、ブレーキは変更していないし、違和感はないのだ。

これは井上氏の説明によれば、人が求めているフィーリングと踏力が一致しているからだと。人が求めるアクセルの踏力と踏み込み速度の加速度の変化率と、ブレーキの踏力と踏み込み速度の加速度の変化率には別の期待値があり、期待どおりに加速するためにアクセルを重くしたとしても、期待どおりに減速できていれば、変更する必要がないということなのだ。だからそこに違和感が生じることがないというわけ。

もっと言えば、改良前のCX-5のアクセルペダルは、期待通りに動かすためにはコントロールが必要だった。加速しすぎてアクセルを抜いたり、加速が足りず踏み増しが必要だった。一方、減速は期待どおりに減速できていた、ということだろう。そこでアクセルペダルだけに改良を施し、そうしたコントロールをせずとも、思ったとおりの加速をできるようにし、ブレーキは現状維持ということだ。

これは人間が「加速」や「減速」は意思を持って行なっているが、反面、条件反射とか、無意識の意識下でも行なっている動作だと思う。無意識の動作は「感性」とも置き換えられそうで、井上氏の行なった改良は「感性の数値化」の領域ではないだろうか。つまり、人間中心の開発は意思を持って行なっているものを数値化するケースと、無意識の操作も数値化していくことなのだと。

そう考えていくと、この先、人は運転がしやすいとか乗り心地がいいといった理由は、実はデータで説明できるようになっていくだろうし、そのデータの作り方で「マツダらしさ」が際立ち始めるのかもしれないと感じた試乗だった。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

価格

CX-5:267万8500円~414万1500円(税込み)

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文:Auto Prove 高橋 明
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みんなのコメント

134件
  • 体力の無いメーカーとして出来る限りのコトをやってるって感じる。
    信者には大変効果的な改良でイイと思います。
    その他多数の人にとっては「見た目に新しい」「壊れない」が大事なんだけど・・・もう少しだけファン層を拡大しておいた方がイイと思うけどなぁ。
  • 社長が変わってから価格が大幅に上がった。コスパ良かったのに。
    もうヨイショ記事書いても売れないものは売れない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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