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いまもラリーやレースで活躍する最終型 三菱「ランサーエボリューションX」ってどんなクルマだった?

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いまもラリーやレースで活躍する最終型 三菱「ランサーエボリューションX」ってどんなクルマだった?

■初代から9代目までは1・2年ごとに進化していたランサーエボリューション

 三菱「ランサーエボリューション(ランエボ)」は、もともとWRC(世界ラリー選手権)のグループA参戦を念頭に置いたホモロゲーションモデルとして登場しました。その起源は1992年9月に発売された「ランサーGSRエボリューション(通称エボワン)」となります。

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 エボワンは、ギャランVR-4に搭載していた2リッターターボエンジンを、250馬力までパワーアップして搭載。2500台限定発売でしたが、あっという間に売り切れて、さらに2500台が追加で販売されました。

 ランエボがWRCで初優勝したのは、1995年のスウェディッシュラリーです。これは初代ではなく「エボII」での参戦で、このときのドライバーはケネス・エリクソン選手、コドライバーはスタファン・パルマンダー選手でした。

 ランエボシリーズは、1992年のエボワンの後、1994年1月発売の「ランエボII」、1995年1月発売の「ランエボIII」、1996年8月発売の「ランエボIV」、1998年1月発売の「ランエボV]、1999年1月発売の「ランエボVI」、2000年1月発売の「ランエボVIトミ・マキネンエディション」、2001年2月発売の「ランエボVII」、2002年2月発売の「ランエボVII GT-A」、2003年1月発売の「ランエボVIII」、2004年2月発売の「ランエボVIII MR」、2005年3月発売の「ランエボIX」、2005年9月発売の「ランエボワゴン」、2006年8月発売の「ランエボIX MR」「ランエボワゴンIX MR」と続いていきます。

 ほとんど1年から1年半に1モデルのペースで進化し続けたランエボでしたが、2001年シーズンのWRCから「ランサーセディア」ベースのWRカーで参戦したこと、2003年シーズンは三菱チームはWRC活動をいったん休止したこと、その後復帰したものの、三菱のリコール隠し問題による経営の悪化にともない、2006年シーズンから再度WRCワークス活動を休止したことなどで、WRCホモロゲーション車両としての本来のランエボの立ち位置は変化していきます。

 そうしたなか、2007年10月に、「ランサーエボリューションX(テン)」が発売されました。

■最終モデル「ランエボX」は、およそ8年間進化を続けた

 いままでのランエボシリーズがすべて限定モデルだったのに対し、最終モデル「ランエボX」は発売当初からカタログモデルとして登場したのが特徴です。

「誰もが気持ちよく、安心して『高い次元の走り』を楽しめる新世代ハイパフォーマンス4WDセダン」を商品コンセプトとして、2007年10月に登場したのがランエボXです。
 
 280馬力/422Nmを発生する4B11型2リッターターボエンジンを搭載、車両運動統合制御システム「S-AWC」や高効率の2ペダルトランスミッション「ツインクラッチSST(6速DCT)」などを用意しました。車両価格は299万7750円(消費税込、以下同)から349万5450円でした。

 発売から1年後、2008年10月には最初のマイナーチェンジをおこなっています。レカロ社製レザーシートやビルシュタイン社製ショックアブソーバー、BBS社製アルミホイール、HDDナビなどを標準装備したプレミアムグレード「GSRプレミアム」(5速MTモデルは479万8500円、6速DCTモデルは505万500円)を設定しました。

 ここから、ほぼ1年に1度、年次改良をおこなっていきます。

 2009年10月の一部改良では、新形状の大型サイドエアダムやカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイ、クルーズコントロールを採用します。車両価格は315万円から507万1500円でした。

 2010年10月の一部改良では、エンジン点火時期や燃料マップなどのエンジン制御を見直すことで、加速レスポンスの向上と燃費向上を実現。さらに6速DCT車の制御を見直すことで変速レスポンスの向上や減速時のスキップシフトを可能にしました。車両価格は315万円から522万9000円でした。

 2011年10月の一部改良では、走行中にアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合、ブレーキを優先する「ブレーキオーバーライド制御」を採用、またインパネからドアトリムに至るアクセントパネルの素材を変更、上質感の高い室内としました。車両価格は315万円から525万円でした。

 2012年10月の一部改良では、「GSR」と「GSR-Premium」のボディカラー展開を見直し、コズミックブルーマイカ、ホワイトパール(有料色)、クールシルバーメタリック、ファントムブラックパール、レッドメタリックの5色としました。車両価格は315万円から525万円でした。

 2014年7月の一部改良では、ウインカー付きドアミラーに変更、さらにボディカラー展開を見直し、コズミックブルーマイカから鮮やかなライトニングブルーマイカに変更しました。

 このタイミングで、競技用モデル「RS」と6速DCTモデルの2014年度内での生産終了が発表され、同時に5速MTモデルは継続販売との発表もありました。

 2015年4月、特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の先行予約が受付開始されます。

 これは、1992年の初代ランエボ発売から約23年にわたる歴史の最後を飾る特別仕様車で、ランエボX「GSR」の5速MTモデルをベースにBBS社製18インチ鍛造アルミホイールを装備、内装ではレカロ社製レザーコンビネーションシートなどを標準装着していました。

 車両価格は429万8400円。販売台数は1000台限定となっていました。

 この特別仕様車が完売したのが2015年8月20日。2016年3月までに納車が終了しました。

※ ※ ※

 このファイナルエディションのエンジンスペックは、313馬力/429Nm。パワーウエイトレシオは4.88kg/馬力という優れたモデルでした。

 2007年の登場からすでに12年が経ったランエボXですが、いまでも現役で全日本ラリーや全日本ジムカーナなどで活躍しています。

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