5年後に最後のエンジン車投入
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】未来へ向かうeトロンの称号【アウディの完全EVモデルを写真で見る】 全196枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
アウディは、2026年までに最後の内燃機関(ICE)モデルを発売し、2030年台前半までにEVのみのブランドとなる。
ドイツの南ドイツ新聞(Suddeutsche Zeitung)が最初に報じたこの動きは、アウディのCEOであるマルクス・ドゥスマンが気候ニュートラル財団の会議で行ったスピーチで確認された。ドゥスマンは、アウディが「EVの時代に向けて、決定的かつ強力に移行する準備ができている」と述べた。
アウディが最後に開発するICEモデルの生産は、2026年に開始される。それ以降、アウディは電気のみを動力源とする新型車を世界中で展開することになる。EVのラインナップを増やす一方で、ICEモデルの生産を徐々に減らしていき、2033年に最終モデルの生産を終了する。アウディは、2050年までにゼロ・エミッションの達成を目指している。
ドゥスマンは、次のように述べている。
「わたし達は、革新的な強みを通じて、持続可能でカーボン・ニュートラルなモビリティの選択肢を個人に提供します。わたしは禁止令が成功するとは思っていません。テクノロジーとイノベーションの成功を信じています」
アウディの電動化目標の加速は、親会社であるフォルクスワーゲン・グループが掲げる目標に沿うもので、同グループはこれまで、2026年から欧州において電動化車両に全面的に焦点を移すことを示唆してきた。
アウディのEVラインナップは急速に拡大している。SUVのeトロンを2018年に発売して以来、ファストバックのeトロンGTやクロスオーバーのQ4 eトロンをリリースし、2022年にはセダンのA6 eトロンとSUVのQ5 eトロンを公開する予定だ。
また、多くの内燃機関モデルにプラグイン・ハイブリッド仕様を導入している。
一部市場では現地生産継続か
しかし、アウディは2030年代までは燃焼エンジン車を販売し、最後の内燃機関モデルのライフサイクルは2026年から約7年となると予想されている。どのモデルが最後に残るのかはまだわかっていないが、現行のQ5はその頃にモデルチェンジの時期を迎える。
ドゥスマンは、アウディがICEモデルを段階的に廃止する正確な時期は、顧客の需要と法律によって決定されると付け加えた。
例えば、2030年からほとんどの非ゼロ・エミッション車の販売が禁止される英国など、一部の市場で段階的に廃止することを余儀なくされるが、米国などの市場では2033年を過ぎてもICEモデルが販売され続ける可能性が高いと考えられる。
しかし、アウディによると、中国では内燃機関を搭載したモデルに対する需要が続いているため、2033年以降も現地生産のICEモデルが販売される可能性があるとのことだ。
ユーロ7と呼ばれる欧州の厳しい排出ガス規制の導入が間近に迫っていることが、今回のアウディの決断に影響を与えていると思われる。
先月、ドゥスマンはAUTOCARにこう語った。
「ユーロ7(基準)を満たすことで内燃機関に多大なコストがかかることは確かであり、遅くとも今後10年以内にクロスオーバー・ポイントが訪れると考えています」
「ユーロ7は本当に頭の痛い問題で、特に環境改善にはあまり効果がありません。ですから、このクロスオーバー・ポイントにはすぐに到達するでしょう」
ドゥスマンは当時、段階的な廃止の時期については言及していなかったが、アウディの最終的な内燃機関モデルは「これまでに作った中で最高のモデル」になるだろうと示唆していた。
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