2年連続でF1チャンピオンに輝き、シーズン中盤にして3冠も見えてきたレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペン。マシンを速く走らせることに関しては世界最高峰のひとりだが、今度は“魅せる”走り、ドリフトに挑戦した。
レース一家で英才教育を受け、史上最年少となる17歳166日という若さでF1デビューを果たしたフェルスタッペンだが、ドリフトに関しては全くの未経験。2018年のフォーミュラ・ドリフト・ジャパン王者である“マッド・マイク”ことマイケル・ウィデットがフェルスタッペンの先生役を引き受けた。
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ドリフトに使用するのは、1992年マツダRX-7をベースにドリフト仕様に改造されたウィデットの愛機“MADBUL”。ワイドボディキットが装着され、600PSまで出力が上げられている。
ウィデット曰く、他のドライバーにステアリングを握らせることは初めてとのこと。愛機を預かるフェルスタッペンはクラッシュしないよう「かなりプレッシャーがかかるね」と言う一方で、「めちゃくちゃクール。楽しみだ。このマシンでどうなるか、どうやって横向きに走るのかも想像もできないね」と乗り込む前に興奮を口にした。
ウィデットのレッスンは3段階。まずはパイロンの周りを回る“ドーナツ”で、ふたつ目が“8の字”、3つ目が大きく半円を描く“スカンディ・フリック”だ。
フェルスタッペンは馴れないアクセルやクラッチの感覚に戸惑いを見せたものの、F1王者の名に恥じないマシンコントロールを見せつけ、メキメキと上達。3つのレッスンをクリアしていった。
最終テストは一風変わったスカンディ。コースに置かれているのはパイロンではなく、巨大な右手をもつクリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)のハリボテ。RX-7のリヤウィングで10体のホーナーとハイタッチするというチャレンジだ。
フェルスタッペンはこのテストを8/10でクリア。ゴールで待つウィデットとハリボテのホーナー代表の前で、最後にハンドブレーキターンを決めて見せた。
ドリフトレッスンを終えてフェルスタッペンは、パイロン役になったホーナー代表に謝りつつ、「もっとやってみたいかも!」と呟いた。
「マイクと一緒にMADBULでドリフトを学ぶのは、とてもクレイジーだったよ」
ドリフトを体験してフェルスタッペンはそう語った。
「この2年間、こんなに緊張したことはなかったよ。普段のドライビングスタイルとは違うからね。16歳に戻って、初めてF1マシンに乗ったような気分だった!」
「エンジンがかかって、ホイールスピンさせながらドリフトしはじめると、F1でやっているみたいに、マシンの限界に挑戦する本来のゾーンに入れた。同じようにアドレナリンが出て、本能が働いたんだ」
また指南役を務めたウィデットは次のように語った。
「マックスと一緒に本当の限界に挑戦した。彼がF1に持ち込める素晴らしいトリックを学んでくれたらいいね! ドリフトは生モノだ!」
「F1マシンでこういうチャレンジをしてみたいし、次回はマックスのマシンで何ができるか見てみたい」
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