9月1日、スペインのモーターランド・アラゴンで開催された2024年MotoGP第12戦アラゴンGP MotoGPクラスの決勝レースはマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が優勝を飾った。後方ではフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)とアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が接触転倒を喫して両者がリタイアしたが、ペナルティが科せられることはなかった。
アクシデントは18周目に起きた。残り6周の12コーナーでアレックス・マルケスがワイドになり、バニャイアがインを刺してオーバーテイクを仕掛けた。しかし、順位をキープしようとしたアレックス・マルケスのマシン前方とバニャイアのマシン後方が当たり、13コーナーでふたりともに転倒、リタイアとなった。
圧倒的ポール・トゥ・ウイン。マルク・マルケスが1043日ぶりの優勝を飾る/第12戦アラゴンGP
バニャイアはメディカルセンターに向かっており、打撲は負ったが骨折がないことが確認され、翌週の第13戦サンマリノGPに出場できる判断が下された。
このインシデントはレース後に審議されることになったが、『No further action』としてどちらのライダーにもペナルティが科せられることはなかった。
FIM MotoGPスチュワードの判断はこうだ。
「#1バニャイアと#73マルケスの18周目のターン13で起きたインシデントは調査対象となり、レース後に再検証された」
「FIM MotoGPスチュワードは両ライダーにインタビューし、両者の視点から事故の説明を聞き、複数の映像やその他の利用可能な画像ソースとマシンデータも検討した」
「聴聞会で両ライダーは、レーシングライン外のグリップレベルが困難だったと説明し、スチュワードの見解では、これがライダーが接触を回避する選択肢を持つことができなかったケースの要因となった」
「FIM MotoGPスチュワードは、あらゆる点を考慮し、決定的な証拠要素がなかったことから、どちらのライダーも事故の主たる責任はないと結論付けた」
この決定は、モーターランド・アラゴンが今年、路面を再舗装して、グリップが悪かったことが関係している。今大会では、スタートを失敗するライダー、レーシングラインを外したライダーがスリップする場面が多くあり、決勝日午前のウォームアップ走行ではスタート練習が追加されたほどだ。
また、アレックス・マルケスは12コーナーでラインを外したもののコース外に出たわけではなく、次のコーナーでレーシングラインに戻る権利があった。当然バニャイアもアレックス・マルケスもライン上をキープすることを選択したため、接触を回避することができずに13コーナーで転倒してしまった。
様々な要因でFIM MotoGPスチュワードは裁定を下したが、クロスラインでの接触はしばしばあり、過去にはペナルティが科せられることもあった。今回は上記の形となったが、ライダー個々の意識、そして安全にレースができるサーキット作りも必要となってくるだろう。
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