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フォードF−150 詳細データテスト 驚異の動力性能 トラックらしからず快適 とにかく巨大で高価

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フォードF−150 詳細データテスト 驚異の動力性能 トラックらしからず快適 とにかく巨大で高価

はじめに

フォードは必要性の高い電動化の進行に当たり、いくつかの大胆な決断に頼ろうとしている。たとえば、2019年にはマスタングの電動バリエーションとして、マッハEを投入。さらには、世界でもっとも売れているピックアップトラックに、ゼロエミッション版を設定した。おそらくフォードにとって、強力な商売道具になるはずだ。

【画像】写真で見るフォードF−150とライバル 全16枚

F−150がもっとも知られているFシリーズの歴史は、1940年代にまで遡る。累計4000万台が生産され、そのほとんどがアメリカとカナダで販売された。英国や欧州本土で正規販売されたことはなく、当然ながらオートカーがロードテストで取り上げたこともない。

しかし、状況は変わりつつある。フォードはF−150を電動化する意向をアナウンスした際に、世界中の反応を探った。F−150ライトニングは、2019年にテスラがサイバートラックを初公開するより9ヶ月早く発表された。そして2022年4月、米ミシガン州ディアボーンのルージュ工場で、生産が開始された。

そして最近、サプライズな発表があった。フォードの欧州部門は今年後半に、ノルウェイでの生産を開始するというのだ。となると、英国を含む欧州市場での販売も開始されるのか、興味深いところだ。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

内燃エンジンを積む14代目の現行F−150は、ほぼ全面的に新設計だ。その生産開始から2年と開けず、昨年4月にF-150ライトニングは登場した。通常のF-150と比較して、それほど大きな違いはないものの、単にV8エンジンを電気モーターに置き換えただけでもない。

通常モデルのトラックは2015年、13代目のときにボディパネルをスティールからアルミへ変更した。F-150ライトニングもアルミボディだが、さらに高張力スティールのラダーフレームシャシーを採用し、このクルマに求められる積載重量を確保した。

このフレーム内には、駆動用のモーター2基とリチウムイオンバッテリーが積まれる。防水ケースに収められたバッテリーは、アンダーガードパネルで悪路でのダメージから保護され、リペアや交換のためのアクセスがきわめて容易な設計となっている。

バッテリーの実用容量は、98kWhと131kWhの2タイプが用意される。今回テストする最上位仕様のライトニング・プラチナムは大きいほうを採用し、アメリカEPAの計測値は483kmもの航続距離を謳う。さらに、ラリアットとXLTの各仕様では515kmまで伸びる。

モーターは永久磁石同期式で、前後車軸へダイレクトに設置。それぞれに1速遊星ギア式トランスミッションを備え、前後輪を駆動する。最高出力は571ps、最大トルクは107.2kg-mだが、2023年モデルのエクステンデッドレンジF−150ライトニングでは589psまで引き上げることが公表されている。

アメリカで一般的な、転がり出しの30cmほどを除いた0−97km/h加速タイムは約4.0秒。それでいて、筋骨隆々たるトラックとしての実用性について、EV化に伴う妥協はわずかだという。内燃エンジンのF−150の荷台は、最大積載重量が約1.5tで、牽引重量は最大6tだが、ライトニングでも800kgを超える積載と4500kgまでの牽引が可能だ。

もちろん、この目減りの原因となる最大の要素は、バッテリーの重量だ。F−150ライトニングは5人乗りキャビンと5.5フィートのベッドを組み合わせたスーパークルー仕様のみで、車両重量は3.1t以上。V8モデルよりちょうど1t重い。

とはいえ、そのバッテリーが、実用車としての特別な性能をライトニングに与えているのも事実。高出力のモバイル電源として使えるモデルは、F−150の全ラインナップの中でもライトニングのみだ。

サスペンションはリアがリジッドとなるエンジン車と異なり、EVは前後独立。四輪ともコイルスプリングで、スタビライザーも装備。一般的なパッシブ式のガスショックを採用するが、フロントはモノチューブ、リヤはツインチューブだ。

内装 ★★★★★★★★★☆

どこを見ても、F−150の大きさからは逃れられない。

背の高いドライバーでも運転席へはよじ登る感がある。ランニングボードに足をかけて乗り込む運転席は、幅広くて柔らかく、調整が効く。助手席とは、ピクニックテーブルやオフィスデスクとしても使えるほど広いセンターコンソールで区切られている。

ガラスハウスは広大で、視認性は優れている。ドアミラーを含めた全幅は2440mmと、ロールスロイス・カリナンの2180mmさえ上回る。前席スペースは隅々まで広々としていて、後席のニールームはBMW i7より10mm少ないのみだ。

しかも、ペダルボックスは調整式で、運転席のレッグルームが拡大できるので、NBAのパワーフォワードでも問題なく運転できそう。室内の収納スペースは、もっともよくできたミニバンさえ見劣りしそうなほど充実している。

カーゴスペースについては、ピックアップトラックのスタンダードを超える実用性がある。長さが1.7m、幅が1.5mある荷台には、ステップも兼ねる電動テールゲートが備わる。さらに、跳ね上げ式の後席クッションの下には横幅いっぱいの収納スペースがあり、あまり高さのない買い物袋くらいはここに積むことができる。

積載性に関して秀逸なのは、電動開閉式のフロントトランクだ。V8エンジンやその補器類がなくなったスペースには、408Lの容量がある。フルサイズのスーツケースが収まる広さはもちろん、防水機能と水抜き穴が与えられ、低く窪んだ部分ではクルマを停めたときにドリンククーラーとして使うこともできる。さらに、キャビンや荷台と同じく、多すぎるくらいの電源ソケットが設置されている。

クルマのあちこちに散りばめられた120Vソケットは9つ、さらに荷台に240Vソケットが用意される。131kWhのバッテリーを利して、停車時には最大9.6kWの電力を供給できる。電動ツールを使うにも十分な電力で、作業やキャンプなどで役立つ。

車内に目を戻すと、Sync4Aインフォテインメントシステムの縦型15.5インチのタッチ画面と、デジタルメーターが装備されている。マテリアルは見た目も手触りもややプレーンなところがあるものの、装備の充実した最新高級車のように快適な移動空間としての満足感を損ねるほどではない。

走り ★★★★★★★★☆☆

この3.1tある、全長5.9mのピックアップトラックは、フルスロットルで発信すると道理に反した領域へと飛び込む。巨大な機械仕掛けのトムソンガゼルよろしく、まずはリアを沈め、それから突如として走り出し、トラクションコントロールがほとんど仕事をしないにも関わらず、4.5秒で97km/hに達するのだ。

その後も勢いは衰えず、ゼロヨン13.3秒をマークする。V8をスーパーチャージャーでチューンナップしたヘネシー・ヴェロシラプターF−150はこれよりわずかに速いが、シングルモーターのポルシェ・タイカンは凌いでいる。信じ難いことだが、BMWの傑作、E46型M3すら上回るタイムだ。

167km/hでスピードリミッターが効くまで、力強い加速は続く。けれども、賢明な動きに見える以上のとんでもなく高いスピードに到達することははばかられた。というのも、ハードに加速していても、F−150ライトニングはそれ以外のなにものでもなかったからだ。

その動きは非常に大きく重いクルマのそれにほかならず、しかも実用本意の高級感を指向してチューニングされているからだ。まさしく、そうあるべき姿に仕上がっているのである。

トラクションはたっぷりとあり、ペダルレスポンスはプログレッシブ。ストッピングパワーは、少なくともドライコンディションであれば、このサイズ感から生じる心配を和らげるに十分なほど真っ当だ。

しかし、モーターと操縦系は勢いをうまくコントロールでき、また思慮深くボディ挙動が手に余るようなことにならないようチューンされている。もっとも、車体のサイズや車両重量を軽視すれば、その限りではないのだが。

ただし、道に十分な広さがあり、日常的なスピードで流しているぶんには楽しいし、運転するのは非常にシンプルだ。走行モードはノーマルとスポーツに、オフロードと牽引が設定されており、ワンペダル電力回生も選択できる。とはいえ、エネルギー回生のコントロールはみごとというわけではない。

ワンペダルモードのように、合成走行音もオン/オフが可能だが、オンにしていても音は控えめ。この重量と速さのクルマが、周囲のクルマに、あまり類がないほどにミラーを埋め尽くすまでにじり寄っても、威圧感を与えることはない。

使い勝手

インフォテインメント

F-150ライトニングの上位グレードは、縦型15.5インチ画面のSync4Aインフォテインメントシステムが装備される。マスタング・マッハEやレンジャー・ラプターの最新モデルにも見られたシステムだ。

ほかのクルマで試した際には、使い勝手にほめるべきところが見られたが、できれば実体スイッチにしてほしい操作系がディスプレイへ統合されている部分もあった。なお、今回のクルマはラジオやナビゲーションがアメリカ仕様のままだったので、星の数での採点はしていない。

スマートフォンのミラーリングは、AppleもAndroidもワイヤレス接続。ワイヤレス充電器も装備している。iPhoneの接続には多少の手間がかかり、接続そのものにもやや不具合はあったが、おおむね問題なく使える。

燈火類

F−150は全車ともダイナミックコーナリング機能付きLEDヘッドライトが標準装備されるが、下位グレードは前後のライトバーが装着されない。今回は、その機能を試す機会がなかった。

ステアリングとペダル

左ハンドルのペダル配置は、ブレーキペダルがやや左寄りだが、右足が問題なく届く範囲。オーストラリアなどには右ハンドル仕様の供給が検討されているが、英国導入は今のところ視野に入っていないようだ。

操舵/安定性 ★★★★★☆☆☆☆☆

もし英国のような道路事情でこのクルマを操るのがどういうことか、それを顕著に物語る指標を挙げるなら、回転直径以外にはない。その数字、なんと15.6m。計測方法にもよるだろうが、最小回転半径が8m近くなる計算だ。英国の対面通行道路は、だいたい幅が9~10.5m。もちろん、アメリカはこれより広い。

同じようなサイズ感のサルーンや高級SUVなら、四輪操舵で負担軽減を図るようになってきたが、F−150はそうしたトリックを持ち合わせていない。タイトな丁字路や駐車場などでは、取り回しのつらさを思い知らされるだろう。

高速道路以外、場合によっては高速道路でも、このクルマはかなり大きく感じる。さらに左ハンドルなので、車線内に留めるのはかなり集中力が求められる。レーンセンタリングシステムのありがたさを痛感したというテスターもいたほどだ。

ステアリングホイールは大きく、ギア比はだいぶスローで、手応えはしっかりあり、横ロールの制御とドライ舗装路面でのグリップレベルは十分な自信を与えてくれるが、シャシーのレスポンスはそこそこ。ロードホールディングはまずまずで、巨大なクルマに予想するとおりといったところだ。

2点間移動のペースを上げてみると、垂直方向のボディコントロールは悪化し、飛ばす気が萎える。F−150の巨体に見合った道幅がほしくなるだろう。前後アクスルが急速なコーナリング荷重を扱う際には、キャビンにはバネ上で減衰不足のような上下動が発生し、ペースを上げるに従ってそわそわした動きが増してくる。

穏やかな速度域でなら、乗り心地にはうれしいくらい洗練されたところがあるものの、トラック用のスプリングやリジッドアクスルを交換したことによる運動性の優れた意外性はない。大きさは大きさ、重さは重さであり、とくに英国の路上では、そのどちらも回避できない。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

欧州向けピックアップの中には、驚くほど走りの粗さを感じさせるものがいまだにある。その多くは、乗り心地の水準が、ラグジュアリーな移動を連想させるレベルとはとてもいえない。しかし、F−150ライトニングは、それほど煩わされるようなものではない。

積載重量が800kg程度で、コイルスプリングと独立式サスペンションを備えたことで、このクルマは明らかに、現在の英国の規定では商用車規定に区分できないものの、マイルドにしつけられた快適な乗用車であることを否定するものでもない。

空荷の状態でもソフトで、じつに落ち着いて走る。普通に走らせていれば、一般的なピックアップに見られるような突き上げやそわつきはほとんどない。バンプの扱いや中低速域の走りにはしなやかさがあり、ロードノイズはじつにうまく遮音されている。

とはいえ、より大きく鋭い入力を、より高い速度で受けると、フレームシャシーに乗っていることを思い起こさせる衝撃音や振動がわずかながら発生する。また、穏やかながら上下にボディが波打つこともある。

購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆

英国で今すぐF−150ライトニングを手に入れようとしたら、ノルウェーか北米からの並行輸入に頼るしかない。

数日間のテストでは、正規導入されていないクルマに乗る際の落とし穴が見えた。急速充電ポートはCCS1規格で、欧州で主流のCCS2ではない。しかも、ソフトウェアがアダプターを介してもCCS2の接続と充電を拒んだ。一応、アダプターを使えば最大95kWでの電力補充ができることになっているのだが。

正規導入されるかどうかは未定だが、そうなればもちろん、フォードはこの点を解決してくるはずだ。ただし、価格は恐ろしく高いものになるだろう。英国と北米でのマスタング・マッハEの価格差を参考にすれば、F−150ライトニングのプラチナム仕様は12万ポンド(約2052万円)ほどになる計算だ。下位グレードでも、10万ポンド(約1710万円)を大きく下回ることはないだろう。

テストしたエクステンデッドレンジ仕様の電費は、平均3.5km/kWh、114km/h巡航では3.9km/kWhで、空荷で航続距離483kmというEPAのテスト値には信憑性がある。とはいえ、同乗者を伴い、休日を楽しむためのアイテムを積んだり、もしくはトレーラーを牽引したりすれば、この数字は著しく悪化するのは間違いないだろう。

フォードの航続距離予測ソフトは、積載量の影響も正確に考慮するが、その能力を厳密にテストすることは、今回はできなかった。

スペック

レイアウト

シャシーはエンジン車用のスティールラダーフレームをベースに、EV用の改修と補強を加えた仕様。駆動用バッテリーは、床下のシャシーフレーム内に収まる。

サスペンションは、F−150初の四輪独立で、リヤはリジッドではなくトレーリングアームとコイル。前後重量配分は、実測で50:50だった。

パワーユニット

駆動方式:フロント/リヤ横置き四輪駆動
形式:永久磁石同期電動機
駆動用バッテリー:水冷リチウムイオン・392V・143kWh(グロス値)/131kWh(ネット推定値)
最高出力:571ps/-rpm
最大トルク:107.2kg-m/-rpm
最大エネルギー回生性能:226kW
許容回転数:-rpm
馬力荷重比:182ps/t
トルク荷重比:34.3kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:5910mm
ホイールベース:3695mm
オーバーハング(前):960mm
オーバーハング(後):1255mm

全幅(ミラー含む):2440mm
全幅(両ドア開き):4200mm

全高:1989mm
全高:(荷台カバー開き):2180mm

足元長さ(前):最大1110mm
足元長さ(後):850mm
座面~天井(前):最大990mm
座面~天井(後):930mm

積載容量:1495L

構造:スティールフレーム/アルミボディ
車両重量:3127kg(公称値)/3121kg(実測値)
抗力係数:−
ホイール前・後:8.5Jx22
タイヤ前・後:275/45 R22 115W M+S
コンチネンタル・クロスコンタクトRS
スペアタイヤ:フルサイズ(荷台下に積載)

変速機

形式:1速リダクションギア(前後)
ギア比
リダクション比前/後:9.7:1/9.6:1
1000rpm時車速:15.8km/h
113km/h/129km/h時モーター回転数:7118rpm/8135rpm

電力消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:3.5km/kWh
ツーリング:3.9km/kWh
動力性能計測時:1.8km/kWh

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/kWh
中速(郊外):-km/kWh
高速(高速道路):-km/kWh
超高速:-km/kWh
市街地:-km/kWh
混合:3.7km/kWh

公称航続距離:483km
テスト時航続距離:463km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、スタビライザー
後:トレーリングアーム/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.2回転
最小回転直径:15.6m

ブレーキ

前:356mm通気冷却式ディスク
後:350mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ESC、EBD
ハンドブレーキ:電動式・全自動

静粛性

アイドリング:-dBA
全開走行時(145km/h):74dBA
48km/h走行時:55dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:66dBA

安全装備

ABS/アドヴァンストラック+RSC/FCW/DBS/HSA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温15℃
0-30マイル/時(48km/h):2.0秒
0-40(64):2.6秒
0-50(80):3.4秒
0-60(97):4.5秒
0-70(113):5.7秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.6秒
0-100(161):12.4秒
0-402m発進加速:13.3秒(到達速度:164.2km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ポルシェ・タイカンRWDパフォーマンスパック・プラス
テスト条件:湿潤路面/気温6℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.3秒
0-50(80):4.2秒
0-60(97):5.1秒
0-70(113):6.1秒
0-80(129):7.4秒
0-90(145):9.1秒
0-100(161):10.9秒
0-402m発進加速:13.4秒(到達速度:182.3km/h)
0-1000m発進加速:23.5秒(到達速度:231.3km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):1.3秒

30-50(48-80):1.5秒

40-60(64-97):1.8秒

50-70(80-113):2.3秒

60-80(97-129):3.0秒

70-90(113-145):3.9秒

80-100(129-161):5.0秒

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温15℃
30-0マイル/時(48km/h):9.6m
50-0マイル/時(80km/h):26.3m
70-0マイル/時(113km/h):51.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.06秒

ライバルの制動距離ポルシェ・タイカンRWDパフォーマンスパック・プラス
テスト条件:湿潤路面/気温6℃
30-0マイル/時(48km/h):9.9m
50-0マイル/時(80km/h):27.2m
70-0マイル/時(113km/h):54.0m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

英国への正規導入が決定していないクルマを、オートカーのロードテストに提供してくれるメーカーは滅多にない。

フォードF−150ライトニングは、当然というべきかわれわれの関心を得るに値するクルマだった。たとえ英国フォードが、正規導入をまったく認めていないとしてもだ。彼らが導入に後ろ向きなのは、英国の一般的な道路で日常的に使うには大きすぎ、適切なルートやスペース、用途を見つけられないことが理由だ。

そこがどうにかなれば、そして自分が巨大さと取り回しのしにくさに辟易しないのであれば、積載性やパワー、牽引能力などできること全般について、ほぼ称賛する以外はない。

車体は巨大だが、同時にファミリーで使うレジャーヴィークルとしてのポテンシャルも計り知れない。多くの使い道を見出せるのであれば、広い置場を確保すべきことも正当化できるに違いない。運動性能や高価格については、二の足を踏むユーザーもいるのも確かだろうが。

それでも、このクルマを買えば、英国の道で使っても、驚くほど多くの用途を見出せるだろうと思う。ドライビングも、時と場合によるが、おおむね楽しめるはずだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダースこれは元から牽引を想定したクルマだろうが、サービスエリアなどではトレーラーハウスなどを引いていないときでも、キャンピングカー枠に停めたいサイズだ。軽めのトレーラーであれば、電費への影響はさほど大きくないだろう。

リチャード・レーンもしライトニングがもうほんの90mm長ければ、英国のIVAテストをクリアするためにサイドマーカーのリフレクターが必要だ。今のままでも、ロールスロイス・ファントムより優に30cmは長いのだが。

オプション追加のアドバイス

もしもフォードが英国市場へこのクルマを導入するなら、最上位グレードのみの設定となるだろう。しかし、もしチャンスがあれば、より安価なXLTエクステンデッドレンジに、高出力の電源ソケットがついた仕様を選びたい。

改善してほしいポイント

・急速充電は、ソフトもハードも英国市場対応にしてほしい。
・オーストラリア向けに右ハンドルを用意するなら、それを販売してもらいたい。
・サスペンションはレンジャー・ラプターのシャシーエンジニアリングを応用すれば、高速域でのボディコントロールを改善できるはずだ。

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みんなのコメント

9件
  • 車両重量3t超ときたもんだ。
  • 対抗馬のテスラサイバートラックが今年下半期に販売されると同行が楽しみです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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