表彰台確実かと思われたが道上選手がまさかのアクシデントに遭遇
14年ぶりに現役復帰した土屋圭市さんが参加したスーパー耐久(S耐)シリーズの第3戦・鈴鹿は、本日(6月11日)の12時34分52秒にスタートした。フルグリッドの50台が7つのクラスに分かれ、4時間先のチェッカーを目指す壮大なバトルだ。
昨日もお伝えしたように、土屋さんが乗るのは97号車のシビックTCR。2000ccまでのターボエンジンを搭載する2輪駆動の市販車で争う新設の「ST-TCRクラス」だ。今回はここにシビックが2台、アウディのRS3 LMSも2台、そしてフォルクスワーゲンのゴルフGTI TCRの計5台が参戦した。
予選でクラス3番手だった97号車は、幸内秀憲選手がスタートドライバーを務める。1周目でクラス2番手に上がるが、すぐまた3番手に。じつはシビックは開幕戦と第2戦でワンツー・フィニッシュを達成したため、2台とも30kgの重量ハンデを課されていたのだ。
土屋さんもスタート前のメディア向けカンファレンスで、「340馬力ぐらいのクルマで30kgというのは、正直相当に厳しいよね。勝負できるかどうかはわからないけど、頑張ってみます」とコメントしていた。
ということで序盤は、デビュー戦のためノーハンデの10号車・ゴルフTCRが逃げて、それをハンデわずか5kgの45号車・アウディRS3がピタリとロックオン。そこから少し離れて、97号車と98号車のシビックTCR勢が必死に食らいついて行くという展開になった。
途中セーフティカーが導入されて差が詰まる局面もあったが、97号車は3番手をキープ。1時間40分ほど経過したところで、土屋さんの出番となった。ここから1時間10分余り順調に周回を重ね、クラス2番手を争いつつピットイン。アンカーの道上龍選手に引き継いだ時点では、もはや表彰台は確実かと思われた。
ところが、ここで97号車に不幸が訪れる。アウトラップの最終コーナーでアクシデントが起こり、スピンしてコースの真ん中に一時ストップ。なんとか再スタートしたものの、左リヤのタイヤがない3輪状態となり再びスピン。スロー走行でピットに戻って修理したものの、2周近くをタイムロスしてクラス最下位に沈んでしまった。
レースはさらに終盤にもドラマが発生。開幕戦から同じメンバーで参戦してきたシビックの98号車が、粘りの走りで最後には45号車のアウディを抜き去って逆転優勝。黒澤琢弥選手、石川京侍選手、加藤寛規選手の3名が表彰台の一番高いところに立った。
また3位には序盤は最下位だった19号車のアウディが、しぶとく走りきって入賞。一方で初レースのゴルフは終盤に失速し、最後は道上選手が乗る97号車のシビックが4位に浮上したところでチェッカーとなった。
土屋さんは、「レースにアクシデントは付き物だから、結果はしょうがないよね。でも今日は面白かった。以前に乗ったJTCCはレーシングカーだったけど、このシビックTCRはチューニングカーという印象。また出たくなっちゃったね」と振り返った。
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