現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「タコツー」のツー! 「私をスキーに連れてって」の助演車「カローラII」とは

ここから本文です

「タコツー」のツー! 「私をスキーに連れてって」の助演車「カローラII」とは

掲載 35
「タコツー」のツー! 「私をスキーに連れてって」の助演車「カローラII」とは

ターセル、コルサ、カローラIIの三兄弟、通称「タコ2」

 初代「カローラII」は、初代「ターセル/コルサ」が初のフルモデルチェンジを受けた1982年5月に、新たに3兄弟の3番目のモデルとして登場した。ターセルとコルサがバリエーションに4ドアノッチバックセダンをもっていたのに対し、カローラIIは2ボックスの3ドア&5ドアハッチバックのみの設定だった。ちなみにターセル/コルサの初代は1978年、トヨタ車初のFF車として登場。ロングホイールベースや、エンジンとミッションを2段重ねにしたユニークな設計が特徴だったとともに、「百恵の赤い靴」のCMでも一世を風靡した。

「私をスキーに連れてって」で大ヒット! 懐かし過ぎる「流面形セリカ」を振り返る

 また、話が前後するがカローラII誕生でシリーズが3兄弟になった折に、非公式だが巷(業界内?)では「タコ2(ツー)」なる省略で呼ぶ言い回しが生まれた。「レビ/トレ」「セド/グロ」ならまだしも、ターセルとコルサだから最初の1文字ずつを機械的にとって「タコ」とは、いくら何でも自由すぎないか……と密かに思ったというのはどうでもいい話だが……。

2代目は原田知世さんがイメージキャラの「流星ライナー」

 ところでカローラIIの初代は、テニス・プレーヤーのジョン・マッケンローをCMに起用することで話題を集め費用対効果をあげていたわけだが、1986年5月になるとフルモデルチェンジを迎え、2ボックスのターセル/コルサ/カローラIIが2代目に進化した。まだこの世代のことだったから、意外にも初代に対してこの2代目でやっと、一般的なエンジン横置きのFFになった。

 なお「かッ飛び」「イダテン」でおなじみのEP71型「スターレット」は、この2代目「タコ2」よりひと足早い1984年10月の登場時にエンジン横置きのFF化が実行されており、それを追いかけてのことだった。そのためか、ホイールベースはスターレットより80mm長かったものの、カローラIIの前モデルに対しては50mm短く、前後席の間隔もカローラIIの新旧では「±0」と広報資料にあり、ボディ全長も新型のほうが短くなっていた。今にして思えば、ボディサイズ(車格)自体は「隙間狙い」だったとして、何となく縦横比(全長×全幅)が不思議だったり、大きくもなく小さいわけでもないところが、ユニークな存在ではあった。

 で、ユニークさの極みだったのが、リトラだ。映画「私をスキーにつれてって」の劇中車でもあったそうで、ついでに原田知世がCMやプロモーションビデオにも登場していたらしいが、まあそういったタイアップ系の話はともかく、カローラII(とターセル/コルサ)は女性ユーザー比率の高いクルマでもあった。「ライム」「ソフィア」といった女性仕様車もあったし、少し贅沢なキャンバストップ仕様も用意されていた。なので原田知世が宣伝活動に起用されたのはごく自然なことだったのだろう。

リトラクタブルライトを奢られたFFコンパクト

 ……と、ここでようやくリトラの話に入れば、確かこのリトラはクラス初のフルリトラクタブルヘッドライト装着車といった触れ込みだったはず。まあ、それはそうだったろう……と思うのは、FFの2ボックスカーというのは本来は合理性を追及した形式であり、その方針でいけばリトラクタブルヘッドライトは明らかに過剰な装備となる。だが、そこをおして採用に踏み切ったところに、何とかキャッチーな特徴を持たせたかったのだろうという企画・開発側の思いがにじみ出ていた。

 カタログには「リトラクタブルヘッドランプが、斬新なスタイルを実現。空力特性もアップさせた。ボデーと一体化したカラードバンパーとも、鋭くマッチ。」との記述があるが、おそらくコンベンショナルな固定式ヘッドライトとは左右フロントフェンダーは共通、エンジンフードの傾斜も差がなかったはずで、そう考えると反対に、他モデルより特段ノーズを低くできた訳でもなかったが、とにかくリトラクタブルライトをつけた……そんな強い意志に裏打ちされた贅沢なクルマだった……とも思える。エンジンコンパートメントのスペースのことを考えると、図面を書く設計担当者はさぞ苦労をされたのだろう、とも思える。

オザケンでおなじみ4代目は女性誌のようなカタログ

 なおターセル/コルサ/カローラIIは、リトラのあとにも2世代続いたが、リトラの次の世代(1990年9月登場/3代目)の2ボックス(3ドアハッチバック)は、派手でこそなかったが、大きな3次曲面になったリヤウインドウを採用するなどして、ヨーロピアンコンパクト的なチャーミングさをもっていた。

 そしてその次の世代(1994年9月登場/4代目)は、あのオザケン(小沢健二)が「カローラIIにのって」のCMソングを歌っていたモデル。作詞作曲は本人ではなかったんだと、いま、当時の広報資料一式とともに出てきたシングルCDのジャケットのクレジットを見て初めて知った。

 だが、CMはのノホホンとしたタッチだったが、カタログはフェミニンな感じの当時の女性誌風の仕立てで、大人のキャリアウーマンを意識したようだ。「カローラIIのどこが好きかと聞かれたら、こう応える。まず、スタイル。甘すぎないところ。シャープな印象」、カタログにはそんな記述もあるが、世代ごとにそれぞれの打ち出し方があったのだなぁ、と懐かしい。

こんな記事も読まれています

角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある2点を獲得「強力なレースペースを示せた。シーズン最後まで全力で戦う」
AUTOSPORT web
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
サイズも価格も近い禁断の兄弟対決!! [ランドクルーザー250]と[ランドクルーザー300]の違いって??
ベストカーWeb
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
【ポイントランキング】2024年WRC最終戦ラリージャパン後
AUTOSPORT web
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

35件
  • 親の初代カローラⅡの赤色を
    乗り回していたけど、
    パワステ無しエアコン無しで窓は手動で
    5速MTでキャブ車という
    シンプルな構成だったけど、
    この車で運転を覚えた。
    停止状態だとハンドルが回らないから
    ハンドルを切るのもコツが必要だった。
  • カローラⅡ・GPターボ・リトラ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村