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【スーパーGT】昨季はGT500で2度のポールポジション。表彰台にも登壇したダンロップタイヤの次の一手

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【スーパーGT】昨季はGT500で2度のポールポジション。表彰台にも登壇したダンロップタイヤの次の一手

「お話をいただいたのはチーム(TEAM Red Bull MUGEN)サンの方からでした。これまでGT500では1台だけでなかなかデータを効率よく集めることができずにいたので、このお話はウチとしてはウェルカムでした」とダンロップ(住友ゴム工業株式会社)の竹内二郎モータースポーツ部長は話を切り出した。

 スーパーフォーミュラとともに国内トップカテゴリーの双璧を成すスーパーGTは、トップカテゴリーのGT500クラスにおいてはトヨタと日産、ホンダの3大メーカーが鎬を削るとともに、タイヤに関してもブリヂストンとミシュラン、ヨコハマ、そしてダンロップの4メーカーが対決するレースシリーズで、特にタイヤがワンメイクのコントロールタイヤ制でなくコンペティションタイヤが採用されている、世界的にみても珍しいレースシリーズだ。スーパーGTのGT500クラスではこれまで、ブリヂストンタイヤが多数派を占め、ある意味“基準タイヤ”とされ、それにミシュランやヨコハマ、ダンロップの3メーカーがチャレンジする図式となってきた。

■笹原右京「もっとデータを集める必要がある」今季使用のダンロップタイヤを語る

 1980年代から90年代前半にかけてはトップフォーミュラでチャンピオンとなるなどタイヤウォーズも制したことのあるダンロップは、95年の阪神淡路大震災においてモータースポーツ用タイヤを生産していた神戸工場が被災したことから一部活動が休止となり、その後トップカテゴリーに復帰したものの、スーパーGTにおいても近年は、Nakajima Racingへ供給するにとどまり、なかなか以前のような活躍はできないでいた。

 そんなダンロップタイヤだったが、昨年は明らかな上昇気運が高まっていた。ベテランの伊沢拓也が移籍しルーキーの大津弘樹とコンビを組むなどNakajima Racingのドライバーコンビが一新されたこともきっかけになったのかもしれない。今やベテランとなりタイヤ開発を任された伊沢が、初めて装着したダンロップタイヤを的確に評価。それをサポートしながらルーキーの大津も確かな速さを身に着けてくる。そして第3戦の鈴鹿と第7戦のもてぎで見事ポールポジションを獲ることになった。

 第3戦のポール会見で伊沢は「僕自身初のポールポジションですが、今日のクルマなら誰が乗ってもポールを獲れたでしょう」と豪語。実際に2レースともにQ1ではルーキーの大津が並みいるベテランを向こうに回してトップタイムをマーク。「それが少しプレッシャーにもなった」と苦笑する伊沢がQ2でポールタイムを叩きだす。そんなシーンが2度繰り返されたのだ。

 予選で他を圧倒するタイムをマークできた時でも、その一方で、決勝では苦戦を強いられている。ロングスティントでの安定度が不足しているとか、ピックアップに悩まされやすい、とかの酷評もあるが何よりもそれを強く感じていたのはドライバーふたりを含めたチームとダンロップのスタッフだったに違いない。ただ昨年はコロナ禍の影響もあってテスト自体が制限されていたが、そうでなくても1台体制で参戦を続けている限り、1回のレースで、あるいは1回のテストで、取れるデータには限りがある。そこでダンロップとしてもTEAM Red Bull MUGENの申し出を快く受け入れたのだろう。

 それともうひとつ、この体制変更では期待できる側面がある。Modulo Nakajima Racingのベテラン+ルーキーのコンビに対して、TEAM Red Bull MUGENは、飛びっきり生きの好いルーキーふたりを揃えていること。早くも公式テスト岡山では大湯が結果を出して見せたが、これには1年先輩の笹原右京も奮起したに違いない。

 竹内モータースポーツ部長も「伊沢選手の開発能力の高さは十分に分かっています。でも(TEAM Red Bull MUGENの)若いふたりの速さにも期待が高まっています」とキッパリ。若いふたりの手綱を締める必要はあるだろうが、その辺りは長年レースを続けてきたMUGENだけに抜かりはないはずだ。

 さらに言うなら、ここまで苦労して開発を続けてきたModulo Nakajima Racingとしても、TEAM Red Bull MUGENの活躍を指を咥えて見ている訳にはいかないだろうし、何よりも伊沢と大津が大きく刺激を受けたに違いない。こうした化学反応が結果的にダンロップタイヤのパフォーマンスを日陰るとしたら……。「やはりレースですから、2チームの“競争”にも期待しています」と竹内モータースポーツ部長は微笑んでいた。

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