立て続けに故障に見舞われ
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】どんどん登場 2021年のフェラーリ新顔は?【3選】 全102枚
神奈川県に住む30歳会社員のつかぽんさんが120回ローンでフェラーリ360モデナを購入し、丸2年が経った。
購入から1年が経過した頃、AUTOCAR JAPANでつかぽんさんにインタビューをして、360モデナ購入までの道のりや、モデナが連れてきた様々な幸せストーリーを伺った。
あれから1年、つかぽんさんとモデナはどうしているだろうか? ふと気になって共通の知人に様子を伺ってみたが、この1年スーパーカー関係のイベントにも全く顔を出していないという。
勇気を出してつかぽんさんにメールをしてみたら、すぐに返事が届いた。
現在も360モデナを所有しているがこの1年は整備や修理であまり乗れなかったという。
「2021年になった直後から立て続けに故障に見舞われてしまい納車2年目はほとんど乗ることができませんでした」
「1つ目は燃料ポンプからのガソリン漏れでした。ある冬の日、伊豆スカイラインまで走りに行き、景色の良いところでクルマを停めた時のできごとです」
「愛車の写真を撮った後、乗り込もうとドアを開けると、うっすらとガソリンのにおいがしました」
「気のせい? とも思いましたが、帰りの高速でもガソリンのにおいが不規則に漂ってきます」
「(いよいよクラシックカーの仲間入りをしたか)と呑気に考えた一方、数年前に車両火災でフェラーリが大炎上しているニュースの映像が脳裏に浮かびました」
「いつも整備でお世話になっているフェラーリ専門店の工場長の方にご相談したところ『燃料ポンプからのガソリン漏れの可能性がある』とのアドバイスをいただき、車両火災を恐れて修理が完了するまで乗るのをやめました」
修理の前に自分で分解に挑戦!
実はつかぽんさん。修理に出す前に燃料ポンプが見えるところまで分解に挑戦していた。
「お店に持って行く前に、まず起きている事象を確認してみようと思ったんです」
「モデナはエンジンルームの左右に燃料ポンプがあり、ガラスフードのダンパーを外して、さらにとてつもない大きさのカバーを外す必要がありました」
「左右の燃料ポンプが見えるところまで分解してみると、ポンプ本体は白いプラスティックであるのに対し、左のポンプだけ、周辺にピンク色のにじみ(ガソリンの漏れた跡)ができていました」
「これをもとに、お店の方に相談し左の燃料ポンプ交換のみで事なきを得ました。
修理じたいはフェラーリ専門店にお願いし、部品/工賃合わせて10万円程度でした」
燃料ポンプ交換で10万円とはフェラーリにしていたらかなりリーズナブルな印象だ。事前に自分で確認をしていたのがよかったのだろうか?
「そうですね。周辺のオーナーに相談したところ、最低でも15~20万円はするのでは? という話を聞いていたので、10万円で仕上げていただきホントに助かりました」
そして、次のトラブルに見舞われる間、つかぽんさんは久しぶりにフェラーリのツーリングに参加した。
「たくさんのフェラーリと共に走る光景はまさに非日常で、官能的な音に囲まれて非常に興奮しました」
しかし、ホッとしたのもつかの間。今度はドアの故障に見舞われる。
修理 気持ちが乗らず数か月放置
「運転席ドアに弾かれる」(ドアが閉まらない)という事態に遭遇したのだ。
「燃料ポンプの修理が終わってから3か月経ったある週末の朝、モデナで出かけようとドアを開け、シートに座ってドアを閉めたんですが、突然『バイーン!』と弾かれてしまい一切ドアが閉まらなくなりました」
「この時は、知り合いの整備士さんに頼んで、何とかドアが閉まるように応急処置をしていただきました」
「もう片方のドアは問題なく開閉できるのですが、夏場はエアコンがあまり効かないこともあり、何か月も乗らない状態が続きました」
燃料ポンプのあとはドアの故障。ドアが閉まらなくなる故障、しかもフェラーリ……修理代がいくらかかるのか想像もつかないし不安も大きい。
応急処置をしてひとまず閉まるようにはなったが、もちろんこのままで済むはずもない。
「涼しい時期になりやっとの思いで重い腰を上げフェラーリ専門店に相談し、症状をみていただいたところ、『ドアハンドルとロック機構をつなぐケーブルに問題があるのではないか?』との診断を得ました」
「早速その部品を交換して今では問題なく乗り込むことができるようになりました」
気になる修理費は?
「部品・工賃合わせて3万円程度」で済んだという。案ずるよりも産むが易しの典型的な例である。
意外な低費用で済んで筆者まで安堵した。
2021年につかぽんさんがモデナに実施した整備や修理、点検などをまとめると以下となる。
・オイル交換(コーンズ):5万円
・燃料ポンプの交換(アリアガレージ):10万円
・ドア開閉故障の応急処置:1万2000円(工賃のみ)
・ドア開閉故障の本格修理(アリアガレージ)3万円
また自動車税:7万6400円、駐車場:2万円/月、保険料:1万8000円/月、ガソリンは5km/Lとして2500km分使用した。
多くの人の支え/励ましがあって
2021年、結構な時間、工場に入っていたフェラーリ360モデナ。
走行距離も2020年が1万kmであったのに対して、2021年はわずか2500km。
モデナがない間、何に乗っていたのだろうか?
「2年目はフェラーリが動かない/乗らない期間が多かったため、格安レンタカーを活用したり、友人のご好意でMTのオープンカーに乗せてもらったりしていました」
「わたし自身も以前ポルシェ・ボクスターに乗っていたこともあり、オープンカーの解放感/爽快感は何にも代え難く、乗せてもらうのが楽しみでした」
乗れない期間が多かった1年となったが、2021年はモデナを通してどんな出会いがあったのだろうか?
「あまり乗る機会はなかったのですが、素晴らしい出会いがたくさんありました。ご自身の会社をお持ちで、ポルシェの公式レースに出られていて、スーパーカーを何台も購入されている方との出会いもありました」
「そのような方とのお話は、サラリーマンのわたしにとっては未知の世界/新たな発見ばかりで、『自分もいつかはこうなりたい』と高いモチベーションを持たせてくれる貴重な機会となりました」
「またツーリングではありませんが、自分がフェラーリに乗るきっかけを与えてくださったフェラーリオーナーさん達とお話をする機会にも恵まれました」
「その際に、『君の年齢でフェラーリを買った事が本当にすごい』『これからも維持を続けて、新たなフェラーリが買えるよう頑張ってほしい』と、励ましの言葉をいただきました」
「そう! わたしの周囲には会社員であるわたしのフェラーリ所有を応援してくださる方がたくさんいらっしゃいます」
「モデナ購入前からフェラーリのツーリングによく連れて行ってくれた360のオーナーさん、色々話を聞いてくれて納車の日に夕食をご馳走してくれた458イタリアのオーナーさん、いつも相談に乗ってくださるF355のオーナーさん……」
「わたしもその方々に出会わなければ、20代会社員という立場で本当にフェラーリを買おう、という気持ちも芽生えなかったかもしれません」
間もなく2022年。つかぽんさんがモデナと出かけたい場所について聞いてみた。
「ベタですが晴れた休日の朝、交通量の少ない高速や景色のいい海沿い、山の道を走りに行きたいです。愛車が走っている姿を写真に残せたらいいなと思っています」
「また機会あればツーリングにも参加し、更なる非日常を味わいつつ、もっと色んなフェラーリオーナーさんのお話をお伺いしてみたいです」
「また夢物語ですが、いつかは海外の道も自分のモデナで走ってみたいです」
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みんなのコメント
古い車だと2万キロ毎にエンジン下ろしてタイミングベルト交換しないといけないので好きでないと乗れない。
フェラーリの純正ベルトがあまりにもショボいんで、日本のタイミングベルトが使えるようにプーリーを作って、ほぼメンテフリーで乗ってる方もいらっしゃいますね。
なんでもディーラーの言いなりでメンテするより、知恵を絞って、消耗部品は日本製使えるようにする方が乗る分には良いと思います。
(・∀・)