フルモデルチェンジしたトヨタのフルサイズピックアップの「タンドラ」に搭載される新エンジンなどについて、世良耕太が解説する。
レクサスLS500とおなじエンジンを搭載
トヨタが北米市場で販売するフルサイズピックアップのタンドラがフルモデルチェンジして3代目に生まれ変わった。パフォーマンスや快適性の向上だけでなくマルチメディアへの対応も含め、全方位で商品力を高めたのが特徴だ。ここでは、エンジンを含むパワーユニットに的を絞って観察していくことにしよう。
先代タンドラは最高出力381hp(386ps)、最大トルク401lb-ft(543Nm)を発生する5.7リッターV型8気筒自然吸気ガソリン・エンジンと6速ATの組み合わせだった。新型は2種類のパワートレーンを用意する。いずれもエンジンはガソリンで、ひとつは3.5リッターV型6気筒ガソリンツインターボだ。詳細はアナウンスされていないが、ひと足早く発売された新型「ランドクルーザー」に搭載されているのとおなじ、V35A-FTS型だろう。レクサス「LS500」などに搭載されるトヨタ/レクサスの最新V6ユニットだ。
タンドラの3.5リッターV6ツインターボエンジンは最高出力389hp(394ps)、最大トルク479lb-ft(650Nm)を発生する。組み合わせるトランスミッションは10速ATで、やはりレクサスLS500などに採用例がある。
つまり、タンドラが搭載するパワーユニットの基本構成は上級サルーンの代表格であるLS500と共通ということになる。もちろん、タンドラの場合はトレーラーの牽引といったタフな使い方を想定しているので、エンジンやトランスミッションには専用のチューニングを施しているだろうし、トランスミッションは耐久性向上策が施されているはずだ。
いずれにしても、新型タンドラは力強さと燃費を両立する典型的な“過給ダウンサイジング”の道を選んだことになる。「フルサイズピックアップトラックは大排気量のV8に限る」というかつてのイメージは薄れてきており、3.5リッターV6でもタンドラが築き上げてきたステイタスを損なうことはないと判断したに違いない。
スペックを見てもわかるとおり、新型の3.5リッターV6は先代の5.7リッターV8より高性能だ。とくに、牽引時に威力を発揮する低速トルクはターボ過給の効果で、明らかに新型のほうが上。6速から10速への多段化の恩恵で実用燃費も向上しているはずで、新しいV6エンジンによって得られるベネフィットを知れば、頑固なV8信者も沈黙するに違いない。
新開発のハイブリッド・システム
新型タンドラが設定するもうひとつのパワーユニットは「i-FORCE MAX」と呼ぶハイブリッド・システムだ。タンドラへの搭載が世界初投入である。
標準モデルの3.5リッターV6ツインターボエンジンと10速ATに、モーターを追加したのがi-FORCE MAXだ。最高出力は437hp(443ps)、最大トルクは583lb-ft(790Nm)に達する。ガソリンエンジン仕様比で、49ps、140Nmの性能アップだ。しかも、790Nmの最大トルクを2400rpmの低い回転で発生するのが特徴である。
モーターはベルハウジングと呼ぶ、通常はトルクコンバーターが収まる部分に搭載。エンジンとモーター+トランスミッションを切り離せるように、エンジンとモーターの間にクラッチを挟む。このクラッチを切ることで、エンジンを引きずることなく、モーターのみによるEV走行が可能だ。
モーター単体のスペックは公表されていないが、エンジン単体仕様とのスペックの差を見る限り、35kW/150Nm程度の比較的小出力のモーターが用いられているようだ。トヨタ/レクサスの他のハイブリッドシステムと同様、発進はモーターでおこない、モーターが備える能力以上の加速や車速が求められる状況になるとエンジンを始動する。現地発表の資料によれば、18mph(29km/h)を上まわる車速になるとエンジンが自動的に始動する仕組みだ。
また、ドライブモードセレクトで「SPORT」「SPORT+」を選択した場合は、高応答なモーターを積極的に利用して力強さを演出する。エンジンのトルクに上乗せするモーターのトルクによって、牽引時の力強さはコンベンショナルなエンジンの比ではないし、ハイウェイでの追い越しやオフロードでのドライバビリティ向上にもモーターのアシストが役に立つ。
日常/非日常のあらゆるシーンでワンランク上の走りを約束してくれるのがi-FORCE MAXというわけだ。
288Vの電圧を持つニッケル水素バッテリーはリアシート下に搭載(容量は非公表)。減速時はモーターの発電機能を使ってエネルギーを回生し、バッテリーに蓄える。蓄えたエネルギーを次の加速時に使うことでエンジンの燃料消費を抑えることにつながるので、燃費向上にも貢献する。
1モーターハイブリッドシステムのi-FORCE MAX は、3.5リッターV6エンジンと10速ATを組み合わせる縦置きパワートレーンが基本なので、同様のパッケージを採用するモデルに展開することが可能だ。おなじエンジンとトランスミッションを搭載するランドクルーザーはタンドラとは兄弟みたいな間柄なので、横展開のハードルは低そう。ひょっとしてもうプランに入っているかもしれない。
文・世良耕太
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当面の間、LXとランクル300の差別化の為、ランクルには採用されないと思う