現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 出せば「バカ売れ確実」なクルマ好きが望む過去の技術! それでも復活できない「事情」とは

ここから本文です

出せば「バカ売れ確実」なクルマ好きが望む過去の技術! それでも復活できない「事情」とは

掲載 更新 38
出せば「バカ売れ確実」なクルマ好きが望む過去の技術! それでも復活できない「事情」とは

 この記事をまとめると

■クルマには時代の要請で消えてしまったロストテクノロジー的な機能や装備がある

【昔のスポーツカーのほうがカッコイイとの声続出!】低いロングノーズのクルマが消えたワケ

■技術的には再現可能であっても安全面や規制の強化によって再現できないものも多い

■現在は当たり前のものであっても今後の規制強化などによっては消えてしまう可能性もある

 スーパーカーの象徴もいまでは完全消滅

 自動車テクノロジーの進化というのは、大きく商品力アップと社会的ニーズへの合致というふたつによって方向づけられてきている。わかりやすいキーワードでいえば、普及、廉価、便利、安全、環境といったところだろうか。そうして進化していくなかで、かつては当たり前だったものが失われ、二度と復活することがない、ある種のロストテクノロジー的になっていくことがある。

 そこまでいうと大袈裟かもしれないが、ここでは今後復活することはないであろう4つの装備・メカニズムをピックアップして紹介しよう。

 この手のクルマで失われし機能でいえば、いの一番に思い出すのが「リトラクタブルヘッドライト」だ。点灯時だけ展開するヘッドライトは、昼間にみるとシャープな顔つきとなり、また空力特性にも有利なため1970年代のスーパーカーブームでは、まさにスーパーカーのアイコン的装備となり、1980年代からは日本車でもかなり幅広く採用された。

 ファミリーカーのアコード、コンパクトカーのカローラIIにもリトラクタブルヘッドライトが採用されていたほどだ。

 もとともは規格品のヘッドライトを使ってクルマをスタイリッシュに見せるために生まれたリトラクタブルヘッドライトがなぜ消えてしまったのか。それは歩行者保護などの安全基準を満たすためにほかならない。リトラクタブルヘッドライトを展開している状態では突起物となってしまい歩行者保護の観点からNGになってしまう。

 ほかにもいくつか理由はあるが、歩行者保護についての保安基準を考えると、今後リトラクタブルヘッドライトの量産モデルが誕生する可能性はゼロに近いといえるだろう。

 社会的なニーズが今後のクルマの姿を決める

 先日トヨタが将来的にレクサス・ブランドを100%電気自動車にすると発表したように、クルマの電動化トレンドは止められない状況だが、それでもエンジンはしばらく残るというのもまたリアルな見方だ。それでも、マルチシリンダー(多気筒)でなおかつハイレビング(高回転)なパワーユニットは消えていく一方なのは間違いない。

 なぜなら騒音規制がどんどん厳しくなっていくからだ。なぜ高回転と騒音規制が関係あるのかといえば、近接排気騒音の測定ルールがそのひとつの理由となる。

 日本における近接排気騒音の計測の仕方は、停車状態の車両に対してマフラー出口の斜め45度・50cmの距離に計測器を置き、エンジンを最高出力発生回転の75%まで回して計測することになっている。仮に9000rpmで最高出力を発生するようなエンジンであれば6750rpmまで回さねばならない。高回転になるほど騒音規制をクリアするのは難しくなるのは自明だ。

 もちろん、最高出力は比較的低回転で発生させ、高回転まで惰性でまわるようなエンジンを作れば、高回転域までまわして楽しむことはできるが、それは速く走るという意味ではナンセンスであり、そんなカタチばかりの高回転エンジンに商品力が生まれないことも明らか。

 また、フリクションロスを考えても高回転まで回すことはネガが多く、環境性能からしてもハイレビングエンジンが生き残っていく余地はほとんどない。

 さらに走行時の騒音規制についても厳しくなっている。すでに次世代の騒音規制をクリアするには内燃機関では難しく、電動化が必須とさえ言われているが、そこで問題になってくるのがタイヤ由来のノイズだ。とくにハイグリップでパターンが大きいほどタイヤノイズが大きくなる傾向にあり、いわゆるスポーツタイヤといわれるものは今後の騒音規制をクリアできないという話もある。

 このあたり、技術革新も進むので現時点で悲観的な話をする必要はないかもしれないが、騒音規制とタイヤの関係についても注視していく必要がある状況となっている。

 安全面での社会的ニーズ、規制というのもクルマ作りには大きく影響する。たとえばABSや横滑り防止装置については基準として義務化されているし、SRSエアバッグについても実質的には非装備というのはあり得ないというのがユーザーニーズだろう。

 つまり「なんの電子制御もない機械本来のプリミティブな走り」を味わうことは、新型車ではほぼ不可能になっている。電子デバイスを持たないクルマを新車で作って売るには、かつて認証を受けたモデルのバリエーション違い、あるいはマイナーチェンジといった扱いで作るか、もしくは100台に満たないような少量生産でなければ実現できないだろう。

 ただし、小さなモーターを載せた小さなモビリティとして新カテゴリーの四輪車については電子制御の義務化対象外だったりする。電動化時代におけるスモールモビリティでは、逆に電子デバイスのないピュアな走りを楽しめるという時代になるかもしれない。

こんな記事も読まれています

トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
トヨタのロバンペラが首位奪還、7本中6本で最速に。初出場勝田は苦境8番手/WRCポーランド
AUTOSPORT web
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
【バイクの仕組みQ&A】チューブ入りタイヤとチューブレスタイヤ、いったい何が違うのか?
WEBヤングマシン
Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
Honda、着脱バッテリー式ポータブル電源「Honda Power Pod e:」発売
カー・アンド・ドライバー
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
カローラより小さい!? トヨタの「小型クーペセダン」実車公開! スポーティカスタムがカッコいい「Yaris ATIV」タイでお披露目
くるまのニュース
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
ルノー・ジャポン、代表取締役社長兼CEOに大極司氏が就任
カー・アンド・ドライバー
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
【F1第11戦予選の要点】フェルスタッペンから0.888秒差。復調の兆しが見えないペレスの過酷な役割
AUTOSPORT web
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
こんなクルマよく売ったな!【愛すべき日本の珍車と珍技術】三菱渾身の合理的設計で生まれた5ナンバーミニバン[ディオン]の数奇な運命
ベストカーWeb
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ ラリー125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
新型フリード爆誕!~情報まとめ&新旧比較/ライバル比較~
グーネット
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
[カセットアダプター]最強の発明品説!? 旧車の純正カセットデッキでもスマホ音楽イケる魅惑の機械がスゴかった
ベストカーWeb
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
ここまで広ければ不自由しない! 装備もバッチリなトヨタ タウンエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦レース1終了時点
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
フェルスタッペンが0.4秒の大差で通算40回目のPP獲得。角田はQ3進出ならず【予選レポート/F1第11戦】
AUTOSPORT web
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ロッキー/ライズやWR-Vと張り合えるクルマがない! なにやってるの日産! マグナイトがあるじゃないの!
ベストカーWeb
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
バニャイアの完全なる土曜日。レコード更新のポールからスプリント独走優勝を果たす/第8戦オランダGP
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGPスプリント
AUTOSPORT web
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
フェラーリ育成ベアマンが今季初優勝。宮田莉朋は全体ファステストを記録/FIA F2第7戦レース1
AUTOSPORT web

みんなのコメント

38件
  • 次世代の騒音規制って、そこまで静かにする必要性はあるのか??
  • いつもの、カートップおじいちゃんが
    「こうすればいいんじゃ」って吐き捨てて終わるヤツw

    若者はこんなサンデーモーニングに出てくるような
    高齢者のボヤキなんてシカトしましょう。
    若者の時代は若者が作るという当たり前のことを
    こんな高齢者に邪魔されてはいけません。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0549.3万円

中古車を検索
アコードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

544.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0549.3万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村