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「掃除機」でタイヤ粉じんを測定 髪の毛より小さな微粒子をキャッチ 新規制導入で

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「掃除機」でタイヤ粉じんを測定 髪の毛より小さな微粒子をキャッチ 新規制導入で

ユーロ7でタイヤの粉じんも規制

まもなく、欧州でこれまでで最も厳しい排出ガス規制であるユーロ7が導入される。注目すべきは、マフラーから出るCO2や有害物質だけでなく、タイヤとブレーキから発生する粒子状物質(粉じん)に対する規制値も設定されている点だ。

【画像】えっ、EVも逃れられない? タイヤ粉じん規制【欧州メーカーの主力EV 3車種を写真で見る】 全55枚

タイヤの微粒子については昔からタイヤメーカーも注目しており、ミシュランは過去20年間にわたって研究を重ねてきた。英国のリカルド社も昨年、微粒子の測定方法に関する報告書を発表した。

欧州委員会は今年末までに報告書をまとめ、測定方法とタイヤ摩耗問題全般について検討する予定である。直近では、直径10ミクロン以下の微粒子を指す「PM10」の排出量を3mg/km(1km走行あたり3000分の1グラム)に制限するという提案がされた。

10ミクロンとはどのくらい小さいのか? わかりやすく比較すると、人間の髪の毛の直径は50~60ミクロンである。小さければ小さいほど潜在的な影響力は大きくなり、超微粒子(PM0.1)は人間の呼吸器系に深刻なダメージを与えるとされている。

規制するのはいいとして、これほど小さいものをどのように測定するのだろうか? 方法の1つが “大型掃除機” だ。ミシュランは、吸引機と2段階の測定システムを使ってタイヤの微粒子を測定するという、シンプルな方法を発表した。

まず、テスト車両の前方から空気を吸い込み、花粉や工場から出た煤(すす)など大気中の微粒子を測定する。次に、これをタイヤの真後ろから採取した微粒子サンプルと比較する。

採取された微粒子は、車両後方に牽引される濾過システムに入る。ここで10ミクロンから6ナノメートル(1ナノメートルは1メートルの10億分の1)の粒子を捕捉する。

次に行われるのは分離で、熱分解プロセスによってフィルター内の粒子の発生源を特定し、タイヤ粒子を分離する。最後のサンプリング段階で、サイズ別に粒子の割合を定量化する。

ミシュランによれば、タイヤから直接採取されるPM10は1%未満、PM2.5は0.6%未満であり、粒子の50%がタイヤゴム、残る50%が鉱物と路面物質の混合物だという。タイヤの摩耗によって発生し、空気中に浮遊している粒子(エアロゾルと呼ばれる)は平均してPM10が1.3%、PM2.5が0.16%とされる。

ミシュランは測定装置の仕組みを他社と共有している。欧州タイヤ・ゴム製造者協会(ETRMA)は、今年から第三者機関と共同で大規模調査を実施する予定である。

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みんなのコメント

26件
  • mss********
    現実にそぐわない馬鹿じゃねーEUはタイヤも使わないもちろん車も使わないそのうち靴からの粉塵洋服の粉塵も規制するじゃねーの。
  • car********
    まあ、都合が悪くなれば何とかデバイスでクリアさせるんだろ。その手のごまかしはお手の物だからな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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