アメリカGPからF1に復帰することが決まったリアム・ローソンは、先日行なわれたF1シンガポールGPでRBのチームに帯同していた。既に自身がF1に復帰することを知っていたローソンは、代わってチームを追われることになるダニエル・リカルドを前に、複雑な心境だったことを明かした。
ローソンは昨年のオランダGPで、初日にクラッシュし手首を骨折したリカルドの代役として、土曜日から急遽ステアリングを握った。ほとんど準備できないままのF1デビューだったが、それでも印象的な走りを披露。リカルドの回復には時間がかかったため、ローソンは結局5戦で代役を務め、シンガポールGPではポイントを獲得するなどし、その評価を高めた。
■リアム・ローソンこそレッドブルに必要なF1ドライバーなのか? motorsport.comのF1ライター陣の見解
今季最初からのレギュラーシート獲得とはならなかったローソンだが、レッドブル陣営のリザーブドライバーとして各グランプリに帯同。そしてリカルドのパフォーマンスがなかなか上がらなかったことを受け、シーズン終盤6戦でRBのマシンのステアリングを握ることになった。まだ来季のシートを確保できたわけではないが、それでも自身のパフォーマンスを示す絶好のチャンスが巡ってきたと言えるだろう。
「基本的には、こうなる方向に向かっていたんだ。そして2週間くらい前、彼ら(レッドブル)は基本的にはこういうことが起きるだろうと伝えてくれた」
ローソンは、ニュージーランドのラジオ局”Newstalk ZB”でのインタビューでそう語った。
「基本的には今シーズンが終わるまでの契約だ。シーズンが終わるまで待って、シーズンが進んでいくに連れて来季以降のことをもっと詳しく知ることになると思う。現段階では6レース走るだけだ」
「パフォーマンスを示す必要がある。F1で自分の価値を示すことができるように務め、去年と同じような仕事をする必要がある。そのことが今の僕にチャンスを与えてくれたんだ。だから、来年のシートも確保するために、十分な努力をする必要がある」
ただローソンにとってシンガポールGPは、気分の良いモノではなかったという。
「シンガポールは、僕にとっては間違いなく楽しい週末ではなかった。僕らは全員、何が起きるのかを知っていたからだ」
「それと同時に、ダニエルは去年僕がドライブしていた時に、常に僕に対して良くしてくれた。今シーズンもそうだ。だから、彼とシートを争っていると感じた事は一度もなかった。そういう意味で、シンガポールは僕にとっては良い気分ではなかった」
「でも僕にとっては、F1でのチャンスがやってきたということだ。そのチャンスに感謝しているし、両手でそれを掴む必要がある。彼も、僕に同じことを言ってくれた。彼は、チャンスを最大限に活用しなきゃいけないと言ってくれたんだ」
なおレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、今季残りの6戦で、ローソンのパフォーマンスを角田裕毅と比較したいと明言している。しかし、初戦のアメリカGPはパワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティを受ける予定であるため参考外……ローソンにとっては”勝負5戦”ということになるだろう。
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