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なぜハリアーも落選? “今年の車” 10ベスト選外でも愛でたい実力車

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なぜハリアーも落選? “今年の車” 10ベスト選外でも愛でたい実力車

 今年の日本カーオブザイヤー『10ベストカー』が11月4日発表され、以下のように決定した。

スバル レヴォーグ
トヨタ ヤリス/ヤリスクロス/GRヤリス
日産 キックス
ホンダ フィット
マツダ MX-30
アウディ e-tronスポーツバック
BMW2シリーズグランクーペ
アルピナ B3
ランドローバー ディフェンダー
プジョー 208/e-208

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 10ベストカーの選出にあたっては、各メーカー1台のモデルに集約される傾向にある。

 クルマ好きとしては毎回、「アレを入れるべきなのになぁ」という思いを抱いてしまうことになる。もちろん今年もそういうクルマがいくつか思い浮かぶ。

 本稿では、今年のノミネート車の中から、そういった残念賞(いい意味で)なクルマを何台か取り上げてみましょう。

文/清水草一
写真/ホンダ、トヨタ、ダイハツ、シトロエン、VW、奥隅圭之

【画像ギャラリー】11月4日に発表された日本カー・オブ・ザ・イヤー『10ベストカー』

ホンダe

2020年10月に発売されたホンダe。シンプルで愛らしいカタチで、左右の幅いっぱいに伸びたインパネの液晶表示などがあり、大胆かつ新鮮なクルマである

 価格が高すぎるとか、生産台数が少なすぎるというマイナス要因はあるものの、クルマそのものは非常に意欲的かつ合理的!

 まずデザインがスバラシイ。これだけシンプルで愛らしいカタチのホンダ車は、ホンダ創業期までさかのぼってもなかったかもしれない。左右の幅いっぱいに伸びたインパネの液晶表示や、その左右端に設けられたドアミラー表示部も、大胆かつ新鮮だ。

 RR(リアエンジン・リア駆動)レイアウトも、前輪の強烈な切れ角(=小回り性)と、後輪駆動特有の走る楽しさを両立させている。

 航続距離はそこそこながら、バッテリー水冷システムを持ち、バッテリーの寿命を心配する必要がなさそうなことも大変イイ。これが10ベストカーに入らなかったのはナゼ!? と言うしかない。

ダイハツ タフト

2020年6月に発売されたタフト。かつてのネイキッドを彷彿とさせるデザインを持ち、特徴的なスカイフィールトップを持つ

 かつてのネイキッドを彷彿とさせるデザインは、軍用車的な機能美を感じさせる。DNGAを採用したシャシーはとっても剛性が高くって、走りがしっかりしている。

 エンジンの改良も地味ながら実があり、自然吸気でも充分なトルクを発生。そのけなげな走りに、つい目頭が熱くなる。

 リアシートの前後スライドやリクライニングを廃したのも、軽の実際の利用状況を考えれば、ある意味英断じゃなかろうか。目立つ新技術は特にないけれど、見て乗って楽しくて、実用性や燃費にもほとんど文句ナシ。

 ダイハツは『10ベストカー』に1台も入ってないので、ますます残念です。

ダイハツロッキー/トヨタライズ

 通称名「ヤリス」の販売台数は、ヤリスとヤリスクロスの合算だが、ライズの販売台数は、ロッキーと分離されている。ヤリスとヤリスクロスは明らかに別のクルマだけど、ロッキーとライズは完全な兄弟車。

2020年上半期登録車販売首位になったトヨタ ライズ。7月からヤリスに販売首位の座を明け渡したが、その後もトップ5圏内にランクインし続けている

 つまり、通称名の分け方によっては、ロッキー/ライズは、今年の登録車ベストセラーなのだ。一番売れてるクルマななんですよ!デザインは可もなく不可もなく、1000ccターボエンジン+CVTのパワートレインにも、特に凝った部分はない。

 でも、このなんてことなさが実にイイというか、癒されるというか……。乗ってて可愛くなってくる。

通称名の分け方によっては、ロッキー/ライズは、今年のベストセラー車。特に凝った部分はないが、一番売れてて心が和むクルマである

 一番売れてて心が和むロッキー/ライズを10ベストカーに! と叫んでも無意味なことはわかってますが、なんとなく叫びたくなるなぁ。

トヨタ ハリアー

 ベースは前回カーオブザイヤーに輝いたRAV4だから、中身がしっかりしていることは言うまでもない。

2020年にフルモデルチェンジしたハリアー。インテリアの質感の高さ、外観、内装などとにかく、カッコイイクルマである

 そのうえで、ハリアーはとってもスタイリッシュだ。インテリアの質感の高さにもビックリする。外観も内装もとにかくカッコいい。もちろんSUVというカテゴリーもイケてる。いま一番イケてる国産車、それがハリアーなのだ!

 そんなイケてるクルマが『10ベストカー』に入らなったのは、なんだか残念じゃないですか。カッコよさもクルマの重要なファクターなのですから。

 カッコよさを重視してハリアーを『10ベストカー』に! と言っても誰も耳を貸しませんね。ハイ。すいません。

ホンダ アコード

ホンダアコードの乗り心地がしっとりしなやかで、ハイブリットの走りも良いクルマ。カー・オブ・ザ・イヤーの常連であったが、今回は落選。

 新型アコードは、どこのメーカーのクルマだかもよくわかんない感じだし、日本では明らかに謎なセダンではありますが、乗るとこれが実にイイんです。

 乗り心地はしっとりしなやか、ハイブリッドの走りもイイ。デザインだってよく見りゃとってもカッコいい。

 かつてアコードと言えばカーオブザイヤーの常連でもあった。そんなクルマが一顧だにされず落選。涙が出るじゃないですか。諸行無常よのう。救いはないのか……。ないですね。

VW Tクロス

Tクロスの1000ccターボは116馬力とパワフルなエンジンを持ちつつ、足回りも良いクルマである

 このクルマ、乗ると実にイイ。目立つところはないけど、ホントにイイんです!1000ccターボエンジンのパワー/トルクフィールは実に痛快。

 VWポロやアウディA1の1000ccターボは95馬力しかないけど、Tクロスのソレは116馬力で、はるかにパワフル。ビックリするほど気持ちいい。

 足回りもスバラシイ! しなかやにスポーティでSUVの腰高さをまったく感じさず、地面に張り付いたように走ります! 

 だから『10ベストカー』に入れろと言うのも何ですが、今年出た輸入車の中では「欲しいものリスト」のかなり上位に来るんだけどなぁ~。

シトロエン ベルランゴ

シトロエン ベルランゴは、シトロエンらしい内外装をもつミニバン

 「ちょっと大きいカングー」なベルランゴ。こういうクルマとディーゼルの組み合わせって、やっぱ最高なんですわ! トルクフルな走りに和みます。

 インテリアもシトロエンらしく夢いっぱいのアバンギャルドさ。こんなのをファミリーカーにしたら、人生が楽しくなりそうだなぁ。こういうのを1台入れてくれても良くないですか? ダメですか。無念。

【画像ギャラリー】11月4日に発表された日本カー・オブ・ザ・イヤー『10ベストカー』

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