7月9日にイギリスのシルバーストン・サーキットで開催された2023年FIA F2第9戦のフィーチャーレース(決勝レース2)。岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)は2列目3番グリッドからスタートを迎えると、抜群のスタートダッシュでターン1のホールショットを奪った。
しかし、続くターン3で2番手にポジションを下げることになると、その後はセーフティカー(SC)が3度導入される波乱の展開となり、岩佐は5位でフィニッシュ。10ポイントを持ち帰った。
【ポイントランキング】FIA F2第9戦シルバーストン終了時点
「スタートはうまく決まったのですが、その後の展開はタイヤのウォームアップに問題があったと思います」と岩佐はフィーチャーレースを振り返る。
「グリッドに向かう2周でマシンがスリッピーになり、十分に温められなかったために序盤のペースがあまりよくなかった点が反省点です。それよりもプライム(ハードタイヤ)でのペースがかなり遅く、(レース後半に)バトルで抜かれたことが大きな問題でした」
オプションタイヤ(ソフト)でスタートした岩佐。他の上位勢と同じく最初のSC導入タイミングとなった7周目にプライムタイヤ(ハードタイヤ)に交換し、タイヤ交換義務を消化するが、そこから22周はハードタイヤのデグラデーション(性能劣化)に悩ませられることになった。
そんななか迎えた16周目、ターン16でゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)が岩佐をコース外に押し出すかたちでオーバーテイク。このシーンについては審議対象となるもお咎めなしとなった。その隙にランキング2位のテオ・プルシェール(ARTグランプリ/メルセデス育成)までもが岩佐をパス。
その後、23周目にジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)にかわされ岩佐は6番手に後退するが、26周目に岩佐らと異なるタイヤ戦略を取ったアーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)をかわし5位に浮上すると、そのままチェッカーとなった。
「昨年はハードタイヤのデグラデーションはほぼゼロだったのに、今年はまったくダメでした。レース後、エンジニアといろいろなデータを見ましたが、まだ確実な理由はわかっていません。原因がタイヤの使い方なのか、マシンのセッティングなのか、これからしっかり分析して改善していかなければいけません」と岩佐。
「5位という結果は納得できるものではありませんが、ペースがない中でできる限りのことをしてポイントを持ち帰ることができたのはよかったと思います」
なお、フィーチャーレースではランキング2位のプルシェールが3位表彰台を獲得する一方、ランキングトップのフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)がリタイアに終わった。
ランキング上位3台の第9戦シルバーストンでの獲得ポイントはスプリントレース、フィーチャーレース合わせ、ベスティが10点、プルシェールが24点、岩佐が10点となった。前戦シュピールベルク終了時点からベスティとのポイント差には変わりはないが、プルシェールとの差が広がる結果となった。
2023年のFIA F2、次戦となる第10戦は7月21日~23日にハンガリーのハンガロリンクで開催される。岩佐にとっては昨年FIA F2初ポールを記録したサーキットだけに、引き続きその走りに期待したい。
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