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【玄人好みすぎた?】ロータス88B(1981年) BHオークション

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【玄人好みすぎた?】ロータス88B(1981年) BHオークション

ロータス88B(1981年)の概要

・7000万円からスタート
・流札
・予想落札額は8000~1億2000万円だった
・生産台数わずか2台
・規定問題で公式レースには投入されなかった幻のマシン
・エンジンはフォード製DFV
・シャシーNo.は88B/2(プライマリー)/87/2(セカンダリー)
(落札金額には手数料等別途費用がかかります)

【画像】出品されたロータス88B(1981年)【ディテール】 全18枚

ロータス88B(1981年)の詳細

ロータス88Bは1981年のF1世界選手権に向け、チーム・ロータスが開発。ユニークなツインシャシー構造を持っていたが、一度も本戦に出走することなく姿を消した、幻のF1マシンでもある。

1958年のF1参戦以来、コーリン・チャップマン率いるチーム・ロータスは様々な新機軸をF1界にもたらした。中でも衝撃的だったのが、サイドパネルを路面と密着させたサイドポンツーンの下面を逆翼状のベンチュリー構造とすることでダウンフォースを発生する、1977年発表のグラウンドエフェクトカー、ロータス78であった。

以後、グラウンドエフェクトカーはF1のトレンドとなり、全コンストラクターが追従することとなるが、それまでとは桁違いのダウンフォース発生量に伴うシャシー剛性や、路面の凹凸などでダウンフォース量が変化した際に車体のピッチングが激しくなるポーポイジングなどの問題が表面化してきた。

その対策として、サスペンションを固め車体の姿勢変化を少なくする処置が採られたが、ドライバーへの肉体的負担が激しくなるという新たな問題も発生した。そこでFISAは、最低地上高を60mmに設定しスライディングスカートを禁止する新たなレギュレーションを制定するなど、グラウンドエフェクトカーへの締め付けを強化していく。

こうした様々な問題を抜本的に解決するため、チーム・ロータスは2つの新技術を開発する。

1つ目はデュポンケミカルと共同で開発した、ノーメックスをカーボンケプラー外板でサンドイッチした、軽量・高剛性のカーボンモノコックシャシー。これは発表が数日遅れたため、F1初の称号はマクラーレンに譲ることとなった。

そして2つ目がアッパーカウル/アンダーボディ/リアウイングからなるプライマリーシャシーと、モノコック/タイヤ&サスペンション/パワートレインからなるセカンダリーシャシーをアップライト上にスプリングとダンパーユニットで連結したツインシャシーである。

これにより、ある一定の速度域(60km/h以上といわれる)を超えるとプライマリーシャシーが沈み込み、安定したダウンフォースを稼ぐ一方で、セカンダリーシャシーは、サスペンションの機能をフルに使ったメカニカルグリップを確保することができる、理想的な構造が実現したのである。

しかし、その存在が知られるようになると、 他チームが反発。開幕戦のロングビーチGP では車検をクリアしプラクティスに出走したものの、抗議を受けて出走禁止。続くブラジ ルGPでも金曜のプラクティスを走っただけで終わり、アルゼンチンGPでは車検も失格処分となってしまった。

そこでチーム・ロータスは、冷却系などの装備をプライマリーシャシーに移し合法化を図 った88Bを製作してイギリスGPにエントリー。車検にも合格し木曜のプラクティスを走行するものの、またも他チームからの抗議により出走を取り消される事態となった。

この事件を最後に、チーム・ロータスはタイプ88の開発を凍結。この時の経験が、後のアクティブ・サスペンションの実用化に繋がるのである。

今回の出品車は、当時2台のみが製作された88/88Bのうちの1台で、イギリスGPでナイジェル・マンセル用として登録された2号車。プライマリーシャシーのナンバーは88B/2、セカンダリーシャシーのナンバーは87/2となっている。

レース引退後、長らくチャップマン家に保管されていたが、2008年から久保田克昭氏の手でFIAマスターズ・シリーズに出場。ホッケンハイムやモンツァなどで何度も表彰台を獲得し、ポテンシャルの高さを証明してみせた。

その後は日本に持ち込まれ、2012年のJAPAN LOTUS DAYなど様々なクラシックイベントで走行を披露しているほか、2015年のF1日本GPでは佐藤琢磨選手のドライブでデモランを行なっている。もちろんヒストリックF1レース出場に必要なFIA HTPペーパーを取得しており、今もレディtoレースの状態に保たれている。

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