1月13日、千葉県の幕張メッセで開幕した東京オートサロン2023で、マツダはプレスカンファレンスを開催し、2023年のMAZDA SPIRIT RACINGのモータースポーツ活動について発表した。今季もスーパー耐久シリーズST-QクラスにMAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio Conceptを、ST-5クラスにMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERを投入する。
MAZDA SPIRIT RACINGは、2021年のスーパー耐久第6戦岡山から、次世代バイオディーゼル燃料であるユーグレナ社のサステオを使ったMAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIOを投入。その後2022年には車両をマツダ2にスイッチし、さらに第5戦もてぎからはロードスターを、そして第7戦鈴鹿からはマツダ3を投入するなど、マツダの新たなモータースポーツ活動としてスーパー耐久を舞台に積極的に活動を進めてきた。
マツダが東京オートサロン2023の出展概要を発表。スーパー耐久参戦車両の展示やトークショーを実施
このMAZDA SPIRIT RACINGの活動については、『共に挑む』をコンセプトとし、グラスルーツからのステップアップや、グランツーリスモを使ったEスポーツからのステップアップを目指すなど、さまざまな活動を展開してきた。さらに参戦開始から使用しているロゴを使ったブランディングなど、新たな試みも行っており、今回の東京オートサロンでも、昨年までのようにカスタマイズカーを置かず、レーシングカーのみの展示に。またブースもMAZDA SPIRIT RACINGの色が非常に濃いものとなった。
2023年に向けて、この日行われたプレスカンファレンスでは、マツダの青山裕大取締役専務執行役員が登壇し、マツダのモータースポーツの方向性について「クルマを運転する楽しさをもっと多くの人に楽しんでもらう」ことだと語った。そのために、健康で安全な草の根の活動を広げていきたいとしている。さらに、将来に向けた持続可能なモータースポーツのために、カーボンニュートラルへの取り組みも重要であると強調している。
これらの取り組みに向けて、マツダは今季も多くの人たちにモータースポーツを楽しんでもらうこと、Eスポーツ大会など、2022年から継続する活動に加え、バーチャルからリアルへの道、そしてグラスルーツからスーパー耐久へ繋がる道を整備していく。また、『チームジャパン』としてカーボンニュートラル時代でのモータースポーツを、他メーカーとともに取り組んでいくという。
さらに、MAZDA SPIRIT RACINGチーム代表を務めるマツダの前田育男シニアフェローが登壇し、今季の具体的な活動を紹介した。スーパー耐久ST-Qクラスでは、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA 3 Bio Conceptを継続して投入。さらなる性能向上をはかり、安定した速さの追求、そして新たな燃料、将来の技術へも取り組んでいきたいという。
参戦にあたっては設計、製作等はマツダ社内のスタッフを中心に行い、広島マツダの生え抜きのトップメカニックが担当する。ドライバーは、2022年に続き寺川和紘/井尻薫/関豊/前田育男という4名が基本のメンバーとなるが、第2戦富士24時間では、プロドライバーである阪口良平と堤優威というふたりが起用されることになった。
また、前田シニアフェローは「富士の後の中盤戦以降、新たな体制や車両など、また新しいニュースをお届けできると思いますので、ぜひ楽しみにしていただければ」とも語った。こちらも気になるところだろう。
一方、倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGについては、ふたつのチャレンジプログラムをスタートさせる。Eスポーツの成績優秀者がリアルのサーキットで走れる機会を提供すること、さらに『スーパー耐久インターンシッププログラム』をスタートさせる。パーティレース等からスーパー耐久へ繋がる道を作るプログラムで、ST-5クラスに参戦するMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERは、今季8名のドライバーが起用されるが、すべてロードスター出身のアマチュアドライバーとなるという。この車両はOVER DRIVEが車両管理、レース運営を担当し、桧井保孝がコーチを担当する。
MAZDA SPIRIT RACINGはマーチャンダイズも多くリリースされはじめ、独特の世界観が広がり始めている。「MAZDA SPIRIT RACINGの『共に挑む』というスローガンのもと、モータースポーツをより多くの皆さんが身近なスポーツと感じてもらい、同じ目標に挑んでいく輪を作っていきたいと思います」と前田シニアフェローは語った。
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